表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
162/209

生足魅惑のなんとやら

すっかり冬本番でたまに雪もちらつく冬の日。

そんな寒い日でも村の見回りなどは欠かさないようにしている。

寒いのは言うまでもないが冬夕の世界も今は冬。

やはり以前とは時間の流れが変わっているのか。


「ねえ、フユの世界も今は冬なのよね?」


「ああ、学校も冬休みに入ったとこだよ」


「それなのにそんなに足を出してて寒くないのかしら」


冬夕も真冬の中でも登校時は生足で歩いている。


靴下などは履くもののタイツなどは一切身につけていない。


「寒くないのかしら、その足は」


「まああたしの故郷は雪国だしな、女の学生はほとんど生足だぞ」


「雪国なのに生足とか、普通に大変な事になりそうな気がするわね」


「そんな事は特にないんだが、周囲も上は完全武装なのに下が軽装すぎるとは言われるし」


「上は完全武装って、つまり上半身はコートとか着てるのにって事かしら」


冬夕曰く上はコートや手袋にマフラーにイヤーマフまで装備する。

なお下はミニスカートに生足である、寒くないのかというオルライトの疑問も分からなくはない。


とはいえ雪国出身の冬夕からしたら日常の光景だったらしい。


「でもそっちは寒くても生足なのね、凄いというかなんというか」


「今は故郷から離れた都会に暮らしてるしな、故郷に比べれば全然寒くないし」


「そういえばそっちでも雪って降るのよね?」


「降るな、北の方に行くと家の二階まで雪が積もるドカ雪の地方とかあるし」


「家の二階ってそれは流石に冗談よね?」


日本の冬は雪国では本当に一階の玄関が埋まるぐらいの雪が降る。

世界の豪雪地域で上位を普通に独占するレベルの積雪である。


その雪を雪下ろしするのもまた北国の風物詩だ。


「今も外は雪が降ってるけど、フユの世界って凄い雪が降るのね」


「猛吹雪で前が見えないとかあるしな、家の屋根に積もった雪の雪下ろしとかもするし」


「そんな雪が降るところに住んでたとか、凄い話だわ」


「積雪量では世界の中でも日本が上位を独占するレベルの積雪だぞ」


「そこまで雪が降るってなると流石に誇張を疑うレベルね」


雪の本当の怖さは路面凍結にある。

それで足を滑らせ怪我や骨折に繋がったりもする。


ブラックアイスバーンは特に怖い路面凍結でもある。


「そんな寒い土地に暮らしてて普通に生足とか、学生って強いのね」


「周りの同級生もみんな生足だしな、それが普通なんだと思う」


「そういえばそっちの世界だと冬の防寒道具はいろいろあるのよね?」


「あるな、家だとアタシは半纏を着てたりする、親に持たされたやつだけど」


「半纏?そういう防寒着があるの?」


外に出る時はコートや手袋が基本ではある。

そんな冬夕も家では半纏を着ているとのこと。


その半纏も親が持たせてくれたものらしく、冬は世話になっているらしい。


「半纏ってどんなものなのかしら」


「うーん、厚手の布に綿を入れて縫ったもの…みたいな感じかな」


「ふーん、暖かそうでいいわね」


「なんか閃いた感じだな、その顔は」


「室内用の防寒着、そういうものもあるのねと思っただけよ」


半纏は室内用の防寒着というイメージが強い。

なお半纏は元々は法被の仲間でもある。


それを着ている事で後ろから見ても誰か分かるようになっていたという。


「でもフユって室内では割と芋っぽいのね」


「芋っぽいとか言うな、公私の使い分けをしてるだけだ」


「それでも北国で真冬に生足とか、日本の女の子は体温調節機能でもついてるのかしら」


「生足魅惑のなんとやらって言うしな」


「生足魅惑って、それどういう意味かしら」


それはともかくとして日本の冬は普通に寒い。

北国に行くとマイナス二桁は余裕で行く。


なお外国のガチで寒い国では凍ったバナナで釘が打てる模様。


「でもフユの世界の防寒具は暖かそうでいいわね」


「こっちだと防寒着は高級品だったりするのか?」


「そこまで高級品ではないけど、平民には少し高く感じるぐらいかしら」


「それぐらいの値段なんだな」


「だから冬は他の方法で暖まるのが基本なのよね」


こっちの世界では防寒着は高くこそないが、平民には少し高い程度の金額らしい。

なので暖まる手段は防寒着とは別の方法でする事が多いという。


なお平民でも少しお金を貯めれば防寒着は買えるのだとも。


「寒い季節なのに生足なのはそれだけ強いのかは分からないけど、凄いとは思うわね」


「こっちだと足はどうしてるんだ?」


「貴族なんかはタイツが基本かしら、タイツは暖かくていいのよね」


「へぇ、タイツか、そういやオルライトも下はタイツなんだな」


「ええ、冬はタイツに限るのよね」


こっちの世界だと寒い日は貴族はタイツを履く人が多いという。

男でもタイツを履いていたりするので、そういう文化があるのだろう。


オルライト曰くタイツはとても暖かいという。


「寒さ対策については興味深いものね」


「真冬でも生足なのが普通だと思ってるけど、そんな事もないのかね」


「世界が変われば何かと変わるものよ、きっとね」


こっちの世界では寒い日はタイツを履く事が多いというオルライト。

冬夕の世界では足は基本的にはハイソックスなどが多い。


とはいえオルライトも北国ですら生足という事には驚いた模様。


生足魅惑のなんとやらとは言ったものである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