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神華牡丹学園物語  作者: 瑞目叶夢
1章華人の不安と仇の顔
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40/62

どうしょうもなく彼女のとりこだった

今回BL要素がありますので苦手な方は申し訳ありません、護衛二人組みが出ているところは読み流して頂いて結構です

パーティ当日、

千李は、制服の華服よりもカッチリとした紺色の華服を着て窮屈に思いながらタキシード姿の真望と式服、華服と違い振袖がなくタイトな服に帯を締めたもを着た一六五三と部屋を出る、寮の入り口には癒澄が待っていた。

新緑色の生地に風に運ばれるような水色の花弁と小さな白兎が印象的な華服を着ている帯はオレンジの花が咲く黄色い帯でオレンジ色の肩くらいの髪を整えて赤い花のつまみ細工の髪飾りを付けて華やかで可愛らしい


「おお!癒澄くん!とても可愛らしいよ、妖精のようだ!」


「イヤン!まもりんたら上手なんだから!ありがとう!まもりんのタキシードもすぅっごくカッコイイよ!」


癒澄はそう言いながら真望の腕に抱きつく真望は、やれやれというジェスチャーをして千李を見る


「さすが俺だ、タキシードをこんなに着こなしてしまうなんて、すまないね、千李、君の主役を奪ってしまうかもしれないよ、なんて俺は罪なんだ!」


「当たり前よぉ!こおぉんなにカッコイイんだもん!他の女の子がほっとかないわ!」


千李はそんな二人にハイハイと笑いながら流して寮警備の神華体のロボットに声をかける、毎回千李は、顔だけは超絶美女な体ロボットのアンバランスさに慣れないが技術系華人は大体同じ好みで他の寮も似たような神華体なのだと聞いた時は、技術系の好みを疑ったものだ、正直、千李には不気味に見える、今では慣れたが、はじめの頃は話しかけづらかったものだ


「cct0(しーとん)パーティに行ってくるよ10時までには帰れると思う」


『承知イタシマシタ、行ッテラッシャイ』


千李達は寮を出て中央花壇の前で美羽達とライラック達を待つ


「おまたせ!」


美羽の声に振り向くと桜色に大柄の鞠菊の柄の華服に山吹色にパステルカラーの扇の骨組みが書かれた帯をした美羽が小走りに走ってくる

長い銀と薄紅色の髪を三つ編みのハーフアップにして桃色のリボンが揺れる

少し紅を引いているのだろうかピンク色の唇が印象的だ

駆け寄る姿も華やかで美羽が輝いて見える


「ごめんね!髪を結うのに時間がかかっちゃって待ったかな?」


「いや、ぜんぜん」


「本当?なら良かった!千李、私変じゃない?新しい華服だからちょっと不安で」


「ぜんぜん、すっごく…っ、」


「すっごく?」


美羽の可愛い薄紅色の瞳が千李を見る

千李は、言葉をつまらせながら喋る


「すっ、ごく、にあ、ってる」


「千李が言うなら大丈夫ね!良かった!」


「あ、あぁ」


美羽に見惚れる千李に後から誰かがのしかかり潰れそうになる


「いちゃいちゃしてんねぇ幼馴染み組はぁ、いいわぁ私も青春したい!」


千李は、慌ててのしかかってきたライラックを押しのけて否定する


「いいいい、いちゃいちゃなんかしてないよ!会話しただけ!」


「そうですよ、ライラックさん!千李は小さい頃から一緒なんです!兄弟みたいなものですよ!」


美羽の発言にすでに集まっていた全員はさっきまで完璧に美羽に見惚れていた千李に同情の目を向けた。

ライラックは、千李の肩に手を置いてなんとも言えない目をしながら親指を立てた。

ただ一人状況がわからない美羽は、のんきにライラックを褒める、


「ライラックさんのドレスすごいですね!大人の魅力って感じでキレイです!」


ライラックのドレスはボルドーのドレスで、上下別れて胸が強調され、腰部分が出ているデザインになっていて黒薔薇と黒蝶が飛んでいる、くゆる髪は綺麗に纏め上げられていて、扇情的なうなじがあらわになっている、とても13歳の女性には見えない美しさだ、化粧も施していて赤い口紅がさらに大人らしさを出しているのだろう、


