表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
霧ノ宮  作者: クサナギカナデ
4/16

4

 霧ノ宮それは暗殺を生業としている人々である。

 須衣の山深くに彼らは住んでいる。

 そこはとても霧が濃く出るような場所で人を寄せ付けないようになっていた

 

 そもそもこんな所に入って来て出ていける人間などいない。

 

 その日も濃い霧が出ていた。

 そんな中を歩く母と子。

 

「母上、約束は守ってくださいよ。」


「かまわないけど、本当にいいの? 」


「もちろんです」


 親子が約束を交わす中、老人と子供がそこに合流する

 

「あ、兄ちゃん。それ新しいのか? 」


「ああ、やっと出来たんだ。じじいも合格だって言ってくれた」


「まぁ、そこそこじゃの。儂の作ったものと比べればまだまだじゃが。

 そこらへんのポンコツに比べればいい出来じゃ。使っても問題あるまい」

 

「これを誠之助が作ったの。すごいじゃない!」


 兄が作った刀をみんなで褒め合う姿は親子そのもの

 

「じゃあこれを? 」


「いや、それは駄目だってじじいが。だからこっちのを持って行くことにした」


 それは明らかに名刀とわかるそれ。まぁそれも当然、この老人は刀鍛冶としては知らぬものは居ないほどの名工。

 

「ほれ、藤次。お前もこれを持っていけ。その刀ももう寿命じゃ」


「おお、そうなのか。爺さんがそういうのであればそうするよ」


「ありがとう、宮」


「かまわんよ。儂はその為に居るんじゃから」


 兄弟はお互いの刀を見せびらかす。

 

「ところで宮、香芝の方には? 」


「ああ大丈夫ですじゃ。きっちり手紙は送っておいた。心配せんでもよい」



「二人とも準備は良い。では、行ってきななさい。そんなに急がなくてもいいからね」


「「行って参ります、母上」」


 兄弟二人はそう言って母と別れた。

 

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