第8話「さてさて少年の今後は如何に?」
一時間遅れました…
当たり前の様に御上の提案はそのカリスマ力も合わさって可決された。
今回の確認で分かった事が4つ、いや5つある。
一つ目は予想通りであるが無職は幟一人だという事。
二つ目は無職のせいか幟のスキル数は少ない事(『成長速度大幅上昇』と『言語翻訳』は全員持っていた。)。
三つ目は『解析』持ちは幟だけでなく他にも少数だが何人かいる事。
四つ目は幟のステータスの数値は何個か負ける項目があったりもするが、平均値という点では御上に次ぐ実力だという事(精神力は幟と守以外100前後だった)。
そして最後に守の人気はやはり高いという事。
「やっぱ羽鳥くんってステータス高いんだね。」
「やっぱって何だよ?」
「だって羽鳥くん、体育の時とか目立たない様に手抜いてたでしょ?あといつも冷静に周りを見て対処してた。その証拠に精神力なんて僕の7倍以上あるし。」
(こいつ…そんな事まで気付いてたのかよ。)
ちなみに颯助のステータスはこんな感じだ。
名前 :高梨颯助
天職 :水魔法士
レベル:1
種族 :人間
HP :700/700
MP :1500/1500
攻撃力:90
防御力:80
体力 :40
筋力 :50
敏捷力:60
精密力:80
精神力:70
知力 :120
【スキル】
槍術Lv1
水魔法Lv1
解析Lv1
成長速度大幅上昇Lv1
言語翻訳
そう颯助もまた少数である『解析』持ちである。
「でも『天職』なしだぞ?王女も言ってたろ「天職は俺達の最大の武器」って、おまけにスキルも少ないしな。」
「いやいや、僕らの界隈ではこうゆうのはテンプレでね。この後辛く厳しい出来事を経験して最強へと至る。っていう王道パターンなのさ!羽鳥くんは巣籠さんとの【福音】も合わせて絶対主人公になってる人だよ!」
「……高梨、お前現実とフィクションは別けような。」
「酷いな~。よく言うでしょ現実は小説よりも奇なり。って、そして僕はその主人公の友達A!結構おいしい役回りだよ。何より早々死なない!」
「……そういうのって確かフラグって言うんじゃなかったか?」
「フラグはそれを指摘した時点でフラグじゃないんだよ。」
「さいで。」
ふふんと胸を張りながら言う颯助を適当に相手をしながら幟は周りの反応を伺う。
大体の生徒達は周りの者と比べて自分がどの程度なのか一喜一憂したりしているが、一部の女子は守のステータスプレートを見てキャッキャッ言っており恐らく幟との『魂の絆結』を間近で見て恋愛大好きな乙女心を刺激されたのだろう。
そして大体に含まれない殆どの男子生徒達は幟を狙うかの様な目をして遠くから見据えている。
「羽鳥くん、僕ここから離れちゃダメかな?」
「好きにしろ。巻き込まれる謂れはないだろ?」
「その言い方は逆に離れ難いんだけど…。」
今回の件で自分達のステータスを全員で共有した。
つまり幟が無職である事も戦闘向きなスキルがない事も知られているのである。
いくらステータス数値が高かろうとどうという事もないし、最悪人数で囲めば何とかなると考えているのである。
そしてこういう時動く奴はいるもので、
「おい、お前。」
「…何か様か?」
話しかけて来たのは馬場辰治。茶髪に染めた御上には及ばないもののイケメンで俺様風な感じが女子に人気らしい。
「お前、巣籠に何したんだよ?」
「めんど」
思わず小声ではあるが、本音が漏れてしまった様だ。
「あん?」
「いや、別に何もしてないけど?」
「どうせ弱みでも握ってんだろ。じゃなきゃお前なんかに巣籠が告る訳ねぇだろうがよ!」
ドンッ
そう言いながら馬場はさっきまで食事をしていたテーブルを軽く蹴飛ばした。
何人かの生徒はこちらの様子に気付き、遠目で見ている。
いちいち全員のステータスを見てないので『解析』を使って馬場のステータスを見ると、
名前 :馬場辰治
天職 :闇魔法士
レベル:1
種族 :人間
HP :1100/1100
MP :800/800
攻撃力:40
防御力:70
体力 :150
筋力 :100
敏捷力:70
精密力:30
精神力:100
知力 :60
【スキル】
短剣術Lv1
暗殺術Lv1
闇魔法Lv1
成長速度大幅上昇Lv1
言語翻訳
(うわ~闇討ちとか得意そ~。)
「そんな事言われても俺昨日までろくに巣籠さんと話した事ないんけど?」
「んな訳ねぇだろうがよ!」
そう言いながら馬場は胸ぐらを掴んで幟を無理矢理立たせる。
流石に異変に気付き他の生徒も気付いた様だ。
「おいおい何してんだよ。平和的じゃねえなぁ~。」
そう言って幟と馬場の間に入ったのは織田昌道。バカでお人好しの性格のせいかこういう場合には必ず割って入る。
「ちっ、しらけた。」
そう言って馬場は幟の胸ぐらを離して食堂から出ていった。
(面倒な事になったもんだ。)
「よぉ、羽鳥!モテモテじゃねぇか!!」
馬場から解放された幟であったが次は織田に絡まれる。最もさっきとはまた違う種類の物であったが。
「別にモテても嬉しくねぇよ、織田。」
ある意味では一番信頼している織田なのもあって少し砕けた態度な幟。
首に回された腕をタップしながら反論する。
「おいおい、連れねえなぁ。それよりステータス見たぞ!『勇者』なんて天職貰った晴輝は兎も角、天職なしのはずのお前のステータス値なんだよ。チートか?お?あの巣籠からも告られるしチーレムなのか?おいおい?」
少しウザくなってきた。
ちなみに織田は雑食だ。面白そうな物ならスポーツだろうが文学だろうが手を出す。
「まあ、チートやらチーレムかは知らんが、お前の知力よりかは増しだわ。」
名前 :織田昌道
天職 :拳脚闘士
レベル:1
種族 :人間
HP :1600/1600
MP :400/400
攻撃力:180
防御力:160
体力 :120
筋力 :150
敏捷力:60
精密力:20
精神力:100
知力 :3
【スキル】
格闘術Lv1
身体回復上昇Lv1
闘気Lv1
成長速度大幅上昇Lv1
言語翻訳
明らかに脳筋のパワーファイターだった。
「おいおい、それを言うなって。みんなに俺のバカがバレて焦ってんだよ!」
「アハハ、大丈夫だよ。みんな既に知ってるから。」
「高梨ぃ!!言ったな~!」
やっと颯助を追いかける為に解放され幟は椅子に座って落ち着ける。
(さて、これからどうするかね。)
一応見比べる為に幟のステータス置いときます。
名前 :羽鳥幟
天職 :なし
レベル:1
種族 :人間
HP :1000
MP :1000
攻撃力:100
防御力:100
体力 :100
筋力 :100
敏捷力:100
精密力:100
精神力:500
知力 :100
【スキル】
解析Lv1
成長速度大幅上昇Lv1
言語翻訳
【福音】
魂の絆結(巣籠守)