美羽が清純系の可愛さで、ライラックが妖艶で美しい感じで見事に対比を生み出している、


「そうだろう?母さんから貰ったのさ!でも影姫ちゃんも私とは種類の違う大人っぽさ出てる感じじゃん?ちょー綺麗でいいねぇ私はそんな落ち着いた感じ出せないんだよなぁ」


千李が影姫を見ると影姫は、海のように青い生地に鳥が空を飛ぶように描かれ羽が散る華服に空色の帯で締めている、髪も纏め上げ青いケイトウの花と青い鞠の髪飾りをつけていて全体的に落ち着いて、影姫の知的さをよく表して美しく着飾っている


岸雄は緑の華服を着ていて影姫と並んでいてとても絵になる二人だ

瑙銀と瑙虹はライラックにあわせて深海色のタキシードを着ている

大人組も紺色の華服を着ているが何か様子がおかしい、高天は上機嫌だが

甲泉は、不服そうだ


「甲泉さんどうしたんですか?」


千李がそう聞くと甲泉は、目を泳がせて何でもないよと言った。

そこに美羽がこっそりと千李に耳打ちする


「千李、飼人と人魚守って精霊宗教って知ってる?」


「え?そうなの?」


そこで真望も会話に入る


「精霊宗教だと何かあるのかい?」


それに美羽が苦笑いしながら答える


「精霊宗教の人は伴侶にお揃いの華服を送って公の場で着るの」


美羽の言葉で千李と真望は二人の華服を見る、柄から帯まで全て一緒だ


「え?!お二人は付き合ってたんですか!?」


「付き合ってないよ!」


千李の言葉に甲泉がくい気味に答える


「え?でも華服………」


「これは!こいつが俺の華服を勝手に俺の家に送ったから寮に着る服がなくて!」


千李は高天を見る


「え?いいんだよぉそのうち俺のにするからぁ変な虫つけたくないじゃぁん?」


「つくわけ無いだろ!!」


なんとも自分勝手なことを言いながら高天は、甲泉の華服姿を満足そうに眺めている、甲泉はブツブツと何か文句を言っているようだ


高天の強引さとまさかの恋心?を知って、千李は思考が追いつかない

そんな千李の肩を誰かが叩く、


「ま、そんなことよりさっさと行こうぜ!遅刻したら面倒だ」


そして全員で迎えに来た大きな溶岩石のような見た目の牛が引く牛車に乗り込み、屋敷に向かう


屋敷は森に近く鈴里村の端の方にあり、たくさんの人が集まっている、代表選手とその友達や学園の全先生、何と牡丹学園の方も刀激戦が行なわれていたらしく、その代表選手も来ていた。

そして放送委員や新聞部の生徒もいる

他にも政界の要人や芸能人、アーティストもちらほら見える、卒業生だろうか

立食形式のパーティなので食べ物や飲み物を持って動き回るウェイターなどもいる、みんな思い思いに楽しんでいるようだ、

千李は、ライラックに呼ばれてついていくとそこには千頭理事が居た。


「おお!!ライラ!今日も一段と美しい!ご両親もさぞ自慢だろう!」


千頭はライラックの言うとおり、ライラックに嬉々として話しかける

昨日の作戦会議での話


「千頭はさぁ、半純血を哀れな子って言ってんのね、で、私に何一つ父さんの特徴がなくてアジア人よりだからあのバカ、私を虹の女帝と魔王の隠し子とか言ってんのよ、ふざけてるよねぇ、あんな野郎の子供とかマジ勘弁、まぁその噂のおかげで脈絡をバカにしても金帯でも純血派に暗殺とか計画されないんだけどねぇ」


