ハンマーヘッドシャークのギンちゃんは今日はカイワレタクアン通りのおうちにはいないようです。
さてみなさん、お仕事ははかどっておいででしょうか?
わが町、その名もトースターズ・コーナーキックス市では、道端という道端のハムストリングスの低木が風に揺れ、ハンマーヘッドシャークのギンちゃんが元気に嘆きのワルツを奏でております。今日のギンちゃんは、びしょ濡れの藁のおうちではなく、サルスベリの木の上で一日すごすようです。一日の終わりに、ちゃんと降りられればいいのですがね。
ついでにギンちゃんのことを申し上げますと、ギンちゃんはじつはアマガミが苦手で、じゃれてるつもりが間違って相手を食っちまったってことがままあって、こないだなんか、先輩の愛人を間違って食っちまったとかで、「うまかったよー」と言いながら嘆きのロックを歌っておったそうな……なんていう噂話が、サルスベリの木の周囲、半径二百センチメートルの範囲に流れたとかなんとかいう話を隣町のジャネットからの電話で聞いたんだって、サラセニア火山隊長が自慢げに寝言を言っておりましたのを耳にしました。
まあしかし、ギンちゃんに関して私の知っている範囲でもっともたしかなことを申し上げるならば、ギンちゃんはエイが好きだってことです。シャルダンの描いた静物画を三日間眺めつづけたことも……なんていう噂も、まことしやかにささやかれているのですからね。ハンマーヘッドシャークの鑑ってなもんです。




