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工場稼働中

村はすっかり街へと姿を変え多くの人が暮らし行き交うようになった。

そんな中村では様々な生産も行われている。

それはオルライトが招いた様々な人達がいるからこそ。

また移住者達の労働の場としても多くの雇用が生まれている。


「工場は問題なく稼働してるっぽいわね」


「オルライト様が建てた工場はどれも労働の場としての意味もありますしね」


「教えてくれるからこそ仕事も覚えられるってものよね」


そんな工場でも様々なものが生産されている。


服や薬、日常品から食品の加工品まで工場の生産効率は高いというもの。


「でも土地がこれだけ余っていたというのも、凄いというか」


「多くは森とかでしたからね、それを切り拓いたわけですから」


「それを開拓したのは自然を壊してやったのだけど、国が元々やる予定だったのよね」


「ええ、そこでオルライト様に依頼が来たという事でしたっけ」


「国が開発するというのなら、それには従うしかないしね」


村の開発は元々国の事業として行われる予定だったもの。

その責任者としてその領地に住む貴族が選ばれる事になっていた。


前の領主が病気によって療養に入ったためオルライトにその話が来たという事だ。


「でもあの小さな村がこんなに大きくなるなんてねぇ」


「住民も10000人をを越えましたしね、私ももはや村長ではなく町長ですよ」


「でもバルカはなんだかんだで慕われてるわよね」


「そうですね、自分も出来る事はしてきたつもりですし」


「その結果きちんと慕われてるのなら大したものよね」


バルカもオルライトに負けず劣らず住民からの支持は強い。

それは村を取りまとめる役目をしっかりと果たしてきたからなのだろう。


オルライトが領主ならバルカは村のトップなのだから。


「それにしても工場で働いてる人達もしっかりと仕事を覚えてるのね」


「教えてる人達がしっかり教えてるからこそですよ」


「工場がこれだけ動いていると生産もどんどん出来ていいわね」


「おかげで村の中だけでなく、輸出にも力を入れられますからね」


「国内だけでも輸出が出来てるのは強いわよね」


工場が建ったおかげで生産品を国内の別の領地にも輸出している。

様々なものを作っているので、その素材の生産もまた工場でやっている。


工場で素材を作り別の工場でその素材から物を作っているのだ。


「でも工場があると排水とかの問題も出てくるのよね」


「川の汚染とかは避けないといけないですしねぇ」


「そこはとうにかならないものなのかしら」


「とりあえず川に垂れ流すのだけはやめないといけませんね」


「それはそうなんだけどね、そこも今のうちにやっておかないとね」


工場があると工業排水の問題もセットで付いてくる。

そこをどうにかしないといけないという事はオルライトも考えている。


水の汚染が起きてしまえばそれは問題になるからだ。


「でも工場がこれだけあると生産効率は段違いよね」


「ええ、他の領地にも工場はありますが、この村は規模が違いますからね」


「そこは国の開発計画が大規模だったからこそなのよね」


「しかし国もこの土地を開発しようとは、伝承の樹があるのを知ってて決めたんですかね」


「どうなのかしらね、でも伝承の樹そのものに傷はついたりしてないし」


村の近くの高台には伝承の樹が立っている。

とはいえ開発計画で木に傷がついたりした事は一切ない。


そこは国も理解したうえでの計画だったという事か。


「なんにせよ私に出来る事は出来る限りやっておかないとね」


「任期が終わるまでもうそんなにないですしね」


「村人達は私に続けて欲しいって思ってるのかしら」


「そういう声は多いですよ、尤も決めるのはオルライト様ですから」


「そうね、今後どうするかは私が決めないとね」


オルライトに領主を続けて欲しいと願う村民は多い。

それはバルカがきちんと声を拾ったうえでのデータである。


だからこそその日が来た時に要請があったのなら答えは決まっているという事なのか。


「でもあっという間の四年間だった気がするわねぇ」


「四年なんて長いようであっという間ですよ、時の流れは速いんですから」


「そう言われると返す言葉がないわねぇ」


「でも本当にあっという間の四年間でしたね、秋になったら任期満了ですか」


「その上で今後も必要とされるのならその声には応えないとね」


オルライトは望まれるのならばその声には応える性格だ。

前の領主からもその時はきちんと領主の座は譲るつもりだという了承はもらっている。


今は前の領主は持病の悪化による療養中なので、仮にオルライトが断っても復帰は厳しそうだ。


「とりあえず今はその日まで出来る事をしないとね」


「ええ、その日はもうすぐそこですから」


「時の流れは速いものね」


そうして工場が稼働している事で生産効率は圧倒的に上がっている。

排水の問題などにも手を付けつつ工場の安定稼働を優先させる。


この先の時間はもうそんなに多くは残されていないからこそだ。


だがオルライトも必要とされるのならその声には応えるつもりではあるようである。

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