この話のとおりなば千頭は、清家の半純血である千李にも興味を抱くはずだ


「ん?おお!千李くんかな?、あぁ!顔が叙樹くんにそっくりじゃないか!惜しいなぁ君が純血ならばどんなに凄いことが起きていたか!」


千頭は千李の耳元に顔を近づけコソコソと話す


「私はねぇ叙樹派だったんだよ、清家の当主になりたい時は是非とも後見人になってあげよう、考えといておくれ」


そう言うと千頭はまたライラックのところにごまをすりながら近づく、千李はとても最悪な気分になった。

つまり千李を清家の跡取りに押し上げて、豹炎を下ろして猫炎より上の立場になりたいと言う事だろう、下卑た考えを感じ取り、千李が冷たい目でライラックにごまをする千頭を見ていると、それに気が付いた千頭がニマニマと笑いながら手を振ってくる、なんとも気持ち悪く鳥肌が立つ


近くで聞いていた美羽が怪訝な顔で心底気持ち悪そうに言う


「なんか、すぅっごく三下と言うか小物っぽいと言うか、ライラックさんにも千李にも取り入ろうとしてるよね」


美羽が意外と毒舌なのは絶対に飛鳥のお姉さんのせいだと意識を飛ばしながら周りを見ると、千珠と加々羅、薬病が話している、あの三人は意外と仲がいいのだろうか、と言うかうち二人は元、藤の会だと思うと加々羅が怪しく見えてくる、他に周りを見ると豹炎と猫炎が居た。猫炎はどうやら自慢げに何かを話していて、豹炎は、元の自信有りげな態度で父の隣に立っている。

個人戦の勝ち抜きの自慢だろう、優勝も夢じゃないとか言ってそうだ、

そこに厳しい老人が焦ったようにこちらに走ってくるのが見える


「たぁーーーー!!かー!!!あーーーん!!まーーー!!!」


その老人は走って来て高天の肩を掴み激しく揺らす


「おまえ!!どういうことだ!!何故夫婦の装いを男としている?!?!?!お前は!!聖女様の婚約が決まるはずだったんだぞ!?!?」


ぐわんぐわんと揺らされながら高天は、面倒くさそうにしている、血圧上がりますよーなどと言って相手にしていない、そして甲泉に関しては衝撃を受けている、そしてその老人と一緒に高天に詰め寄る


「おまえ!!聖女様の婚約者なのか!?なんでそんな大事なこと!」


高天はなんともない顔で甲泉の質問に答える


「えー?だってさぁ、俺聖女様の事そういうのに見れないしー、甲泉のが可愛いよぉ?てかさぁ、どうせ聖女様の婚約者だって親父と精霊女王様が盛り上がってるだけじゃぁん?他の人は反対してんじゃぁん?ならさぁ俺が甲泉と結婚して飼人と人魚守の関係作れるからいいじゃぁん」


「だ!だがしかし!お前は精霊女王様のお気に入りなんだぞ!?」


高天は、父親の言葉に面倒くさそうに答える


「親父さぁ母さんに俺が似てるから特別扱いしてるけどさぁ、兄貴も精霊女王様のお気に入りって忘れてなぁい?あの人は精霊使いだよぉ?」


「だがお前は全種族を使役できる!」


「そんなの関係ないよぉ俺は後妻で華無生まれの元男から産まれたってだけで弾き者だしぃ、兄貴は前妻の純血の女性から産まれてるからみんなも納得するしぃてかさぁ、親父も精霊女王も知らないみたいだけどぉ聖女様と兄貴できてるかんね?」


その高天の発言に老人は開いた口が塞がらない、そこに白に金色の繊細な柄の入った華服の清純そうな女性と冴えないが誠実そうで大人しそうな男性が近寄ってくる


「高天様、ごめんなさい、私達のためにこんな事に」


「すまない高天、父さん、俺は聖女様を愛しています、まだ婚約は正式には決まっておりません、どうか僕らの交際を、いや、婚約を認めて欲しいのです」


二人が老人に頭を下げると老人はウォンウォンと泣き出した。


「そうか、そうなのか高天お前はなんて優しい子なんだ!わしは感激した!感激したぞ高天!あぁ!いいとも!雪時!聖女様!二人の婚約をここに認め!そして高天とそこの青年の婚約も認めようぞ!」


