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死んだんじゃよ、お主は
俺、レザン村の勇者の卵ことユウキは
赤い門の前にいた。
後から知ったことだがこれは『鳥居』といい、
この施設自体は『神社』というそうだ。
「わざわざ来てもらって悪いのぅ。
立ち話もなんじゃ、入ってきておくれ」
そう目の前の金髪赤目に狐耳が生えた幼女が
俺を手招きすると、
俺の足は俺の意思と関係なく動き出した。
「わ、わわ」
そのまま俺の足は動き続け、
数段の階段を上った後、
縁側のような所の前で停止した。
「座って良いぞ。
まぁ、本当はマナー違反なんじゃがのう。
妾の社じゃ、妾の好きにさせてもらおうかの」
「何を言って」
「いいから座れ」
……座らされた。
「さて、前置きが長くなったの。
妾の名はメイ。うぬらの言うところの神じゃ」
「はぁ」
「で、なんで自分は神様の前にいるの?
とか思うじゃろ?」
「夢だからですかね」
「違うわいアホぅ。お主は死んだんじゃ」
「はい?」
「いやだから、死んだんじゃよ、お主は」




