いろいろ出来るようになってきて
マテリアルハンドや魔族達が新たに加わり出来る事も増えてきた。
魔族達は各々割とどんな仕事でもこなしてくれる。
なのでどこに配置させても使える素晴らしい人材だ。
その一方で仕事量の増加により以前聞いた妖精さんの雇用も視野に入れ始めた。
「そういえばフユの世界ってそれこそ機械なんかは当たり前の世界なのよね?」
「まあそうだな、スマホもそうだけど音楽とか文学とかも機械で作れたりするし」
「そうなの?いろいろと凄いのねぇ」
こっちの世界の機械は冬夕の世界に比べると遅れているのはある。
その一方でキスカの存在などからロボット工学などではそれより先にあるのだが。
「でもフユの世界の機械ってそれこそ生活の中に当然にあるのよね」
「まあな、高速鉄道もあるし自動車とか飛行機なんかも基本的に機械制御だし」
「へぇ、そういう移動手段の制御は興味深いわね」
「ただ機械制御ではあっても操作するのは人力だけどな」
「自動化されてるっていう事ではないのね、だとしたらそういう職業もあるのよね」
冬夕の世界の機械というのは基本的に人力で操作するものがほとんどだ。
その一方でこちらは工場やロボットなどの完全自動化が実現している。
ただ完全自動化されているのはあくまでも単純作業であり人力の仕事も多いが。
「フユの世界だと完全に自動化されてるものって珍しいのかしら」
「うーん、たぶん珍しいと思う、工場なんかは製造工程は完全自動化されてるけど」
「だとしたらフユの世界もこの世界も機械に関しては一長一短って感じなのかしらね」
「かもしれないな、ただ通信技術では圧倒的にアタシの世界が勝ってるけど」
「スマホみたいな小型の通信装置なんてこの世界にはないものね」
こっちの世界はそうした技術がありながら電話は今でも有線である。
子機があるといった事もなく、冬夕の世界で言う黒電話に近いものがある。
西の国の技術とはいえ、それだけのものがありながら通信はまだそれぐらいなのだ。
「スマホみたいな通信技術が生まれるのはまだかかりそうかしらね」
「前に来た時も言ったけど、通信って基本的には電波を使った技術だしな」
「無線通信はつまり電波通信なのよね」
「パソコンなんかもこっちの世界にはないっぽいし、通信はマジで弱いって分かるな」
「ぱそこん?って何かしら」
こっちの世界では西の国は技術大国でありながらも通信だけは弱い。
東の国でも通信技術だけは発展が遅れている。
その一方でエルフやダークエルフは念話的な魔法が使えるらしい。
「そのぱそこんってなんなの?」
「分かりやすく言うと、文書作成とか情報を調べたりとかに使う機械だな」
「へぇ、つまり作業機械って事でいいのかしら」
「出来る事は結構多いけど、主な使い道はそういう作業でいいと思うぞ」
「フユの世界には便利なものがあるのねぇ」
ちなみにこっちの世界には活版印刷は存在する。
本も平民でも買えたりするので、識字率などはそこそこ高い方だ。
ただその一方でタイプライターのようなものでもこっちの世界にはなかったりする。
「機械で文字を書くっていうのが出来るのは仕事が楽になりそうよね」
「タイプライターでもいいからないのか?」
「タイプライター?少なくとも文字書きは人力でやるのが当たり前なんだけど」
「つまりこの世界は通信と個人で使う作業機械がまだ弱いって感じなんだな」
「それはたぶん正しいわね、機械はあるし工場もあるけど本作りとかは人力だし」
こっちの世界においては機械は工業機械やロボットなどは発達している。
その一方で通信や個人で使う作業機械は西の国ですらまだ弱いのだ。
活版印刷がありながらタイプライターが存在しない少し不思議な感じがある。
「村にも機械が導入されたとはいえ今は指導していく段階かしらね」
「アタシの世界も発展してるとは思うけど、こっちにはまた別の形での発展があるんだな」
「お互いの世界の話をしてると人が技術の発展で何をしようとしたかが分かるかも」
「なんか分かるわ、技術に対して何を求めてるかっていう事だもんな」
「そうね、技術で何をするか、そこは世界の違いと視点や考え方の違いよ」
冬夕の世界もこの世界も技術自体は発展している。
ただ求めるものが違うという事は技術もまた違う発展をしていくという事だ。
キスカのようなロボットは冬夕の世界ではまだ当分生まれないだろうという事も。
「機械に関してはフユの世界もこの世界もそんなに変わらないのかもね」
「でもこの世界にもそれだけの機械があったのは驚いたけどな」
「それは西の国の話よ、東の国はまだ機械の導入はそんなにされていないもの」
東の国と西の国による事情の違い。
話では西の国は昔から商売が盛んだったとマテリアルハンドの人達は言う。
それが結果として技術の大きな発展に繋がったのだろうと。
東の国も西の国も文化的な理由は大きいのだ。