「は?何言っ!」


甲泉が何か言おうとしたら高天に口で口を塞がれる

そして口を話されて鯉のようにパクパクとする甲泉にいたずらっ子のように高天が言う


「逃さねぇよ」


何はともあれ二つのカップルが生まれたようで、千李達は甲泉に合掌した。

あの獣のような目の高天を止める事ができる気がみんな無かったし、否定はしているが甲泉は全力で逃げていないので満更でもないのだろうと勝手に6人は決めつけたのだった。

あとは怪しい人は誰かいないかと周りに目を向けようとすると視界を遮られた。

茶色い外套(がいとう)を羽織った華服の主の顔を見ると七三にきっちりわけられた長い白髪のある茶色っぽい黒髪の丸眼鏡が特徴的な糸目の男性だった。


その男性はニッコリと笑って千李の前に立っている、


「あ、こ、こんにちわ」


思わず千李は、挨拶をした。


「こんにちわ、清千李君だね、私は(やん) 都後降(とごり)です、高学年の上等呪術を担当しているよ、君とお話してみたかったんだ」


細い目が興味深そうに千李を見ている、

千李は今まで感じて来た視線と違う感覚の視線に困惑する

軽蔑でも羨望でも下卑たものでもない視線、自分の中の中まで見るような

き持ちの悪い感覚に無意識で無効化を発動する、すると、都後降は愉悦(ゆえつ)に浸るような顔をするがその顔はすぐに消え去り柔和(にゅうわ)な笑顔に変わる、


「おや、無効術とは違うね?もしかしてシェリーニの無効化かね?」


「え、あの」


千李は焦る、バレてはいけないのになぜわかったのか、そんな千李の前に美羽と岸雄が立ち影姫、真望、癒澄が都後降を睨む、

それを見て都後降はぽかんとして、次には笑った。


「はは!連携がしっかり取れているね!申し訳ない、敵意はないんだよ、ただ私は叙樹とシェリーニがお気に入りだったんだ、叙樹は狗炎校長を上回る神華の力を持ちシェリーニは世界にひとつとない無効化の神華、神華研究員としてはとても興味深い、それに本来無効化のような希少な神華は、受け継がれない筈なんだ本当に面白い、実に興味深い、私の鑑定士の目を跳ね除けたのは君とシェリーニと李薇くらいだよ」


千李は、最後の名前に都後降を凝視した。


「李薇も………お気に入り……だったん…………ですか?」


都後降はにやぁっと笑った。


「やっと面白い反応をしてくれたね、李薇ほど神の世代で面白い子は居なかったよ、彼女は紫帯(劣等生)の天才だった」


余計に千李の周りがピリピリと緊張感が走る


「劣等生の天才?」


「あぁ、彼女の神華力は11歳にして桜姫様に匹敵していた。そして彼女は成績では何の成果も残していないが様々な印を発明していた。一番大きな功績は無効術の発明だ今は誰もが使っているがね」


千李は、李薇の過去をただ漠然と聞くしかできないドクドクと心臓が動き駆け足で血が巡る


その様子など関係ないように都後降は、話を続ける


「李薇とは研究の一環として、様々な術や印を試していたよ、彼女は、私よりも博識だった。速読も即記憶もできる子でね世界図書館の本も学園図書館の本も自主退学するまでの間のものは全て読んだと言っていたね、噂では退学後も世界図書館には姿を変えて行っていたとも聞いたことがあるよ、どこまでも知識に貪欲だったんだ彼女は、」


