第6話、パーティーナイト。
遠藤真美率いる、匂行動心理学研究会に俺達も入会出来るように、健一に迫る、前田敏樹と佐竹一成主将。
困った末に、遠藤真美に相談したら、意外にもアッサリ入会審査をするとの返事。
3日後の学生主催のパーティーにて、入会審査が行われる。
堀田健一が、悪友の前田敏樹と、柔道部主将佐竹一成に、遠藤真美率いる匂行動心理学研究会への入会を橋渡しするような格好になった。
健一としては、余り気が進まなかったが、友情だの、先輩後輩だの、独り占めは良くないだの言われては、断り辛かった。
取り敢えず、研究会の皆さんの都合を聞いてからと、理由をつけて、2,3日の猶予をもらった。
猶予をもらっても、気が進まないのはしょうがない。
本音を言えば、折角の秘密の花園を、荒らされたくはないのである。
一応遠藤真美に、連絡を入れて、対策を練ることにした。
遠藤真美の返事は、意外にアッサリしていた。
3日後に、近隣の大学で共催の、パーティーがあるので、そのパーティーで入会審査をしましょう。
そう言って、パーティーへの招待状を前田敏樹と佐竹一成主将へと、手渡されたのだった。
健一は、招待状を二人に手渡しながら、
一応セミフォーマルなパーティーなので、それなりの格好をしてきてください。
そう、理をいれた。
前田敏樹は其なりに、パーティーの支度には、心配ないだろうが、佐竹主将は着るものとか有るのかな?
などと、要らん心配をしていたが、いざ当日になると、全員、それなりの格好を決めてきた。
健一と敏樹は、無難にダークブラウンのスーツに身を包んできた。
問題は佐竹主将で、ナニを思ったか、ド派手な白のタキシードを来て、真っ赤なバラの花束を抱えていた。
三人は遠藤真美から指定された、パーティー会場の玄関前に、指定の時間に集合していた。
三人がその場で、待っていると、三人の前に豪勢なリムジンが滑り込んできた。
リムジンの運転手が、観音開きのドアを開けた。
中からシックなナイトドレスを身に付けた、七人の白雪姫が現れた。
遠藤真美がスッと前に進み出て、佐竹主将の目の前に、其のしなやかな右手を差し出して、
さあ、私達をエスコートして下さいな。
そう、切り出した。
佐竹一成主将は、タコを四五回湯がいた様な真っ赤な顔を、曳きつらせて、抱えていたバラの花束を差し出して、
一生懸命、パートナーを勤めさせていただきます!
何処から声を出しているのか?ひっくり返った声が、星の出始めた空に響き渡った。
学生主催のナイトパーティー。何やら妖しい雰囲気のそのパーティーで、どんな審査を受けるのか?
はたまた、何やら嵐の予感。