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第18話 カナダ森林地帯(ロッキーマウンテン)

 ヒッカム基地にサクヤが訪れていた頃、アナトはファイヤーバードとの遭遇戦に突入していた。残すは母体のみ…そう思っていたアナト達の前には、10羽ものファイヤーバードが群れを成していたのだった。


「なにこれ!?もう増殖したの?」

「しかし、9羽は幼生体に毛が生えたくらいみたいの状態ですね」


『つまり、狙いはあの一番大きな個体です』


 20m前後の個体群の中に一際大きな個体が居た。全高40~50m、翼を入れた全幅は200m以上はあるだろう。恐らくそれこそが母体と見て、アナトは狙いを定める。


『雑魚はSDFが再現してくれたマキビシシューターで充分いけます。あくまで魔力は奴の為に温存しましょう』


 そう言うアナトの両腕には、彼女の妹機が惑星ソラスで身に付けていたマキビシシューターを模した、投擲装置が装備されていた。その弾丸は大きな鋼球に幾つもの突起…棘が付いた物で、物理的なダメージはバカに出来ない。


「了解!マキビシ・シューター!シュートぉぉお!!」


 ガトリングの様に射出された幾つもの鋼球が、数匹のファイヤーバードを撃ち抜き塵へと帰す。それを見た他の個体が、母体を守ろうと陣形を敷いている。


 そうして母体の前には2枚の壁を形成するが、魔力をも籠めて放った2撃目は、その尽くを吹き飛ばしていた。


『丁度これで撃ち尽くしました。残るはボスだけです』


「ええ、しっかり整備されたアナトを侮らないでほしいですね!」


 撃ち尽くしたマキビシシューターを排除すると、アナトは右手に太刀を、左手に苦無を逆手に装備する。そして、静かに太刀の切っ先をファイヤーバードに向ける。


『貴方の単体での増殖は、我々人類には脅威です。申し訳ありませんが魔界へとお帰り願います』


「魔導エンジン、次元エンジン共に快調よ。ツインドライブをお願いします」


『了解。フルドライブを開始します』


 エクステリナの要請に応えてアナトがツインドライブを開始する。するとその周囲には、虹色の泡沫が溢れ返ったのだった。


 その時だった。その瞬間を待ち構えていたようにファイヤーバードが大きくクチバシを開く。




 ケーーーーーン





 ファイヤーバードが超音波を籠めた咆哮を放つと、アナトの機体が軋み、コックピットの二人は頭を押さえて呻き、そして嘔吐していた。


「あ、がああぁあ!!何よこれぇええ!?頭が割れるう!!」

「いやぁああ!?ぐ、ごほっ」


 それまで快調に起動していた魔導エンジンが動きを鈍らせ、アナトは地表…カナダの森林地帯へと無防備に墜落した。


「う、ぐうっ。超音波からは逃れられたようですね」

「ええ、でも油断しないで二人共。アナト、損傷はないみたいですが、大丈夫ですか?」


『ええ、大丈夫ですエクステリナ。墜落する際に魔導エンジンを切って、次元エンジン単独運転に切り替えているので、パワーは出ませんが』


「ならば距離をとりましょう。ウテナ、アナト、お願いします」


「何をする気なのエクステリナ?」


『波動衝撃砲ですね?判りました。ゆっくりと魔導エンジンを再始動させます』


 好対称な二人の反応に、エクステリナはふふと声を漏らす。


「ええ、しかし今回はウテナにも頑張ってもらいますよ。誘導(テレキネシス)乱舞(ストライク)の準備を!」


「え、ええ、了解」


『苦無による攻撃を囮にして、距離を稼ぐのですね。ではいい頃合いを見てシフトチェンジ出来るように、私は準備しましょう』


 エクステリナの意を汲み、アナトはシステムチェンジの準備をしつつ魔導エンジンを再起動させる。ウテナも九字を切り、意識を集中させている。


 そうしながらもアナトは翼を開き、高速で低空を飛行して後退をしていく。それをファイヤーバードは高空から追い駆けてくるのだが、時折木々の間に隠れるように飛行するアナトに、苛立っているようである。






「魔導エンジン通常出力です。ウテナ、お願い!」

「了解!」





 ウテナの応答の声と共に、幾つもの苦無が射出される。それらは弧を描きながらファイヤーバードへと突き進んで行った。


 突然降り注いだ苦無の群れに、苛立ちを見せていたファイヤーバードは、再び超音波を発するが、相手は意思無き物体…ヒートダガーの群れである。通じることがない事を悟ると、ファイヤーバードもまた低空飛行に転じて、苦無の群れから身を躱そうとしているようである。








「パワーコンデンサ正常値、魔導エンジンと次元エンジンの同調を開始して」


『了解。ツインドライブ再始動します』


 エクステリナの管制に従い、アナトは再度のツインドライブを開始する。その間にもウテナによる誘導乱舞は、激しくファイヤーバードを攻撃し続けていた。


「ツインドライブによるエネルギー値、150%を突破」


『距離も良い位置になりました』


 二人の会話からウテナは頃合いと見る。


「エクステリナ、任せました!シフトチェンジ!!」


 ウテナの掛け声と共に、翼から様々なパーツが射出され、魔導ランチャーにアナトは持ち替える。そしてランチャーは長大なライフルへと姿を変えたのだった。


「戻りなさい!苦無達!」


 ウテナの掛け声に反応して、ヒートダガー達が高速でアナトの元へと返ると、既にロングレンジライフルの先端には、波動衝撃のエネルギーが蓄積され、銃口からは虹色の粒子が溢れだしていた。


「さあ、塵となりなさい!!」


 瞬間、虹色の弾道が真っ直ぐとファイヤーバードへと伸び、その脳天に突き刺さった。ファイヤーバードの頭部はその一撃で四散して、やがて虹色の波動が全身を包んだ。


 アナトとファイヤーバードとの間の20kmほどに、一本の道が出来上がっている。それはロングレンジライフルから発射された波動衝撃の跡であった。


 消し飛んだ木々の煤が、塵となったファイヤーバードと共に、虹色の泡沫に包まれて天へと帰る。



 3人は暫くの間、その光景を眺めていた。送り火でも見送るように…。

火の中から不死鳥はまた復活する!

喰らえ!鳳凰の羽ばたきを!!


…じゃないけれど

何度も復活させてアナト達を疲弊させるプロットもあったのですが


面倒くさい!


と思って、増殖にしました。

マナドリンクの再現がされる前に、マナドリンクがなくなっちゃうだろうし。

それはそれでまた


面倒くさい!


と思いました。(作文か!)

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