愉悦に浸って話す都後降


「そして入学時点で既に無印術を使えた子でもあった。思量深く理性的でどんな術もどんな技も使えた。もちろん蘇生術も蘇りの術も使えた。

精霊でさえ使役して見せた、もちろん呪術でね、彼女にできない事は何一つ、何一つ無かったよ」


都後降は李薇の事を恍惚と語る、まるで目の前に女神が居るかのように、李薇を崇拝するように、

美羽は、怪訝な顔で都後降に言う


「でもあの女は犯罪者です」


見えない女神を仰ぎ見ていた都後降はその言葉にすっと能面のような顔になり、すぐに柔和な笑顔に変わる


「そうだね、だが君達に残念な話だが李薇は学生時代好かれていたよ、ぶっきらぼうで残酷で厳しくてでもどうしょうもなく魅力的で優しい子だったんだ」


癒澄が困惑する


「残酷で優しいって相容れないですよね?」


「あぁ、だが彼女は本当に残酷で優しい子だったんだよ、だから藤狐の生徒も破天荒カルテットもライラーズの面々も彼女に話しかけないでは居られなかった。本人は迷惑そうにしていながらその手を振り払いはしなかった。破天荒カルテットにはよく、お灸を据えて居たけどね」


ニッコリと笑う都後降の顔を凝視しながら信じられない事実に胸が押しつぶされそうになる、


「そんなはずない、父さんも母さんもあの女に殺された」


千李の言葉に困ったように笑いながら都後降は、映照水晶を取り出す


「なら見てみるといい」


ブワンと映像が出てくる画面には木の上でくゆる髪を弄ぶ李薇と、その下で勉強をするシェリーニと千珠、その隣で黒髪の大人しそうな女の子が何かを書いている、影姫が母さんと言ったので影姫の母なのだろう

そして怪しそうな鍋をかき混ぜている叙樹と真木に巻き込まれないように離れた位置で本を読む飛鳥と圓唎が映っている


シェリーニが上の李薇を仰ぎ見る


「李薇?ここの公式がわからなんだけど……」


「なんで私に聞く?千珠ならわかるでしょ」


「すまない、僕もわからないんだ」


千珠の声を聞いて叙樹が高笑いをする


「なっはっはっは!金帯ともあろう人がわからないのですか!不甲斐ないねぇそんな問題俺がちょちょいのちょいよ!」


そう言って叙樹は鍋を混ぜていた棒を真木に押し付けて二人に近づく


そしてシェリーニの参考書を覗く、暫く反応がない


「どうした黒帯ともあろう人がわからないのか?」


千珠がフンと鼻で笑う


「いいいや?わかるよ?でもここは?紫帯に華を持たせるのも?男の優しさっていうか?なぁ?」


叙樹が飛鳥に向かって問うと飛鳥は本から目を話してにっこり笑顔で


「ソウダネェ」


まるで棒読みだ全然思ってない、圓唎など笑っている


そこに真木が鍋は如何したのか割って入る


「黒帯ちゃんには難しかったでチュねぇ、銀帯に任せろっての、この問題わぁ、わぁ、わぁ?」


真木は、真剣に参考書を見ているようだ、その様子に興味を抱いたのか、飛鳥と圓唎もシェリーニの参考書を見る、そして飛鳥は驚く


「え?シェリーニと千珠はいつもこんな勉強してるの?これ、華人一般教養試験の問題集じゃないか!」


叙樹が不貞腐れたように言う


「6年生の試験だろ?僕たちまだ2年だよ?」


そう言うとシェリーニは、呆れたように言う


「早めの予習も大事なのよおバカさん、貴方だって圓唎が識字症の対策アイテム作ってくれたんだからふざけてばっかりいないで勉強に身を入れなさいよ」


そしてまた叙樹は不貞腐れたように言う


「ガリ勉なんかモテねぇじゃん」


そう言うとシェリーニが自慢気に言う


「あら、千珠はモテてるわよ?」


飛鳥が頷く

「確かに」


圓唎が興味なさそうに言う

「意外とモテてるよな」


真木が苦笑いをする

「癪だけどな」


寝る体制に入った李薇の声が上から聞こえる

「叙樹の数億倍マシ」


大人しそうな女の子もウンウンと頷いている


全員が同意することに叙樹は大層ショックを受けて地面にうずくまる


ケラケラとみんなが笑う中、李薇が何かを見て舌打ちをする


「おい、バカども、鍋はいいわけ?」


李薇の声にしまった!っと叙樹と真木は鍋に駆け寄る


李薇は、シェリーニ達の前に飛び降りて結界を張る、ちゃっかりカメラも結界を張ったようで、その後、大爆発が起きて、煙が去る頃にはカラフルになった叙樹と真木がいたのだった。


