4話 お買い物タイム終了
(前書き)
先日、初めてのブックマークを頂きました。ありがとうございます。嬉しくて眠れなかったです…。
異世界に行ったら人里離れた森の中で、食料がなくて詰みました。となったら笑い事ではない。しかし残りの8,150円で買える食料で何日生存できるだろうか、と考えた結果、その場で調達できないとどっちみち餓死するという結論に至った。
また、人が住んでいるところに行ったら、言葉が通じなくて仕事すらさせてもらえませんでした。というパターンもありえる。その場合、もはやどうすればいいのかわからない。山にこもって自給自足の生活をするのはありかもしれない。あるいは奴隷として身を売って誰かに買ってもらうとか?う~ん、さすがにそれを選ぶ勇気はない。というか言葉の通じない不審な人物として逮捕される可能性もある。
こういった問題をちゃちゃっと解決してくれる便利な物やスキルオーブ、どっかにないかな~。助けてドラ○も~ん。
そんな余計なことを考えていたが、欲をいえばもうちょっと水関係の能力が欲しかったりする。だって折角買うと決めた【吸水】【貯水】【水鉄砲】を活かしてあげたいじゃない。というわけで水筒のコーナーを探す。
____________________
魔法瓶 500ml 1,900円
スキルオーブ【保温】 2,200円
魔法瓶 500ml+スキルオーブ【保温】
____________________
【保温】かあ。何をどう保温するのかさっぱりだけど、字面的にあったら便利そうなスキルではあるな。もしも、コンビニで温めてもらったおにぎりを冷まさずに持ち帰れるのだとしたら、2,200円では安すぎる能力だと思う。
あ、異世界にはコンビニは無いか。
すると、そこである発想に至る。
あつあつのおにぎりを手で待つと危険であるように、めっちゃ熱いお湯をぶっかければ強いんじゃね?と。殺傷とまではいかなくても、大抵の動物はダメージをくらうだろう。
何とかして火を起こして鍋とかでお湯を沸かし、【保温】の能力で高温のまま持っていき、標的めがけてポイっ!と投げれば、もはや火球を投げているのに等しい気がする。
あっでも間違えて自分にかかったらやばそう。
電化製品を確認してないことに今ちょうど気がついた。見てみよっと。
____________________
マイコン式 炊飯器 6,600円
スキルオーブ【銀シャリ】6,000円
マイコン式 炊飯器+スキルオーブ【銀シャリ】11,500円
____________________
圧力IH式 炊飯器 24,000円
スキルオーブ【米の力】25,000円
圧力IH式 炊飯器+スキルオーブ【米の力】45,000円
____________________
炊飯器に何やら気になるスキルがあるが、どうせ買わない気がするから見て見ぬふりをした。時間もないからね。
____________________
電気ケトル 2,900円
スキルオーブ【湯沸かし】 3,100円
電気ケトル+スキルオーブ【湯沸かし】 5,400円
____________________
電気ポット 5,800円
スキルオーブ【給湯】 6,200円
電気ポット+スキルオーブ【給湯】 10,800円
____________________
お湯関係のスキルが二つ並んでいた。【湯沸かし】と【給湯】である。
直感だが、【給湯】は【湯沸かし】の上位互換な気がする。だって、電気ポットは電気ケトルの上位互換みたいなもんだし。値段的にも【給湯】のほうが高いじゃんね。
しかし、ここでお湯関係のスキルときたか。先ほど購入を決意した水に関するスキルとの相性はどうだろう。うーむ。
ハッ、そうだ。さっき考えた「熱湯ポイ投げ作戦」がこのスキルがあれば出来るんじゃないか?【水鉄砲】が名前の通り、何かしらの方法で水を発射するスキルであれば、そこに熱湯が加わるだけで威力アップ!
これを喰らったのが人間であればたちまち逃げ出すだろう。
結局のところ一撃で相手を倒す能力がないことに気づいたが、戦う相手がビビって逃げ出せば、それが最も平和な気がする。
自分の中である程度意思が固まったので、この2つのうちどちらかを買おうと思う。
先程は【給湯】が【湯沸かし】の上位互換であると予想したが、実際のところどうなんだろう。実は全く別のスキルかもしれない。
残り時間を確認したら、40分しか残ってなかった。げっ、やば。
さっさと金を使わないといけないので、6,200円の【給湯】を選ぶことにした。スキルオーブを掴み、買い物カゴに入れる。
さて、残り1,950円か。いったい何を買えばいいんだ…?
しばらくの時間、買うべきものを考えてさまよい歩いていたが、一つ重要なことに気づいた。人間は生きるために衣、食、住、が必要だと言う。その中でも衣、着るものにおいて大切なものはやはり「パンツ」だろう。ずっと同じパンツで生活するなど、考えただけでも嫌である。
よし、パンツを買おう。それしかない。
____________________
トランクス メンズ 580円
スキルオーブ【パンツ召喚】 990円
トランクス メンズ+スキルオーブ【パンツ召喚】 1,400円
____________________
いや、【パンツ召喚】ってなんやねん。今までも意味不明なスキルオーブはたくさんあったが、これに関してはレベルが違う。レベチってやつだ。
うーん、でも待てよ?パンツをいくらでも召喚できるスキルだとしたら、1,000円だと安すぎないか?
よし、トランクスとパンツ召喚、セットで買おう。
カゴに入れて、時間を確認する。げっ、20分しかない。しかし、残り550円ぐらい使いきれるだろう。
なんかもう、なんでもいいや。コーヒーでも買っとく?コーナーでも買っとくか。最近は缶のコーヒーだけじゃなくて、ペットボトルのコーヒーも多いんだよね。ペットボトルのコーヒーにしよっかな〜。
そんなことは今はどうでもいいのである。とにかくペットボトルのコーヒー(105円)を5本買ったので計525円だ。つまり、残り25円。25円余ってしまった。だが25円ぐらい、いいだろう。
どうやって買うのかが分からないので、とりあえず商品を入れたカゴをレジに持っていく。そしてポケットから1万円札を出してトレーに入れた。
「すみませーん、会計お願いします」
レストランとか回転寿司みたいな呼びかけ方をしつつ、何か変化が起こるか待ってみる。すると、意外にも早く変化が起こった。
カゴとそこに入れた商品が消えたかと思うと、商品がレジ袋に入った状態で出現した。そして1万円札を入れていたトレーには、1万円札が消えて10円玉2枚と5円玉1枚があった。きっちり9,975円のお買い物が済んだということだろう。
時間を確認すると、2分ほど残っていた。テストで間違いを見つけても直しきれるか、希望と絶望の境界のような時間である。
ああ、残り2分で異世界に行くんだな、と奇妙な感動があった。そして残り1分、30秒、10秒、5、4、3、2、1、0。
突如周辺が真っ白になったかと思うと、じんわりと意識にノイズのようなものが入っていくのを感じた。
(後書き)
お読みいただきありがとうございます。ブックマーク、評価、感想などをいただけると嬉しいです。
また、広告の下にある☆☆☆☆☆を適当にポチって押してくれるだけで作者のモチベーションとテンションが上がります。




