ドラマを見たっていいじゃない。
私、気がついてしまったんです。サラセニア火山隊長のひそかにひめやかに懸想するお相手、ネギノハシくん……彼ってほら、郵便局のカモノハシの長兄の次男坊なわけじゃないですか。
で、彼のお父さん……つまり、カモノハシの長兄といいますとね、彼はなんと、かのサラセニア火山隊長の唯一無二の親友であってたとえサラセニア火山隊長が千回生まれ変わろうと、異世界だろうと架空の世界だろうと現実世界だろうと現実的異世界だろうと正真正銘魔界的現実世界だろうとどこであろうと、二度と出会うことのないであろう確率が四十五パーセント以上もあるであろう一期一会以上の親友であるであろうジャネット……そんな彼女の愛人にあたるわけなんですね。
となると、サラセニア火山隊長の親愛なるジャネットの愛人の次男坊が、サラセニア火山隊長のひめやかなる王子さまということになるんですね。
いえ、まあだからなんだということでもないのですけれど、なんかすげーなおい、って思っちゃったのです。
とまあ、世間話はこのくらいにして、今日も淡々と始めることにいたしましょう。
あ、こないだ私、ボンゴレのパスタ食べたんですがね、こんど覚えてたらまた与太話のネタにいたしましょうかね。
さて、サラセニア火山隊長は今日もパワフルに、そしておしとやかにタピオカを頬張っておりますが、いつもより心なしか調子をこいておるように見受けられますのは、じつは今夜は彼女の大好きな連続ドラマが放送される日だからなのです。
これは町限定の番組で、主に人間界で撮影が行われているものなんですが、サラセニア火山隊長はこの番組が喉からタピオカドリンク用プラスチック製ストローを顕現させるほど大好きなのでございまして、この番組を視聴するためならば、ジャネットはともかくネギノハシくんとその一味一党を撫で斬りにして膾かもしくはコピー&ペースト状にしてやるというような犠牲もいとわないと言いかねないほどの熱の入れようなのです。……ええ、ここまでいえばわかりますね、彼女がなぜ、心なしかいつもより調子をこいているように見受けられるのかということが。
さて、このドラマ、前回の放送日は満月の夜、ちょうどアカウミガメのフレンチトーストが焼き上がるくらいの日付でしたから、もう七日も経っていることになります。まあ、みなさんのお国の連続ドラマも同じくらいの間隔でしょうか。
で、どんなドラマかといいますとね……まあ、長くなりそうなんで、次回にしましょうかね。さわりだけお話しすると、「正義の味方が、正義の敵をばったばったと罵倒していく、痛快無双系ヒロイックドラマ、その名も、『聖イタイ将軍の攻撃!』、毎週やってるぜ見逃すな!」ってとこでしょうかね。