そして、李薇以外全員が笑いに包まれる、映照水晶の近くで声がする


「大丈夫かい?二人とも、医療塔まで送ろう」


都後降の声でその映像は終わった。

そして残酷に都後降の声が現実を押し付ける


「ほらね」


嘘だ、

母も父もあの女を慕っていた?

飛鳥も真木も圓唎でさえも仲良くしていた?

ドクドクと言う心臓の音が耳に響く、



湖のほとり、




怪しく笑う虹色の目




『よぉく見てなさい』


降りかかる血飛沫(ちしぶき)の向こうに聞こえる高笑い



こんな映像嘘だ

嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ




「うそだ!!!!」






千李の大きな声に数名の人間がこちらを見る

なんだなんだと注目が集まる


千李は、震える声で確認する


「貴方は藤の会だったんですか」


質問ではない、確定するように聞く


「いや、彼女が藤の会に入ってからは交流は無いよ、私達は彼女のどうしょうもない崇拝者だったが千珠以外は彼女にはついて行かなかった」


「なぜですか」


「あの時に彼女がそれを望まなかったから」


ドーーーンとドラがなる、そちらを見ると千頭が汗を流しながら大きなパネルの前に立っている、そして印を刻むと声が響く


「そ!それでは今期のトーナメント発表です!」


パチパチと会場から拍手が響く

それでも千李は、そんなパネルを見ている暇はない目の前の柔和な笑顔の男に釘付けになる、


「今期のトーナメントは………」


千頭の大きな声も聞こえない

李薇が望まなかった?こんなに凄いと持て囃される人を?

大勢の信者を藤の会に入れなかった?樂巖のためになるのに?

破天荒カルテットだっていい手駒になったはずだ、なぜ?

なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?!?!



なぜみんなを裏切った?



ツーと鼻血が垂れる、プツンと何かが切れる音がして千李の視界は暗転した。


ある日の放課後、いつものように世界図書館に居るが何も見つからないもう門限も近くなる


「そろそろ止めようか、門限に遅れてしまうからね」


「待ってくださいまだこのスクラップブックを見終わってないんです」


甲泉の言葉も無視して岸雄は、スクラップブックを見漁る


「駄目だよ岸雄、引き時は見極めなきゃ倒れたら元も子もないだろ?」


「お願いします、これだけっ!」


甲泉に懇願する岸雄が急に力を失う、ブーンと蜂が高天の近くに行く


「高天!そんな方法はだめだって言ったじゃないか!」


その甲泉の言葉に高天は、何も気にしないように岸雄を片手で抱き上げる


「いっつもその押し問答してんじゃぁん、いい加減飽きたんだよねぇ、言う事聞かないんだからさぁこのくらい、いいのぉー」


高天に抱き上げられている岸雄の顔を影姫が触って心配してるがそんなこと関係なしと高天は出口に向かう他の5人もそれに着いていく


甲泉は、はぁ、とため息を着いて、散らかした本たちに術をかけると本達は元の場所に戻る

慌てて追いかけていく甲泉、軽々と割と大きな岸雄を持ち上げる高天を見る、身長は少し高天のほうが高い

筋肉もお風呂の様子では高天の方がある、筋肉の付きにくい体質がコンプレックスな甲泉は、羨ましくて高天を見る


「なにぃージロジロ見てぇ、まぁだ怒ってんのぉ?」


「高天って見た目の割に力あるよな」


その発言に高天は、一瞬驚いてニヤッと笑う


「惚れたぁ?」


「そんなわけ無いだろ」


「あっそぉー」


そんな会話で終わり帰路に着くのだった。




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