味噌を使う料理
新年も明け仕事も再開したオルライト。
そんな中以前から輸入を始めた味噌や醤油の料理も流行り始めた様子。
味噌や醤油は基本的に輸出こそするものの、製法は秘伝なのだとか。
それもあり料理自体は好評ではある。
「ねえ、味噌とか醤油を使った料理って何かないかしら」
「なんだよ突然、味噌とか醤油を使った料理って」
「味噌や醤油の輸入をしてるんだけど、レパートリーはまだそんなに多くなくて」
村の食堂などでもそれを使った料理は流行っていはいる。
とはいえレパートリーはまだ少ないようである。
「何かないかしら、味噌や醤油の美味しい料理って」
「味噌って言っても、白味噌赤味噌合わせ味噌とかあるだろ？何味噌なんだ」
「何味噌、フユの世界には味噌にも種類があるの？」
「こっちにはそういうのってないのか？」
「たぶんないと思うわよ、味噌は味噌でしょ？」
こっちの世界にも味噌や醤油はあるが日本のように種類があるというわけではない様子。
そう考えると何があるのかという事にもなってくる。
とりあえずシンプルなもので行くべきなのか。
「とりあえず何かない？出来れば若い人が好きそうなものがいいわ」
「うーん、なら味噌カツとか焼きまんじゅうとかその辺はどうだ？」
「味噌カツ？焼きまんじゅう？どんな料理なの？」
「とんかつに味噌のソースをかけたものが味噌カツだな」
「カツっていうのは要するに豚肉の揚げ物の事でいいのよね？」
こっちにも揚げ物はあるが、名称は違うという事らしい。
味噌をソースにするという発想は面白そうと受け入れられたのか。
こっちでも名前が違うだけでチキンカツやとんかつ自体はあるようだ。
「それで焼きまんじゅうっていうのは？」
「小麦粉で作ったまんじゅうを串に刺して焼いて、それに味噌を塗ったのが焼きまんじゅうだな」
「なるほど、そういう食べ物がフユの世界にはあるのね」
「ああ、まあ郷土料理みたいなもんではあるけどな」
「なるほどね、でもそういうのもあるって事なのね」
味噌カツや焼きまんじゅう辺りなら割と受け入れられそうな気はする。
味噌はソースにして塗ったりして使うと美味しいというのは嘘ではない。
なのでまずはそういうところからという事なのか。
「でもそういう庶民的なものの方が確かによさそうではあるわね」
「実際結構美味いんだぜ、あとは味噌煮込みうどんとか味噌ラーメンとかもあるな」
「それは麺料理っていう事なのよね」
「ああ、まあ麺作りぐらいは出来るんだろ」
「たぶん出来ると思うわよ」
麺作りに関してもうどんや中華麺など種類はある。
とはいえそれを使った麺料理というのもこっちでも出来るとは思われる。
海沿いの村という事もあり、海藻類なんかも手に入るだろうという事ではある。
「そういえば以前教えてもらったお味噌汁は好評なのよね」
「味噌汁か、そういやここは海藻類なんかも手に入るよな？」
「海藻類？たぶん手に入るとは思うけど」
「海藻類を使った料理なんかも流行らせられるんじゃないか？」
「海藻類を使った料理、そういうのも悪くはなさそうね」
赤味噌や白味噌といった種類がないという事っぽいので、そこから何を作るか。
とりあえず味噌カツや味噌煮込みうどんなどは作れそうではあるが。
あと以前味噌汁を教えていたようで、それは好評のようである。
「でも味噌をソースにするっていう考え方は面白いわね」
「実際肉なんかにもよく合うんだぜ」
「味噌の使い方は、液体にするといいっていう事でもあるのかしら」
「ああ、味噌はソースにしたりスープにしたりすると美味しいからな」
「そういう使い方自体でも何かと使えそうだから覚えておくわ」
味噌に関してはソースやスープにするのが美味しくいただくコツである。
なんにせよ味噌は液体にすると美味しいという事なのか。
冬夕はそういう食べ方が好きなようではあるが。
「とりあえすずその辺は伝えておくわね」
「ああ、味噌はソースにして肉や魚にかけても美味しいしな」
「肉や魚のソース、もしかしたら貴族とかにも流行らせられるかも」
「オルライトってそういうとこは貪欲だよな」
「そりゃ目的のために出来る手は全て打ちたいもの」
オルライトの原動力は全て結婚したくないというところにある。
なので領主代行の仕事も打てる手は全て打つつもりらしい。
今は村も大きくなり、このままよほどの事がなければ目的に到達出来そうだからこそだ。
「とりあえず味噌はソースやスープにすると美味しいっていう事だけは分かったわ」
「ああ、実際味噌のソースやスープは日本だと定番だしな」
「味噌についてはまた美味しさが広がりそうね」
冬夕曰く味噌はソースやスープにすると美味しいという考え方らしい。
あと海沿いの村という事もあるので、海藻類なんかも手に入るだろう。
水質にもよるが、昆布だしが取れたらまた美味しくなりそうである。
海沿いの村だからこそ魚を始めとした海の幸を推すのもいいだろう。
