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手続きとかいろいろ

夏の暑さも少し落ち着き始めたもののまだ暑い日は続く。

そんな中オルライトは家からの連絡を受け、必要な書類をまとめていた。

もし正式に領主になるのなら、その時は手続きなども必要になる。

それらをまとめているようである。


「ふぅ、やっと終わりそうだわ」


「オルライトは正式にここの領主になるつもりなんだよな」


「ええ、だからそれに必要な書類とかをまとめてたんだけど」


家にも事情は伝わっているようで、先日親から必要な書類などが送られてきた様子。


それらに記入した上で、親に送り返して国に提出してもらう形になる。


「それにしてもお父様も私の事は汲んでくれているのね」


「いい親父さんなんじゃねぇの、まあ揉めたのは結婚関係なんだよな」


「そうよ、だからお父様との関係自体は普通に良好なの」


「そういえば母親はいないのか?もう亡くなってるとかじゃないよな」


「お母様なら今も存命よ、ただ今は療養中だけど」


オルライトの母親は公務の忙しさなどから疲労により体を壊してしまったという。

なので今は父親の別荘で療養中とのことらしい。


ちなみに母親との関係も悪いという事ではないとか。


「でもお母様って中流貴族の人なのよね、そこまで偉い家柄の出身でもないのよ」


「中流貴族っていうと、伯爵とか男爵みたいな爵位を持たない貴族みたいな感じでいいのか?」


「そうなるわね、爵位を持ってるのは上流貴族、中流や下流貴族は爵位は持ってないのよ」


「そんなものなんだな、貴族とかのシステムはアタシにはよく分からん」


「それは仕方ないわよ、まあ私の家は侯爵家だから、そこそこ偉いんだけどね」


オルライトの家の爵位は侯爵だという。

階級では上から二番目なので、普通に地位のある家柄ではある。


オルライトの母親は爵位を持たない中流貴族の出身だという。


「でもお父様はお母様を選んだ、聞いた話だとお母様は武術が上手いらしいのよね」


「武術って、貴族だと歌や踊りのイメージなんだが」


「お父様が若い頃、結婚相手を決めるお披露目会があって、そこでお母様が武術を披露したとか」


「それでオルライトの母親を気に入って結婚相手にしたっていう事か」


「らしいわよ、みんなは歌や踊りを披露したけど、お母様は武術を披露したって言ってたし」


話を聞く限り結婚相手を選ぶお披露目会があったという。

そこで中流貴族のオルライトの母親は武術を披露した。


それを当時若かった父親が気に入り、結婚に至ったという話らしい。


「そんなお母様でも体調を崩すわけだから、貴族の公務はどれだけ激務なのか分かるわよ」


「オルライトが武術の才能も貴族としての素質もあるのも親譲りっていう事は分かったな」


「ただお母様の体調は回復してきてるとは聞いてるから、とりあえず安心してるわ」


「でもオルライトって親とは仲良しで、揉めたのは結婚相手の事っていうのもらしいよな」


「結婚の話は相手が私の事を縛ってきそうだったからよ」


オルライトの結婚相手の事で揉めたのは言うまでもない。

とはいえオルライト自身結婚に消極的というわけではない。


あくまでも自分が仕事をしていてもそれを否定しない相手が条件というだけらしい。


「そういうフユは結婚したりしないの?」


「一応アイドルやってるしなぁ、結婚するとしたら引退後になるとは思う」


「ふーん、結婚する気だけはあるのね」


「ただ結婚って結局は相手との相性だからな、理解はあるけど干渉はしない、これは最低限だ」


「理解はあるけど干渉はしない、確かにそれは大切な事ではあるわね」


冬夕曰くもし自分が結婚するなら、アイドル卒業後になるだろうとのこと。

尤も冬夕が言うには、結婚相手に求めるのは理解はあるが干渉しない事らしい。


なのでオルライトもそこには共感しているっぽい。


「でも私だって結婚そのものには嫌だというわけではないのよ」


「まあオルライトは普通に美人だもんな、男は寄ってくるだろ」


「ただ私の結婚相手は自分で決めたいっていうだけの話よ」


「オルライトは貴族だし、縁談とかは親が持ってくるものってイメージではあるんだよな」


「まあそれはあるわね、だから断る権利ぐらいはこっちにあるんだけど」


オルライトも断る権利ぐらいはあるという事らしい。

尤も父親もお披露目会的な事をやって選んでいるのだから当然だ。


選ぶ権利も断る権利も当然あるという事のようだ。


「とりあえずさっさと書類に書くこと全部書いちゃいましょ」


「領主代行としての任期ももう少しだもんな」


「正式に領主になる事自体はもう決めてるからね」


オルライトは正式に領主になる事は決めているという。

なのでこうして手続きの書類に必要な事を書いているわけで。


領主代行から正式に領主になるまであと少し。


その日が来るまでに出来る事は全部やる覚悟である。

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