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人がたくさん住める家

村の開拓もかなり進み土地はかなり広くなった。

そんな中どこまで土地を使えるかも地質管理局から聞いている。

かなりの広さの土地を切り拓いたため使える土地は確実に減ってきている。

そんな中でも残りの土地から何が出来るか考える事になる。


「土地もかなり切り拓いてきたものね」


「そうですね、我々の調査では大規模な事をすればもう少しイケますが」


「とはいえこれ以上山を崩したりは出来ないものねぇ」


流石にこれ以上山を崩したりする事は出来ないとも言う。


森も切り拓きすぎるとまた支障が出てくるので、海沿いがメインになりそうだ。


「それで土地自体はそこまで問題はないのよね?」


「はい、汚染なども特になく優秀な土や木々がありますね」


「でもこれ以上だと流石に限界が来そうよね」


「流石に領地内の他の村とかに侵食するわけにもいきませんしね」


「そうよねぇ、でも使える土地は限界まで使いたいし」


オルライトも村の土地は限界まで使いたいと思っている。

それでも開拓が進んだ事で村はかなり大きくなった。


三年目の今となっては土地はかなり減ってきているのもまた事実である。


「それはそうと今の村の土地はどの程度の広さを使ったのかしら」


「王都の四分の一程度ですね、規模的には村というよりほぼ街ですよ」


「でも街になる条件は住民の数が一万人を超えている事なのよね」


「はい、今の人数ではギリギリ村ですね」


「あと1000人ぐらいなんだけど、流石に来る人も減りつつあるし」


今の村の人口は約9000人ぐらいだとオルライトは言う。

来る人も最近は減りつつあるものの、それでも目標は達成出来そうと見積もっている。


畑や施設なども要望を全部聞いていたら土地が足りなくなるからでもある。


「とりあえず住居を確保した上で施設も建てなきゃいけないから、そこが辛いのよね」


「今は約9000人が暮らしているわけですからね」


「もっとたくさんの人が入れる住居とか作れればいいんだけど」


「そんな建物があれば土地の有効活用は確実に出来ますよね」


「そうなのよね、でもそれは厳しいというか」


オルライトが言っているのは冬夕の世界で言うアパート的なものの事なのだろう。

そういう建物を建てられれば住居のあった場所をまた有効に使える。


移住者もまた多いだけに戸建ての家を増やすのもまた限界があるのだ。


「とはいえ土地を使えるのは限られてきてるし、その辺はなんとかしないとねぇ」


「たくさんの人を一度に収容出来る住居ですか、大規模な宿屋みたいなものとか」


「商売としてのそういう建物は知ってるけど、住居は知らないものね」


「しかしそういう建物は面白そうですね」


「それはそうなんだけど、そうなると一つの部屋は確実に狭くなるのよね」


アパート的な建物の問題点は一つの部屋は確実に狭くなるという事。

とはいえ多くの人を一度に収容する事が出来るのはメリットも大きい。


その辺はオルライトも考えているようではあるが。


「でも土地がまだ残ってるだけでも幸いなのかしら」


「それはあると思います、ただ住居による圧迫は大きいですが」


「とはいえ一つの家に一人で住んでいるわけではないのよね」


「なので住居の数に対して住民の数はその一割多いぐらいかと」


「そう考えると家族や知り合いと一緒に移住してくる人も多いのよね」


移住者は単身で来る人も多いが、家族で来る人も多い。

なので一つの家に多い時は10人で住んでいるとかもある。


とはいえ約9000人を住まわせるには、戸建てが土地を圧迫するのもまた事実だ。


「土地を少しでも確保するには多くの人が住める住居が理想ではあるんだけど」


「そういえばフユ殿が自分の世界には20階とかある人が住む建物があると言っていましたね」


「そんな事を言っていたのね」


「はい、高いものだと30階とかあって、そこにたくさんの人が住むとか」


「でも30とか20階の建物なんてどうやって建てるのかしら」


二階建てのアパート的なものならこの世界の技術でも建てられる。

とはいえ20階建てのマンション的なものは建てる技術はない。


なので多くの人が住める住居だと精々5階建てぐらいが限界なのだと。


「とりあえず土地については計算のし直しが必要かしらねぇ」


「その土地が上手く使えるとしても、やはり残りの土地が厳しいですからね」


「土地に関してはやっぱり大規模な宿屋の住居版みたいなのを建てるべきなのかしら」


「それが理想ではあるんですが、大工の人たちに相談は必要ですかね」


「そうね、村の人達にも意見を聞かないといけないもの」


勝手に決めて進めるわけには行かないのが住居の問題。

まずは集会を開き、そこで意見を聞く必要がある。


人が増えるというのはそういう事でもある。


「とりあえず土地の調査は引き続きお願いね」


「はい、お任せください」


「人がたくさん住める家、難しい話よね」


オルライトの計画も壁に当たる事は多い。

その壁を乗り越えてきたのも今までだ。


人が増えるとそれだけ土地を圧迫していく。


産業と住居があるからこその問題なのかもしれない。

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