村の治安と鍛え方
夏も近づき村も暑くなり始めた季節。
そんな中でも村の治安を守る自警団なんかは休みはない。
今はすっかり強くなった村の自警団の人達。
それは鍛え方と指導がいいという事は言うまでもないようで。
「相変わらず自警団はトレーニングをしているのね」
「お、オルライト様、まあ村を守るには鍛えとかないと始まらないしな」
「今の自警団って相当強いのに、手は抜かないのね」
どうやら自警団達を鍛えていた様子のエルネスト。
それはいつでも村を守れるようにという事でもある。
「それにしてもみんな鍛えられたわねぇ」
「当然だろ、騎士団の鍛え方で鍛えてるんだしな」
「やっぱり騎士団の鍛え方って合理的なものなのね」
「そういうオルライト様だってかなり強いって噂は聞いてるぜ」
「でも今の自警団と比べるとねぇ、確かに武術は習ってたんだけど」
オルライトも武術は習っていたので、その辺の賊に比べれば全然強い。
とはいえ今の自警団には勝てないと思っているらしい。
エルネストとガウルに鍛えられた自警団はその辺の賊より遥かに強いのだ。
「でもエルネストの教え方って上手いのね、そうでもなければここまで強くならないわよ」
「まあ仮にも元騎士だしな、若い奴らを鍛えるのは楽しいしな」
「またそういう事を言うんだから」
「とはいえ村を自分達の力で守れるぐらいには強くなりたいってのはおかしくはねぇのさ」
「そうね、警察や騎士団といった組織が来る前に動けるのは強いもの」
村を守るというのは簡単な話でもない。
だからこそ自警団は強くなる必要があるとも言える。
それは自分達の身は自分達で守れるようになるという事でもある。
「でもしっかり休みも取らせてるのは、指導としてはいいものなのかしらね」
「休みもきっちり取らないといざって時に体が動かなかったりするしな」
「要するに体力に余裕を持たせておくっていう事なのかしらね」
「そういう事だ、どんなに強い奴でも体力が残ってないと駄目なもんだからな」
「そういう事も考えた上で鍛えているのは大したものね」
エルネスト曰く体力は休まないと回復しないという。
体力はもちろん精神力の回復もまた大切だとも。
なのでしっかりと休む時は休むのが強くなる秘訣らしい。
「休む事の大切さ、トレーニングとかが大切なのも当然としてよね」
「寧ろ休まずに体力をキープするなんて無理な話だぜ」
「だからエルネストの指導は休む事も含めてなのね」
「確かに強くなるにはしっかりとトレーニングするのは大切だぜ、でもそれだけじゃ駄目だ」
「そういう教え方が出来る人ってやっぱり凄いものよね」
そんな事もあり自警団はその辺の賊より遥かに強くなった。
それは教え方もいいが、本人達の強くなりたいという気持ちも大きい。
だからこそここまで統率が取れ強い組織に育ったという事だ。
「でも自警団のみんなも立派な肉体になったわね」
「しっかりと鍛えてやれば体は作れるからな」
「やっぱり騎士団の教え方が理にかなってるって事なのね」
「俺の教え方も俺の上官から教わったものの受け売りだけどな」
「つまり聖宮騎士団の伝統みたいなものなのね」
エルネスト曰く聖宮騎士団の伝統のようなものであるとのこと。
それは強い騎士を育てるための教え方なのだろう。
強くなるには休みも大切というのが伝統的な教えなのか。
「教え方に関しては具体的に指示を出してるのも大きいのかしら」
「基礎が大切なのは言うまでもないけどな、その人によって必要なもんは違うんだよ」
「つまりあなたはこう、あなたはこう、みたいに個人によってメニューが違うのね」
「ああ、そいつの適性ってもんを理解してメニューを作ればこの通りだ」
「そういうところまで見てるのは流石の一言だわ」
エルネスト曰くそいつの適性を知るという事から始めたという。
持つべき武器なども適性によって変わってくる。
それだけでかなり強くなれるとの事らしい。
「でもエルネストの教え方の上手さには驚くばかりだわ」
「俺の上官の教えを受け継いでるだけさ」
「それでもよ、あなたを連れてきて正解だったわ」
「ははっ、そいつはありがとな」
「自警団に志願する移住者も多い、守りは盤石かしらね」
完璧でこそないものの、守りは盤石である。
その辺の賊程度なら一方的に戦える程度の強さ。
それは国の軍隊にすら近い強さである。
「鍛えるのはいいけど無理はさせないでね」
「ああ、分かってる、疲労は回復させないとな」
「それじゃ引き続き頼むわね」
そんなエルネストの教えがあるからこそ強くなった自警団。
そこに武人としても知られるガウルが加わる。
強き指導者の教えはそれだけ大きな効果をもたらしている。
自警団は今や村の守りを司る守護神である。




