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雨季と梅雨

気温も高くなり夏はもう目の前に来ている様子。

そんな中こっちの世界は梅雨などはなく、そのまま夏に突入する。

その一方で雨季があるのはもう少し先なのだとか。

こっちの世界にも梅雨に近い雨季があるらしい。


「そういえばフユの世界ももうすぐ夏なのよね」


「ああ、まあすでに初夏みたいな暖かさだけどな」


「なるほど、そっちはもう暑くなってるのね」


そんな中冬夕の世界では今は梅雨の前といった感じである。


雨が多くなるというのは億劫なものでもある。


「そういえばフユの世界ってそろそろ雨季なのよね」


「雨季?ああ、梅雨の事か、そうだぜ、もう少ししたら梅雨入りすると思うし」


「こっちだと雨季は夏の後半ぐらいなのよね」


「つまり秋の手前ぐらいって事か、秋雨って感じの時期なのかね」


「学校とかが九月に始まるから、雨季がそこに重なるのよね」


こっちの世界の雨季は九月ぐらいなのだとオルライトは言う。

ちなみに学校などが始まるのもまた九月頃である。


オルライト曰く始まりの日に雨が降るのは祝福の意味があるのだとか。


「こっちだと始まりの日に雨が降るのは祝福の雨って言われて、縁起がいいのよ」


「ほう?そういうものがあるのか、それはそれで面白いな」


「そっちは晴れてる方がいいのよね?」


「ああ、基本的にめでたい日は晴れてる方がいいっていうのはあるな」


「そういうのは異世界っていう感じがする話ね」


ちなみに祝福の雨というのは土砂降りは含まないらしい。

適度な雨が祝福の雨と呼ばれるのだとか。


あくまでも優しい感じに降る雨を祝福の雨と呼ぶらしい。


「そっちは始まりの日なんかは晴れの日にやる事が多いのかしら」


「天気までは流石にコントロール出来ないけどな、まあ晴れる日がその日に重なる事は多いか」


「なるほど、だとしたらそういうイベントなんかは夏とか春によくあるのかしら」


「イベント事の多くは確かに春や夏だな、冬はスポーツもオフシーズンだし」


「やっぱりなのね、春や夏は晴れる日も多いものね」


夏のスポーツは屋内施設があるのも大きいとも言える。

とはいえ夏の炎天下でスポーツをやるのはやっぱり危険なもの。


晴れる日が多い時期にスポーツの予定が組まれるのは必然でもある。


「フユの世界は晴れる日がおめでたい日になる事が多いのね」


「でも六月、梅雨の時期に結婚式をやるのがジューンブライドっていうめでたい事でもあるな」


「雨季にわざわざ結婚式をやるの?」


「実際ジューンブライドは女にとっては憧れらしいけど、アタシにはよく分からん」


「ジューンブライド、雨季にやる結婚式がなぜ憧れなのかしら」


ジューンブライドは六月に挙げる結婚式の事を言う。

とはいえ六月は梅雨の時期のど真ん中である。


そんな雨の多い季節に挙げる結婚式はなぜ憧れなのだろうか。


「結婚式を雨季にやるのが憧れっていうのはなんか変な話ね」


「アタシの世界だとめでたい日は晴れてるもんっていうイメージだしな」


「そういう所は文化とかそういうものが関係してたりするのかしら」


「どうなんだろうな、結婚式は西洋式でやる事が多いのもあるしな」


「そういう文化的な理由が関係してたりするものだとしたら、国が変わると合わないんじゃ」


そもそも六月が梅雨なのは日本独自の気候でもある。

西側の国では六月に梅雨という事もないので、そういう文化があるのだろう。


なのでそれがそのまま日本に入ってきたので、梅雨の六月がジューンブライドになったのか。


「雨季の季節に挙げる結婚式が憧れっていうのはそっちだと変な感じなんじゃないの?」


「まあ西洋式の結婚式が入ってきたって考えると、西と東じゃ気候も違うしな」


「つまりその西側の文化の結婚式が入ってきたのはいいけど、フユの国はその時期が雨季だと」


「そういう事だ、だから梅雨の季節がジューンブライドと重なったんだろうな」


「雨季に結婚式はこっちの世界ならおめでたいものになるんだけどね」


こっちの世界なら結婚式の日に雨が降るのは祝福の雨となる。

とはいえ日本でのジューンブライドは梅雨の季節と丸被りである。


なのでそうした土地や国の気候の事は考慮されていなかったのかもしれない。


「でも雨に対する考え方も世界が変われば変わるし、なんなら国によっても違うものよね」


「それはあるよな、始まりの日に雨が降るのは祝福の雨なんてシャレててアタシは好きだぜ」


「雨が降ると確かにジメジメして気分が悪くなるけど、そういう話もあるって事なのよね」


雨に対する考え方は世界や国が変われば変わるもの。

始まりの日の雨は祝福の雨というオルライト。


その一方で梅雨の季節とモロにかぶる日本のジューンブライド。


そうした雨に対する考え方は風流であり、どこかシャレているものなのかもしれない。

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