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すれ違い系の「誤解があるようだから話し合った方が良い」の是非についての考察

作者: 小夜

あくまで個人の感想です。

ついでにビター・バッドエンド大好きで、安易に全部ハッピーエンドにしてしまうのが好きじゃない捻くれ者による考察。


すれ違い→ハッピーエンドが好きな方は、読み手書き手ともに自衛してください。


私は悲恋とかすれ違いとかが好きで良く読むのだけど、なろうの小説ってなぜか、


第三者が「誤解があるからちゃんと話し合った方が良いよ」って無理やり加害者と話しをさせられる

↓↓

誤解だったんだ!しかもこっちも悪いことをしてたんだね…

↓↓

大団円


のシンプル過ぎる流れが多くないか…?という話がしたい。


各作品の感想欄で書くと、たいていの作者様は嫌な思いをされるだろうから、書いても送りにくくてずっともやもやしてたのね。


だからここまでですでに嫌な人は回れ右して自分の機嫌は自分で取ってください。ご協力お願いします。












☆彡  ★彡  ☆彡  ★彡











なろうのすれ違いタグはなぜか切ない悲恋ものより、かなりやばいレベルの、時には命に関わるレベルの被害を受けていることが多い(冤罪で死に戻りしてたり虐待されてて倒れる寸前だったり)のに、


「話し合えばわかる」

「あなたも辛い思いをしているかもしれないけど、あの人を誤解しないであげて」

「コミュニケーション不足。あなたからも歩み寄ってあげて」


なんて言う第三者が出てくる。


これ、主人公が被害妄想が激しいとかネガティブ過ぎるとかの事情がないと「さすがに鬼畜過ぎないか…?」ってそこで萎えちゃって、続きも「どうせ全部誤解だったねで仲直り(笑)するんでしょ」ってなっちゃうから、それまで楽しく読んでた作品で出てくると落差ですごく嫌。


虐待や格上の家の婚約者から蔑ろにされている、というような被害を受けていたのであれば、被害者側から歩み寄ることはほぼ不可能だし無意味じゃないのかな。そもそも普通は抵抗する気力すら奪われるよね?というか会話が成立してないから誤解が生まれてるんでしょ?


なんというか、陰ですごく努力してる人に対して、それをよく知らない人が「もっと努力したら?」「慢心じゃないの?」とか言うのと同じレベルで嫌。




そもそも、相手は「自分を疎んでいるからこんな目に合わせられている」と考えるのが1番シンプル。


もしかしたら誤解があるかもなんて考えられるのは、バカみたいにポジティブな人か、それまで仲が良かったのに「何のきっかけもなくいきなり突き放されたとき」くらいじゃないかなと思う。



例えば、


⑴「婚約者とは上手くやっていたつもりだったけど、あの方はいつも私に対しても他の令嬢に対するのと同じようだった。私はあの方の特別にはなれない。」



⑵「初めてお会いした時も罵倒されたし、それからずっと酷いことを言われ続けている。お花すら貰ったことがない。私の悪評を言い触らしているから、私には味方がいない」



⑴は普通の悲恋だよね。婚約者として接してはくれるけど特別にはなれない。だから他の人を好きになってしまったと知って「やっぱり」と思った。

→A:だから身を引こう

→B:それでも婚約者は私!と抵抗する

どっちも納得できる。これは普通に良いと思う。文句もない。



でも⑵は誤解の余地がなくない?

よくあるのが「本当は一目惚れしてたんだけど、恥ずかしくて思わず罵倒してしまった。それを大人たちは知っていたから、被害者にも歩み寄りを求めていた」パターン。


これは当事者以外からすれば「若気の至り」とか「思春期だから仕方ない」とか思えるけど、自分が被害者側になったら納得できる?私はできない。


ツンデレはどこまで許される?って話と同じだと思うんだけど、やっぱりツンデレは基本デレがないと許されないと思う。ツンツンでも成立するのは、相手がものすごーく寛容でツンツンさんのことが大好きで何しても許してあげるレベルで盲目なときくらいじゃない?


