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目標達成

村もすっかり春の陽気になり日差しが心地良い季節になった。

そんな中オルライトの婚約解消のための目標の一つが達成された様子。

それにより村から街へと扱いを変えてもらえる事にもなる。

もう一つの目標も近いうちに到達出来る目処がついてきた。


「うふふ、やったわ」


「オルライト、何かいい事でもあったのかな」


「ベル、やったのよ、住民の数が10000人を超えたの!」


どうやら先日新たに移住してきた住民により目標の一つを達成した様子。


条件の一つでもある住民の数が10000人を超えたのだという。


「長かったわね、でもやっと達成したわ」


「しかし本当にやってのけるとはね、流石としか言いようがないというか」


「あとはもう少し住民が増えてきたら、街としての申請もしないとね」


「でもなんでそこまでして婚約を嫌がるんだい、別に困る事はないと思うけど」


「私は自分のやってる活動とかに対して何かと言われたくないだけよ」


オルライトは元々私財を使って慈善事業などもやっている。

それもあり平民の暮らしなどは結構近くで見てきたのもある。


なので婚約によりそうした活動に制限がかかったりする事が嫌なのもあるのだろう。


「でも私一人では達成出来なかったわよね、ベルもそうだけどみんなの力あってこそよ」


「オルライトは個人資産でも相当なお金を持ってるから、どんどん投入出来るしね」


「結局はお金っていうのはあの世にまでは持っていけないのよ、それなら使うに限るわ」


「そういうところに一切の迷いや躊躇いがないのは流石としか言えないけどね」


「貴族の中には評判がよくない貴族もいるからこそ、いい貴族でありたいもの」


貴族達の中にはお世辞にも評判がよくない人もいる。

とはいえ貴族の務めを果たしている貴族もまた多い。


人というのは欲という魔物と戦わねばならないからこそだ。


「あとは税金1000万も達成して華々しく婚約解消したいわね」


「オルライトって割と我が道を突き進むよね、覇王みたいな性格というか」


「覇王ってそれは失礼ね、私はあくまでもお金を使って出来る事をしてるだけよ」


「それが頼もしさでもあるんだけどね、でも僕はそんなオルライトに惹かれてるんだよ」


「ベルって私に惚れてる割に、結婚とかの話は出てこないわよね」


ベルはなんだかんだでオルライトにホの字ではある。

とはいえ本人はオルライトと婚約したりするつもりはなさそうだ。


そもそも婚約の話が出ても、オルライトの方が断るであろうからこそなのか。


「でも村の発展にベルの家が大きく貢献しているのもまた事実よ」


「そうだね、僕の家は建築で成り上がった家だからこそだよ」


「建材はもちろん、道の舗装に使う砂利とかもベルの家は強いものね」


「まあね、この国に出回ってるセメントやコンクリートも僕の家が開発したものだし」


「実際ベルの家がシェアを八割ぐらいを占めてるのは建築で成功したからこそよね」


ベルの家は建築により成り上がり貴族の位を賜った家でもある。

建材はもちろん、砂利やセメントやコンクリートもベルの家がシェアのほとんどを持っている。


この世界にもセメントやコンクリートがあり、それを開発したのもベルの祖先だという。


「でもベルの家の建材や砂利があると本当に捗るわよね」


「仮にも建築で成功した家なんだから、そこは当然だよ」


「村の発展もいろんな人が集まってくれたからこそよね」


「オルライトの本気をみんな汲んでくれたんだろうね」


「私はやれる事は全部やった上で審判の日を待つつもりだもの」


オルライトが父親から出された条件は二つ。

両方とも達成した上で審判の日を待つつもりではあるという。


なお村の発展は最後の日まで手を抜くつもりも一切なさそうだ。


「でも四年っていうのも長いようで短く感じるものね」


「それだけ忙しかったっていう事なんじゃないかな」


「かもしれないわね、まあまだ期間は残ってるし、ここで終わりではないもの」


「お父様もオルライトが成し遂げたからには認めてくれるだろうしね」


「約束を守るというのはそれだけ大切な事でもあるわ、お父様もそれは分かっているわよ」


約束は守るというのは人の信用問題にも関わってくる。

約束を守るというだけでもその人への信用は大きく違うもの。


だからこそオルライトにはそうした実績があるのだという事でもある。


「さて、残りの期間で出来る事は全部しなきゃね」


「そういうところが頼もしいんだよね」


「あら、ベルだって頼もしい限りよ?」


「なんにせよ村は街に変わるのかな」


「次の移住者が来たらその時は国に申請するわ」


村から街に変わるには住民の数が10000人以上である事。

その人数は達成したため申請さえすれば街へと変わる。


それには次の移住者が来てからする事にしているようで。


「さて、仕事に戻らないとね」


「それにしてもオルライトの本気は叶ったみたいで何よりだね」


「さて、気合い入れていくわよ!」


住民の数は10000人を超えた。

それにより父親から出された目標の一つは達成した。


税金の方の目標も近いうちに達成出来そうだ。


四年という期間は長いようで短かったのかもしれない。

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