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進路の話

季節も秋の始まりになり少しずつ気候も穏やかになる時期。

そんな中冬夕は今後の身の振り方も考えている様子。

オルライトも学業が終わってからは貴族として何かとやってきた。

その辺は世界や身分の違いが出るようで。


「フユは学校が終わったらどうするのかしら」


「まあアイドルの仕事に本腰を入れるだろうなとは思うぞ」


「そういえばフユはそのアイドルというやつだったわね」


冬夕も今は異世界に来るようになったが、元の世界ではアイドルである。


学業に関しても卒業後の事を考えているようで。


「でも私も卒業してからは貴族の娘として何かとやってきたけど」


「貴族ってのは具体的に何をしてるんだ?」


「うーん、具体的には言いにくいけど、平民に仕事の斡旋をしたり、とかかしら」


「へぇ、そういう事をやってるんだな」


「貴族ってそれこそお金持ちが基本だから、お金を下流にも還元しなきゃいけないし」


オルライト曰く貴族とは平民に仕事を与える事もまた役目だという。

貴族が平民に仕事を斡旋する事で国としても栄えていく。


貴族とはその富を下流にも還元していく事が大切なのだと。


「でもフユも今後の事とか考える時期なのね」


「まあ仮にも三年だしな、卒業後の事は考えないとならないさ」


「とはいえアイドルにしてもそれ一本で食べていくのは大変でしょ」


「そうなんだよな、女のアイドルは卒業とかあるし、結婚出来る保証もないしな」


「フユは結婚したい願望とかあるのかしら」


オルライトは結婚したくなくて今の領主代行をしている身である。

結婚したいという願望があるかどうかはオルライトからしたら複雑な話だ。


ただ世界が違う人間なので事情もまた違うのではあるが。


「フユはアイドルの他にやりたい事とかないのかしら」


「やりたい事ねぇ、会社でも興すか?」


「本気で言ってるのならもう少し考えた方がいいわよ」


「ただアイドルも楽な仕事じゃないし、他に何か出来そうな事は探さないといけないんだよな」


「仕事っていうのは難しいものよ、特に現場の人間はね」


オルライトも平民達の仕事の現場を見た事は何度かある。

それは貴族の仕事とはまた違う過酷な仕事。


貴族がホワイトカラーだとしたら、平民はブルーカラーなのである。


「卒業したらアイドルをやるとして、アイドル一本じゃこの先困るんじゃない?」


「うーん、本当ならこの村みたいに仕事があるなら全然困らないんだけどな」


「そっちは女の人に向いてる仕事とかないのかしら?」


「仕事自体はあるんだけど、募集の条件とかが厳しいとこも多いんだよ」


「そういう事情があるのね、意外と世知辛い世界なのかしら」


冬夕もその辺は分かっているから悩んでいるようである。

オルライトみたいな立場なら出来る事も多いものではある。


冬夕は普通に平民なので、その辺は難しいものなのだが。


「フユは卒業後の進路については迷っているって事でいいのかしら」


「そういう事だよ、アイドルっていうのが第一志望ではあるけどな」


「でもずっと続けられるという事でもないのよね」


「そうだよなぁ、進路相談とか三者面談とか何かと言われるし」


「今後何がしたいか、そこは大切だとは思うけど」


卒業したらアイドルにするか、他の仕事にするかという事でもある。

なんなら大学に進学してその上でアイドルを続けるのもいい。


選択肢自体はたくさんあるのだが。


「フユが今後について悩んでるなんてね」


「大学に行った上でアイドルを続けるっていう選択もあるけどな」


「大学というのは最高学府という事でいいのよね?」


「そうだよ、学ぶだけなら大学に行くのも全然ありだしな」


「大学で何か学びたい事とかあるなら、それを学ぶのもいいんじゃないかしら」


大学とは学び舎であり最高学府である。

何か学びたい事があるのならその選択肢は全然ありである。


好きなものとかはないのかと聞いてみる。


「何か好きなものとかはないの?」


「好きなものねぇ、勉強自体は嫌いじゃないし、服が好きっていうのはあるかな」


「服が好き、作る方が好きなの?着る方が好きなの?」


「どっちかと言うと着る方だな、こんな性格だけど可愛い服とか好きだぜ」


「ならそういう道に進むのもありなんじゃないかしら」


冬夕はこんな性格だが可愛い服が好きらしい。

オルライトはそういう道に進むのもいいのではと言う。


選択肢自体はあるのだからそこは好きにするのがいいという事か。


「なんにせよ今後の事は早めに決めちゃった方がいいわよ」


「そうだな、アイドルをやりながら別の仕事とかも出来るんだし」


「好きを突き詰めていけばいいのよ、好きな気持ちは大切だもの」


冬夕もオルライトに愚痴りたくなったようではある。

とはいえ少し気分は楽になった様子。


今後の事は改めて決める事にする。


貴族と平民はその立場故に出来る仕事も変わってくるのだから。

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