第21話 《奪取》《爆発》
「あっ、おいセレス!!」
周りの冒険者達も、どよめいた。そりゃそうだ。小さい軽装の女の子が、あの修羅場に飛び出したのだから。
俺も、必死に後を追う。が、セレスは速過ぎた。流石に俺と2倍近くレベル差がある為、ステータスから見ても格が違う。
―――が、セレスは魔王軍幹部達の近くまで来たのに、急に地面にしゃがんだ。
地面に手を当て、ただ一言、呟いた。
「―――スキル《爆発》。」
セレスの前方から、地面を這うように、土煙と爆炎が噴き上げる。導火線のように、小さな爆発を起こし続け、遂に魔王軍幹部達の居る位置に到達すると、セレスは地面から手を離し、手拍子を鳴らした。
――――瞬間、辺りを巻き込むような大爆発が発生した。
煙の漂う中、セレスはその中を搔き分ける様に走り始める。視界を一瞬で封じたのだ。
その瞬間、他の冒険者たちも触発されたのか、魔王軍幹部達の方に向かって、攻撃を開始した。
「――――あのお嬢ちゃんが道を切り開いた!!行くぞ皆ァ!!!」
―――――セレスが、煙の中から裸の勇者を引っ張り出して、こちらに逃げて来た。
それが、一斉攻撃の合図になった。
「いけぇ!!スキルで全集中だ!!!」
炎、雷、氷、それら全てが混ざったような集中砲火を、爆炎の中に浴びせ続ける。
流石は冒険者の街といった感じで、様々な自然系スキルの使い手が攻撃に加わった。
ルヴィも魔剣を展開し、《煌矢》を放つ。
――――あれ、俺何もしてねぇ。
取り敢えず、遠投で砂利を投げつける。
煙が引いて、魔王軍幹部達が姿を現した。
予想はしていたが、無傷だった。バリアのようなモノを展開し、身を防いでいたのだ。
スターライトが呟く。
「―――魔力遮断バリアが間に合ったはいいものの、誰かどさくさに紛れてでっかい石投げてきて無かったか・・・?」
「確かに。めっちゃ痛かった。」ファントムが同意した。
「あ、あれ私だけじゃないんだ。」ムーンライトも同意する。
「なんか、妙に痛かったよな、何の攻撃だろうか。」ユウキュウも頷く。
「もういいだろう。勇者剣は奪った。目的は達成だ。」トワイライトがそう言い、バリアを解除した。
スターライトが、その手にいつの間にか勇者剣を握っている。
―――セレスが気絶している勇者をルヴィに預け、また魔王軍幹部達の元に走り出した。
「何処へ行くの!?」ルヴィが気絶している勇者を抱え、セレスに言った。
「勇者剣を奪い返す。」
セレスは駆ける。足に魔力を流して強化し、音を置き去りにして、一瞬で距離を詰める。
セレスは再び、スターライトの眼前までたどり着いた。《爆発》を喰らわせ怯んだ隙に、《爆発》の衝撃で身を浮かせ、背後を取る。他の魔王軍幹部は、その早過ぎる動きに対応出来ていなかった。
そして、スキルを発動する。
「返してもらうわ!!スキル《奪取》――!!!」
「クソっ、こいつシーフか―――!?」
セレスが《奪取》により、右手で何かを掴み取ると、すぐに左手を前にかざし、《爆発》させる。その反動で切り返し、《爆発》で勢いを付けながら、あっという間にピレスまで逃げて来た。
―――その間、僅か3秒である。
「グハァッ!?」
スターライトが、胸を抑えて倒れた。
何が起こったか分からなかった俺は、セレスの元に駆け寄る。
「・・・あっ、やばっ、ミスっちゃった・・・。」セレスが不穏な事を呟いた。
「・・・何をしたんだ?」
セレス本人も、戸惑っていた。
「《奪取》で、勇者剣を取り戻そうとしたんです。そしたら・・・。」
セレスが、右手に掴んだモノを見せて来た。
それは、真っ赤な、臓器だった。まだピクピクと、血を噴き出しながら動いている。
「・・・相手の心臓、盗んじゃいました・・・。」
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下のやつです!!




