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餃子は美味しいもの

食事処やお土産などの観光的な理由での人集めも考えるオルライト。

その一方で移住を希望する人達は冬だからなのか停滞気味だ。

とはいえ全く来ないわけではなく今の村の住民は少しずつではあるが増えている。

それにより今の村の総人口は約4500人程となる。


「フユの世界にもギョーザってあったのね」


「ああ、にしても異世界なのに餃子がある事に驚きだわ」


「大工の人達がたまにギョーザパーティーをしてるのよ、その関係でね」


大工の人達の出身でもあるロスカスタニエの名物でもある餃子。


それもあり大工達はたまに自作の餃子で餃子パーティーをしているらしい。


「村の人達も集めてやってくれるから助かるのよね」


「餃子パーティーか、ならバリエーションとか増やしてもいいんじゃないか」


「フユの世界のギョーザって種類があったりするの?」


「ああ、ここは海沿いだし海老餃子とか野菜餃子とか肉餃子とかいろいろやれるだろ」


「なるほど、フユはギョーザのレシピとかは知ってるのかしら」


冬夕も餃子は作れるものの作る事はそんなになく、基本出来合いのもので済ませるとか。

料理自体はそれなりに出来る人ではあるが、自炊はそこまでしない人でもある。


なので出来るけどあまりしない人というのが冬夕でもある。


「実際そういうのってなんとか出来るものなの?」


「レシピ知ってれば出来るだろ、あと水餃子とかもあるし揚餃子とかも美味いぜ」


「スイギョーザにアゲギョーザ?」


「水餃子はスープに餃子を入れたもんで、揚餃子は油で揚げたもんだよ」


「なるほど、なら材料を分けてもらっていろいろ試してみるから今から行くわよ」


その行動力はオルライトである。

そのまま大工達の住居に向かい餃子の事について説明する。


面白そうだという事になり、試作品の試食をしてくれるという事になった。


「それで材料は譲ってもらったけど、実際はどうやって作るの」


「水餃子はだしとかがあるといいんだが、なんかあるか」


「ダシ?って何かしら」


「そこからか、とりあえずやるだけやってみてからでいいだろ」


「ええ、ならまたキスカと村の人達に頼んでみるわ」


譲ってもらった材料を持ってキスカに事情を説明する。

意外とあっさりと了承してくれたようで、そのまま村のおばちゃん達が招聘される。


冬夕がざっくりとレシピを説明してそれを作ってもらう事になった。


「上手くいくかしら」


「まあ前も上手くいったし問題ないと思うぜ」


「それもそうね、それにしても村の奥様達はポテンシャルが高いというか」


「高級料理みたいなもんでもないからじゃねぇの」


「確かに家庭料理的なものが多いから、それなら納得なのかしら」


それからしばらくして試作品が運ばれてくる。

味の方はどうなのかという事がまずはだ。


とりあえず試食してみる事に。


「うん、これは確かに美味しいわね、揚げギョーザって凄く美味しいわ」


「海老餃子なんかも意外と上手く出来てるな、これは美味いぜ」


「水ギョーザは普通の焼きギョーザに比べて皮が凄いモチモチなのね」


「これなら問題ないな、やっぱこの村の人達すげぇわ」


「大工の人達にも試食してもらう話になってるから、持っていってあげてくれるかしら」


その話の通り大工の人達のところに試作品を持っていってもらった。

味は特に問題なく、食事処などで出しても問題ないだろう。


こっちの世界では料理は美味しいが、アレンジ的な種類は少ないと感じた冬夕だった。


「とりあえずギョーザのアレンジは何かと使えそうね」


「オルライトって意外と手段は選ばないタイプって言われないか」


「あら、使えるものはなんでも使うと言ってもらえるかしら」


「そういうところ、結構狡猾というか知恵が回るというか」


「でもこっちでも再現可能なものはいろいろと面白くなりそうだから、楽しみだわ」


オルライトもこれで結構手段を選ばないタイプの人間でもある。

だからこそこんな感じの性格に育ったとも言えなくもない。


貴族でありながら貴族らしからぬ性格をしているのだから。


「それにしてもこの冬の村で夏服のフユはなかなかに浮くわね」


「アタシの世界は今は真夏なんだから仕方ないだろ」


「凄く暑いんだったかしら」


「そうだよ、夏休みだから涼しい部屋で過ごしてるってのに」


「それがこっちは冬だものね、寒暖差が辛そうだわ」


冬夕の世界は今は真夏なので冬夕も当然夏服である。

なので冬のこの村に飛ばされると当然寒い。


そして室内は暖炉ガン焚きなので想像よりも暑いのだ。


「それにしても美味しかったわね」


「出来そうなもんなら意外とこっちでもなんとでもなるんだな」


「まだまだフユの知識は使えそうだわ」


オルライトも異世界人の冬夕を存分に利用している。

別に命を取られたりはしないので、冬夕も特に気にしてはいない。


それに異世界の知識は新たな産業などにも活用出来る。


冬夕もその辺はある程度は分かっているのかもしれない。

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