しかもその婚約者のせいで関係ない人たちからも見下されている・虐げられているなんてことになったら、婚約者が全ての元凶だって殺したいくらいに憎まれても文句は言えないでしょ。


ましてや王族だったりクラスの人気者だったりがそれをしてしまえば、若気の至りで許されるレベルじゃない影響力があるんだよ。


踏んだ方は忘れちゃっても、踏まれた方は一生忘れられない。




根本的に、


「話し合えば誤解が解ける」


と、


「誤解が解けて許される」


は全く別の話。これが一緒くたにされてるから、いやいやいやってなるし、手抜きっぽく見える。


例え誤解だろうがなんだろうが、身体的精神的に傷を負わせられたことには変わりない。


「実は恥ずかしくて心にもないことを言っていたんだ」なんて言われても、「え、全部誤解だったの?嬉しい♡」ってなるわけないでしょ。どこのチョロインだ。


まだ「魅了魔法や催眠術にかけられていました」なら救いはあるかもしれないけど、そこまで痛めつけられたのにトラウマも怒りも何も残ってないの?虐げられて落ち込んでたくせに君めっちゃ心強いねってならない?


私だったら例え全部誤解だったとしても、もうその人のことを心の底から信用することはできないと思う。


話し合い以降本気で心を入れ替えて毎日100%の愛を注いでくれたとしても、50%信じられたら良い方じゃないのかな。初めはきっともっと少ない。


だって、気持ちを知っていたとしても、急にこれまでずっと言ってきたことと逆のことを言い出したら受け入れ難いでしょ。というかこれまでの言葉が全部誤解だったのに、今の言葉が全部信用に値するって本気で思える?ほんのちょっと会話をしてみただけで、これまでずっと勘違いし続けてきた相手のことを理解できる?誤解で人のことを痛め続けてきた人がまた同じことをしないとなんで思えるの?次もまた助けてくれないかもしれないのに?


悪気がないって本当に怒り辛い。


好きだから何をしても許されるなんてことはないし、「若気の至り」で許されるのは被害者が許してくれたときだけ。勝手に「仕方ない」と決めるなんて惨すぎる。許す権利すら与えてくれないの?




そもそもの話、自分を嫌っていて虐げてくるんだと思っている相手と話をさせられるだけでとんでもない苦痛。


これはもう誤解だろうがなんだろうが関係ない。被害者がいじめられたって思えばいじめなんだよ。いじめ被害者に「君が加害者だと思っている子は君をいじめてないよ。誤解なんだよ」なんて言ったって無駄でしょ?現に嫌な思いをしてるんだから。


その上、第三者から見て誤解だと判断したから「ちゃんと話し合いなさい」って加害者と被害者を2人きりにする?



被害者(仮)が辛い思いをした。

でも加害者(仮)が虐げるように周りに指示を出していたわけでもないし、被害者(仮)が罵倒だと受け取ったことは全部そんな意図で言ったことじゃなかったし、助けてもあげなかったけど、心の中ではずっと君の味方で君のことが好きだったんだ。全部誤解なんだよ。



なんて言葉のどこに信用が置けるんだろう。


人の気持ちなんて外から見たらわからない。すでに信用すらないところで「誤解だ」で許せるかな?




被害者側から「誤解があるかもしれないから話し合いたい」はわかる。それで話し合いのあとすぐに仲直りもわかる。だって被害者が信用しようっていう前提で話し合いに臨んでいるんだから。


でも第三者から勧められて半ば強制的に話をさせられたところでさ、もう何を言われても「それでも私は苦しかった…!あなたの気持ちなんて知りたくもない!どうでもいい!」ってならないの?みんな良い子だね。




確かに歩み寄ろうとしても信用がなくて無理だから第三者の手を借りるというのはありだと思うけど、頼まれてもないのに「許してあげて」は傲慢がすぎる。


例え主人公の母親だったとしても、まだ若い主人公がどんな思いをしているかなんて全部は理解できないでしょ。私は母親に強制されて話を聞かされたところで、それでも私は信用できないって言うと思う。


私はかなりひねくれているし頑固な方だと思うけど、他人の辛い気持ちを正確に理解することなんてできないんだからしょうがないじゃない。


「そんなことで傷付いたの?」

なんてこともあるよ?



