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多様なお茶

オルライトの領主代行としての仕事が終わるまでもう少し。

それまでに出来る事は全て終わらせ、引き継ぎの用意もしておく。

尤も正式に領主にならないかと言われれば、当然引き受けるつもりである。

なので今はそれを待ちつつ残りの仕事を処理していく事になる。


「ここのお茶もずいぶんと種類が増えたのね」


「あ、オルライト様、ええ、おかげで茶葉の輸出も捗っていますよ」


「エルフの育てるお茶はどれも美味しいけど、種類もこんなにあるのね」


エルフの人曰くお茶の葉は発酵具合によって様々なお茶になる。


なので同じ茶葉から多様なお茶に変わるという事だ。


「でもお茶の輸出も捗っているのはいい事ね」


「はい、村の外からも評判は届いてますから」


「でもお茶の種類って多くてよく分からないのよね」


「基本的に発酵具合によって名前が変わりますからね」


「そういえば行商の人が東の国では緑茶やほうじ茶なんかをよく飲むって言ってたわね」


そんな緑茶やほうじ茶なんかも今は村で飲めるもの。

なので食堂なんかでもそうしたお茶はよく飲まれている。


そんな中茶葉ではないお茶もあるらしく。


「でも今では村で多様なお茶が飲めるのね、私は緑茶が気に入ったんだけど」


「先日フユ殿から聞いたのですが、大麦から淹れる麦茶なんて言うのもあるらしいですよ」


「麦茶?名前の通り麦からお茶を作るって事なの?」


「はい、大麦を使うので、煎茶みたいな感じらしいです」


「ふーん、麦茶なんてものもあるのね」


暑い夏に飲む麦茶は何よりも美味しい。

エルフに話した冬夕曰く暑い夏は麦茶に限るという。


キンキンに冷やして飲む麦茶は何よりも美味しいのだと熱弁していたとか。


「そういえば小麦は育ててたけど、大麦は育ててないの?」


「一応育てていますよ、大麦パンみたいなのも作ってたはずです」


「私が気づかなかっただけみたいね、大麦があるって事はもしかして麦茶も作れるの?」


「作れますよ、先日作り方を聞いてサンプルを作ってみました、よければ飲みます?」


「ならいただいてみようかしら」


そんなエルフが先日作ったという麦茶。

当然キンキンに冷やしているらしく、今は夏なので当然美味しく感じるらしい。


オルライトは麦茶をどう感じるのか。


「これが麦茶なのね、んっ、これは確かに美味しいわね、冷たくてしつこくもなくて飲みやすいわ」


「麦茶は温かくして飲んでもいいですが、冷やして飲むのが一番美味しいそうなので」


「確かに冷たい麦茶は凄く美味しいわ、なんでこんなに美味しいのかしら」


「暑い季節に飲むという事もありますが、大麦の味も大きいのかとは思いますね」


「うーん、美味しいのは確かだけど、なんか不思議な飲み物だわ」


麦茶の美味しさは日本人にしか分からないものなのかもしれない。

色が色なので、遠目で見たらウイスキーのロックに見えてしまうかもしれない。


そんな麦茶は大麦を有効に使う方法でもあるっぽい。


「でも麦茶って美味しいわね、喉を抜けていくような美味しさがあったわ」


「お茶に関しては麦茶に限らず、いろんなお茶が冷たくして飲んでも美味しいそうですし」


「へぇ、つまり紅茶とか緑茶とかも冷たくして飲んでも美味しいのね」


「ええ、温かく淹れたものを冷やすというより、最初から水で淹れるみたいな感じらしいです」


「つまり最初から冷たい水でお茶を淹れるやり方なのね」


冷たいお茶は基本的には水出しか急冷で作るものではある。

急冷というのは温かく淹れたお茶を氷で一気に冷やすやり方だ。


冷たいお茶を手軽に飲める方法としてはやはり急冷になるのか。


「冷たいお茶、それももっと国外とかにも広められないかしら」


「冷たいお茶を作るには水出しか急冷というやり方があるそうですよ」


「水出しか急冷、水出しはなんとなく分かるけど、急冷って?」


「温かく淹れたお茶を氷で一気に冷やすやり方みたいですね」


「なるほど、氷が手に入れば急冷は手軽に出来そうね」


急冷は氷さえ確保出来れば一番手軽なやり方だ。

村で氷を手に入れるとしたら冷蔵庫についている冷凍庫で作るのが手軽か。


冷蔵庫はマテリアルハンドとダークエルフの合作により生まれたものではある。


「氷は今は村でも作れるものなのかしら」


「マテリアルハンドとダークエルフの協力で開発されたらしくて、村の中では広まってますね」


「なるほど、そっちも確認しておこうかしら」


「でもオルライト様にも報告は上がっているのでは?」


「報告は聞いてるけど、実用化にまで至っていたのは仕事の速さに驚いてるわ」


オルライトも村の中で生まれたものなんかの報告は受けている。

とはいえ仕事が早いものは報告が上がるのに少し遅くなる事もあるとか。


それだけ優秀な人達が揃っているという事でもあるが。


「でもお茶もいろいろあるっていう事なのね」


「そうですね、村のみなさんも美味しく飲んでいただいていますし」


「お茶もすっかり産業寝、頼もしいわ」


そんな多様なお茶は今ではすっかり産業の一つだ。

また麦茶というものの美味しさもある。


暑い夏に飲む冷たい麦茶は何よりも美味しい。


冷たいお茶は思っているより簡単に作れるものである。

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