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変態に認定しました

ー解せぬ。なんでこうなった!

リゼの前で朝ごはんを食べている男、ナヴァルはリゼに惚れたらしい。

足にたが。

元はと言えば、この男が余計なことを言わなければ良かった話だ。

眉間に皺を寄せてグヌグヌ言っているリゼに気づいたのか爽やかな笑顔で囁いた。


「可愛い顔がだいなしだよ」


「しゃべるなよ」


「可愛い君が悪い」


「気色悪いわ!」


はちみつをたっぷりかけたような声に寒気がした。しかも、リゼが罵倒する度に嬉しそうに笑うのだ。

もう参った。

ちゃかり家に上がり込み朝ごはんを食べる図々しいさ、見習いたいぐらいだ。


「どうやって家知ったの?」


「臭いかな」


「キモい!」


「嘘だよ、アモンに聞いたんだ」

ーあのじじい!!


「いつから玄関にいたんだよ」


「君と別れたすぐかな」


昨日の夜からいたと話すナヴァルに、リゼは絶句した。

リゼはほぼ毎日と言っていいほど夜に男が襲いにくる。それを使って踏んだり蹴ったりでストレス発散したあと記憶操作して町中に全裸で吊るす。

もう二度と同じことをしないように。


「そういえば、変な男が家の周りをうろうろしてたから懲らしめておいたよ?」


ナヴァルは妖しげに目を細めた。なにをしたかは聞かないでおこう。

後悔するだろうから。だが、リゼのストレス解消ができなくなってしまう。慌ててナヴァルに言い寄る。


「そいつらを使ってストレス発散したかったのに!」


「踏んだり蹴ったりかい?」


「そうそう踏んだり蹴ったり・・・」


「私がいるじゃないか」


「は?」


ほぅと顔を赤く染めた男にリゼは後ずさったが、そんなリゼの手を掴んで微笑んだ。


「リゼの蹴りと踏むのは体験したから、次は殴ってみてくれ」


「誰が殴るかぁぁ!!」


殴ったらきっとナヴァルは喜ぶに決まっている。リゼは加虐趣味ではない、断じて。


「他に当たれよ」


「いやだ。リゼだからいいんだ」


恍惚に顔を染める男を見ながらリゼは気がついた。こいつは間違いなく変態だと。

なぜだか分からないが妖精たちはナヴァルを歓迎していた。

たぶん魔力が多いのだろう。


「この顔を好きにしていんだぞ?」


「帰れよ、変態!」


掴んだ両手を自分の顔に添えてナヴァルは囁いた。

無駄に綺麗な顔をしている男を殴る気にはなれない。しかも、王族だ。

前提撤回したい。こいつはクソ王族には似ていない。

ただの、変態である。


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