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学校計画

村も寒さが強く室内での仕事も多い季節。

それでも村の見回りはしなくてはいけない。

そんな中やはり必要になるであろうものを今さらではあるが考える。

それは教育という事になるのだが。


「ねえ、学校を建てようと思うんだけど」


「学校ですかい?いいんじゃないですかね」


「問題は教育にどの程度のお金が使えるかなのよね」


オルライトは学校を建てる事を計画している様子。


そこで必要になるのは資金と人材という事を考えているらしい。


「学校を建てれば人材の育成なんかも出来るし、いろいろメリットは大きいのよね」


「とはいえ学校に関しては今は小さな勉強会とかはやってますよね?」


「ええ、貴族の人達が子供に勉強を教えたりはしてるけど」


「とはいえそれなら本格的な学校を作った方が早いって事ですかね」


「そうなのよね、でも学校建設の相場ってどんなものなのかしら」


オルライトは家庭教師で育った身なので、学校建設の相場などは分からないという。

ただ学校の建築に関わった人物がいれば話は聞きたいと思う。


村では勉強を教えられる貴族はいるが、建設にお金を出した人は流石にいないという事か。


「とりあえず私財から出すとして、最低でも億単位で出せば足りるわよね?」


「そうですねぇ、規模にもよるとは思いますよ?どんな学校を作りたいんです?」


「お金の稼ぎ方を教える学校なんだけど」


「お金の稼ぎ方ってまた、ストレートに来ましたね」


「だってお金の稼ぎ方を教えておけばいろいろプラスになるでしょ?」


オルライトが建てたいのはお金の稼ぎ方を教える学校だという。

それはつまり貴族の得意とする分野でもある。


多くの貴族は生まれながらの貴族ではなく、先祖が功績を上げ国に貴族の位を授かっているからだ。


「とりあえず建設の相場が分からないのよね、大工の人とかなら分かるかしら」


「そこは大工より、国の建築士とかじゃないですかね」


「うーん、一応聞いてみるだけ聞いてみるわ」


「土地に関してはまだ余ってるんで、安心していいですよ」


「ええ、ありがとうね」


そのままオルライトは大工の下へと向かう。

かつては自分達の領地だけでなく、王都などの建設にも関わってきた人達。


そこに聞けば建設費ぐらいは見積もってもらえるのか。


「少し時間はあるかしら」


「オルライト様、また何か建てて欲しい建物でも閃いたんですかね」


「ええ、学校を建てたいんだけど、その建設費を、収容人数は大体2000人ぐらいで」


「ふむ、過去の記録を洗ってみないとなんともですが、それだと平均的に2億ぐらいですね」


「2億、実際の金額はまた変わってくるけど、相場はそれぐらいなのね」


大工の人曰く2000人規模の学校だと相場は2億程度だという。

実際の金額はもう少し変わってくるが、相場はそれぐらいらしい。


過去の記録を見ないとなんともではあるが、大体2億前後の金額で請け負ったらしい。


「それなら私財からでも問題なく出せる金額ね」


「でもなんで学校なんです?」


「お金の稼ぎ方を教える学校を建てたいのよ」


「お金の稼ぎ方、オルライト様らしいっちゃらしいですね」


「でもとりあえず教えてくれてありがとうね」


そんな中大工の人が学校で学ぶ人が増えるのかとも聞いてくる。

オルライト曰くお金の稼ぎ方を学べば、国に貢献する人も増えると踏んでいるらしい。


将来の新たな貴族になる人が生まれるかも、とも。


「それに学ぶのに遅いも早いもないもの、子供以外にも学びたい人は入学して欲しいしね」


「ほー、大人が学校に入学してもいい、そうお考えなんですか」


「フユが言ってたんだけど、大学にはお爺さんやお婆さんの生徒もいるって言ってたの」


「なるほど、だから大人でも学校に入学する事は何も恥ずかしくないと」


「ええ、本気で学びたい人は自分から来てくれるし、無理矢理入学もしなくていいもの」


以前冬夕から聞いた大学の話。

それはそこには大人の生徒も普通にいて、中には老人もいたという話。


冬夕自身は大学生になるのはこれからだが、そういう話もあったという。


「だから学校は学びたい人の自主性でいいと思うの、私はそう思うわ」


「なら見積もっておきますよ、今から建設すると完成は四年目のギリギリですが」


「それでもいいわ、私がここの領主代行を離れるかどうかはそれからだもの」


「オルライト様がここの領主に正式に就任してくれたら、みんな喜ぶと思いますけどね」


「まあそれでもいいわ、見積もりお願いね」


そうして大工の人に見積もりを頼む事に。

建設開始はいつになるかはともかくだが、建設完了は四年目のギリギリという。


オルライトの領主代行としての去就も関わってくるからこそだ。


「でも流石は神照宮大工、王都の学校の建設とかもやってたのね」


「他の領地からわざわざ依頼してくる人達もいる程度には信用はありますからね」


「流石の実績と言ったところかしらね」


神照宮大工の実績はそれだけ本物ということ。

村に派遣された若い大工達もいい実績になっているようだ。


オルライトの学校計画は任期ギリギリになりそうだ。


正式に領主になるかどうかは四年目の任期終了の日が来てからの話だ。

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