すれ違いタグの付いてる作品の場合は、もっと被害が大きいよね。


「周りからはうまくいってるように見えるカップルだけど、実は些細な一言が原因で彼女は彼氏から嫌われていると思い込んでしまった。」

みたいなすれ違いは少ない…!!


「冤罪が原因で何度も死に戻りしてたけど、全部誤解でした!良かったね!」

みたいなのが本当に多いの。


いやいやいや。

君何度も殺されたんだよ?誤解で。


本当の黒幕は捕まえても、それに操られていた相手(ずっと黒幕だと思っていた)は許しますって、君たちは聖女か何かか?



今のループでは何もしてないから許すはまだわかるけど、誤解だったから許すは無理じゃないかなぁ。と思うのだけど。やっぱりトラウマとか苦手意識とか残りそうじゃん。死に戻りなんてしてると、どこか心が麻痺しちゃうのかな。






まあ許す作品がこれだけ多いんだから、私の感覚の方がズレてるんだろうなぁ……。






なんのかのと言ったけど、別に仲直りするなとは思ってない。


ちゃんと話し合いをして誤解を解く。これ自体はあり。


でもそれは周りに強制されるものではないし、もっと被害者(仮)側に配慮があってもいいよね?


それに話をすることと、被害者(仮)が加害者(仮)の言葉を信用できるかどうかはまた別の話。


婚約者が魅了魔法にかけられて正気に戻ったあと、「魅了魔法にかかってたんだからその間のことも全部許せる」かどうかは被害者が自由でしょ?


これが虐待する父親でも、素直になれなくて虐げてくるようにしか見えない婚約者でもそう。


気持ちは伝わらなければ意味がない。

気持ちが伝わっていなければ信用なんてできない。

信用できないなら許せない。


これが基本なんじゃないかな。


あなたのことは信用できないけど、私が誤解していたなら許しましょうってこともないとは言いきれないけどさ。そもそも信用できないなら自分が誤解していたって納得できないんじゃない?





そこまで気にして読まなくてもいいのかもしれないけど、すれ違いタグが付いててわくわくして読んだら、それまでの数十話が無駄になるくらいの勢いで


「誤解だったんだ!」

「そうなんだ!わかった!」


ってなる作品が多くて、



アルェ( '-' )…?




ってなることが多くて、でも感想欄であんまり文句言うのも失礼じゃん?

ってことでここで書きなぐりました。


ちゃんと自衛してって言ったので誰の迷惑にもなってないはず(そういうことじゃない気もする)




ここまでお読みいただきありがとうございました!



誤解したヒロインが自殺したあとにヒーローが泣き崩れるのが1番好き。


もはや話し合いしても無駄。

誤解したまま突っ走ってくれ。






これは私が自衛すればいいだけの話では?


……でもそれまでの話は好きだから読みたい。



( ・᷄-・᷅ )



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― 新着の感想 ―
[良い点] 非常に共感できる内容でした。 すれ違い作品の醍醐味は双方が好意を寄せているのに周りの誤った忖度やら誤解やらで相手に気持ちが伝わらずにヤキモキしたり、好き合ってたけど環境やタイミングが合わ…
[良い点] 同意しかない。 私も死に戻りして前のループで自分を追い込んだ人達と和解してハッピーエンドになる作品にもやもやとした気持ちを覚えていたんですけど、そのもやもやを全て文字に書かれていてスッキリ…
[一言] その通りです。
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