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家族との関係

すっかり春本番になり気温も少しずつ暑くなり始める。

そんな中家の事も少し考えていた様子のオルライト。

仕事が終わるまでは干渉はしないが、キスカを通して報告はされている様子。

家族との関係は悪くないものの、自由に生きたいオルライトには狭い鳥かごなのか。


「ふぅ、それにしてもこのコーヒーって美味しいわね」


「オルライトは本当に結婚が嫌なんだというのは伝わるけど、家督はどうするのかな」


「家の事ね、一応上の家族がいるし、そっちに任せればいいわよ」


オルライトは家では次女であり上には兄がいるという。


なので家を継ぐのはそっちに任せるつもりらしいが。


「でもお父様には悪いとは思っているのよ?あくまでも私は自分のしたい事がしたいの」


「そういう気持ちはあるんだね、とはいえ領主の仕事は今は代行なんだろう」


「そうよ、ただ任期が終わってからどうするかはその時に決めるわ」


「実績としては充分すぎるしね、正式に領主にならないかというオファーも来るかもね」


「もし正式にオファーが来たのなら受けるつもりではあるけどね」


オルライトももし正式に領主になってくれと頼まれた時は受けるつもりだという。

それが来るかは今は分からないが、もし来たらという話ではある。


結婚を全力で拒否した身ではあるが、家の事が嫌いというわけではない様子。


「そういうベルだって科学の道に進んだのに、人の事が言えるのかしら」


「僕の場合は建築の役に立ちそうだから、科学を学んでるんだけどね」


「とはいえキスカを通して家に報告が行ってるのはとっくに知ってるのよね」


「家族が連絡をして来ないのはあくまでも最終的な結果を見て判断するつもりだからかな」


「たぶんそうだと思うわよ、だからこそ何事にも手は抜けないのよね」


家から連絡が来たりする事がないのは、あくまでも最終的な結果で判断するためか。

とはいえ何をしているかなどは全て伝わっていると考えるべきだろう。


あくまでも仕事をしているうちは一切の干渉はしないという事なのだろう。


「私としても家族の事は何かと気になっているのはあるから、最終的に納得させたいわね」


「とはいえオルライトは家族とは関係は悪くないのに、反抗的なところはあるよね」


「私はあくまでも誰かに何かを強制されるのが嫌なだけよ」


「そういうところはオルライトらしいというか、昔から何も変わってないね」


「そういうベルだってそこまで変わってないじゃない」


オルライトもベルも昔からそこまで変わっていない様子。

ただ家の事情などは理解しているようで、その上で道を選んだとも言える。


オルライトが領主代行の仕事を受けたのはあくまでも結婚が嫌だからなのだ。


「お父様も人が悪いわよね、でも干渉して来ない辺りは信用されてるのかしら」


「オルライトは野生児みたいな性格なのに、貴族としての気品さはあるもんね」


「まあ座学とかはそんなに好きではないけど、そういうのはある方がいいしね」


「勉強の時は真っ先に終わらせてたもんね、それだけ勉強が嫌だったのかな」


「私は基本的に畑でも耕してたりする方が好きなのかもしれないわね」


オルライトは家にいた時は屋敷の庭で個人で菜園を持っていたりした。

野菜はそんなに好きではないが、勉強のついでにやっていたという事らしい。


貴族として必要な勉強の一環として考えていたようである。


「でも座学がそんなに好きでもないのに、畑作業とかは割と好きなのよね」


「肉体労働とかが好きなんだろうね、貴族らしくないと言えばらしくないけど」


「貴族として民草がどんな生活をしているか知る事は大切だと思ったし」


「領主代行の仕事を受けたのもそういう事を知りたいと思ったからかな」


「まあそれはあるわね、私は昔から本とかを読むのはそんなに好きじゃないのよ」


オルライトは出来ないという事はなく寧ろ優秀なのに、座学は好きではない。

とはいえ貴族ともなると肉体労働より書類仕事などの方が多くなる。


それは貴族という上に立つ者としての宿命でもある。


「ただお父様も私の事を心配してるのは分かるから、なおさらなのよね」


「家族の関係に関してはそういう事が言えるのなら、特に問題はなさそうだね」


「最終的な選択は私に委ねられてるっていうのは分かってるしね」


「まあその時が来るまでは今の仕事を全うすればいい、それだけかな」


「そういう事よ、お父様に出された条件はクリアしてるから、あとは出来る事をするだけよ」


オルライトも出来る事は全部やってきたからこその今の村がある。

あとは出来る事を全部やった上で最後の日を待つのみである。


今年の秋が全ての審判の日であるのだから。


「さて、それじゃ仕事に戻るわね、コーヒーありがとう」


「別にいいさ、オルライトも仕事しっかりやるんだよ」


「分かってるわよ、さて、気合い入れなきゃ」


そんなオルライトも家庭の事情などは理解している様子。

勉強のために苦手なものにも積極的に触れてきた。


オルライトからしたら座学はあくまでも好きな事をやりたいからさっさと終わらせるもの。


野生児のような性格と言われながらもその知識欲や知的好奇心もとても強いのだから。

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