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プロローグ
古い歴史を持つ大陸を統べる王国
フィリナード
8000年以上君臨し続けてきた王国
には、古来から聖女が生まれていた。
治癒に長けた魔法を操る人智を越えた人物で美しい容姿を持ち、災厄を退けてきた。
王国を古くから支えてきた聖女たちは皆、王族と恋に落ちている・・・
「落ちてないわ!このクソヤロウ!」
持っていた本を思い切り投げ捨てた。
荒く息をつく彼女の名はリゼ。
今世の聖女であるリゼは床に投げ捨てた王国伝をそのまま踏んづけた。
この本には聖女が幸せになったとか、王子と恋に落ちたなんて書いてあるがすべて嘘だ。
今までの聖女は恋をするどころか殺害されて使い捨てられているのだ。
最初は火あぶり、次はギロチン、その次は刺殺合計11回すべて殺害された記憶をリゼは持っている。
王族に騙されたり、脅されたり散々だった記憶しかない。
ー神様、私なんかしましたか?
今世は念願の平民になったから聖女なんてかなぐり捨てます。
平凡なスローライフ、送ってやる!