第7話、風雲 鳳凰の間。
いよいよ怪しげな⁉パーティーの開幕である。遠藤真美率いる匂行動心理学研究会。通称G-7s達がナイトドレスに身を包む。我らが堀田健一に、悪友の前田敏樹。更に柔道部主将佐竹一成が白のタキシードで、勘違い大爆発。
アーバン・プレイス 吉祥。
都心からちょっと離れた、五日市のこれまた外れにある、多目的ホールである。
しかし普段は、葬式に使われる事が多い。
しかしながら、使用料金が格安なのと、駐車場が広いとの理由で、学生達のパーティーなんかによく使われる。
今日のパーティーも、いつもの学生パーティーで、主催が都下学生志栄会。
漢字で書くと、なんとも堅いイメージだが、発起人は私大の雄、K大の法学部の三回生、芦田晃一が呼び掛けて、各大学のパーティー大好き野郎等が集まって、この会が出来上がった。
定期的にパーティーを開催しては、学生間のネットワークの拡充を目的に活動している。
と、書くと、立派に聞こえるが、その実体は、高額なパーティー券を売りさばき、女子学生をナンパ目的で勧誘する。如何わしい団体であった。
因みに佐竹一成と芦田晃一は、関東学生選手権で、柔道のライバル関係にあった。
今夜のパーティーも、本来の目的は多分にナンパが目的の、いい加減な会であることは、間違いじゃないだろう。
パーティー会場の入り口に掲げられた、立て看板を見て、先頭を歩いていた佐竹一成の顔が、意気なり曇る。
真美さん、このパーティーは・・・・!
佐竹さんなら、ご存知でしょう!あの会の主催の、パーティーなの。
実は前々から誘いを受けていたらしい。ずっと、断っていたのだが、余りにしつこいので、今回ついに出席する事にしたのだそうだ。
ここまで聞いて、佐竹にはピーンときた。
そうですか!ご安心ください。貴女方の事は、俺達柔道部が全力で護りますから。
佐竹一成は、胸を張った。
此のホールのパーティー会場は、二つ有って、此度のパーティーは鳳凰の間で行われていた。
因みにもう一つは、麒麟の間である。
鳳凰の間に入ると、明かに如何わしい雰囲気が充満していた。
少し薄暗い照明。
生バンドの演奏なんて無く、ハチトラのテープの演奏。
そして何より、圧倒的に野郎の数が多い。
遠藤真美等が会場に入るや、ピンスポットがあたる。
どうやら、真美達がメインゲストらしい。ざわつく会場の奥から、黒のタキシードに身を包んだ、大男が現れた。
お待ちしてました、遠藤真美嬢。そしてゴールデンセブンシスターズのお嬢さん方。
一見、爽やかな笑顔を振り撒き、芦田晃一が素早く真美の手を取り、キスをしようとした。
其処へスッと、佐竹一成が割って入る。芦田晃一の腕を掴むや、
久しぶりだな、芦田晃一。去年の暮れ、関学の予選会以来じゃないか。
佐竹一成、何しにきた?
ご挨拶だな、今日は遠藤真美嬢のパートナー様だ。
会場は一気に、険悪な空気が支配していった。
佐竹一成が、パーティーの主催者の思惑を知って、何やら正義感をみなぎらせて、主催者の芦田晃一を、睨み付ける。何やら風雲急を告げる展開に!