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第12話「動き出した針は戻せない。と誰かが言った。」

 突然、世界が逆さまになり重力に従って落ちた。

 バタバタッ

「なっ」

「うっ」


「っ!」

 打ち付けた身体の痛みに気を取られそうになるが、自分が魔物に囲まれていた事を思いだし無理矢理起き上がる。


「は?」

 しかし回りには魔物どころか幟と雪音以外誰もいない。場所も先程までいた9階層に似ているが、道が狭くなっている様に感じる。


「これって…。」

 周囲の異変に気付いた雪音も腰を落とした姿勢ではあるが起き上がり、状況を確認した様だ。


「先輩、一体これはどういう事なんでしょう?」

「さあ?俺も分からない。」

 唯一近くにいた幟に問いかけるが、返答は冷たい一文だけ。


(あれ、今……突き放され…た?)

 基本的に後々の面倒を考えて社交辞令程度の会話と愛想はいれるが、今ここでそうする必要は一切ないと考えた幟は生来の突き放す様な態度になった。幟から言わせればただそれだけの事なのである。


 幟の突然の変化に混乱している雪音を放置して手元の原因と思われる物を見る。


 名前 :なし

 レベル:3

 種族 :ムーブフォックス

 HP :34/42

 MP :614/1200

 攻撃力:4

 防御力:5

 体力 :10

 筋力 :4

 敏捷力:22

 精密力:77

 精神力:12

 知力 :121

【スキル】

 空間魔法Lv1


(なるほど…な。)

 スキル欄に『空間魔法』の文字がある。転移石に使われている魔法もまた『空間魔法』である。自分達が如何にしてあの窮地を脱し、今現在ここにいるのかだいたいであるが把握した。


 次に上を見上げる。

 現在、グルセーヌ迷宮内にいる事はほぼ間違いないだろう。

 なら今は何階層であるか?

 それはだいたいであるが解る。


「ちっ。」

 計算した結果に思わず舌打ちが漏れる。


 現在、最低でも150階層(・・・・・・・・・)


 その結果に愕然とならない方がどうかしているだろう。

 計算方法はいたってシンプルだ。

 報告こそしてはいないが幟と守の【福音】『魂の絆結』は言い伝え通り相手の状態が離れていても解るのだ。それは距離や方角といった位置情報も含まれ、長さも感覚で解る。

 このグルセーヌ迷宮の天井から床までの長さは(少なくとも1~9と現在の階層は)全部だいたい一緒であった。そこから床と天井の間の厚さを加算してどれだけ多めに割ったとしても150階層が最低ラインという訳だ。


 悩んでも結果は変わらないので思考の方向を変える。

「おい、狐野郎。助かった事には感謝するが…」

 ムーブフォックスを握っている手に力を入れていく。


「入り口まで送って貰おうか?」

 その声に怒気は含まれていない。ただただ無感情に、相手を追い詰める様に。


「キュッ!」

 少しずつ増していく圧迫感に不味い状態だと悟ったのか逃げる様にもがきだした。


「キュッ、キュキュッ。キュー!」

 一向に弛まない拘束に観念したのか、はたまた無表情の幟の顔に恐怖したのか、段々とムーブフォックスは抵抗をやめていく。


「…。」

「キュゥ…。」

 ついに諦め、抵抗をしなくなった。


「よし、それじゃあさっさと送って……何だ?この音。」

 完全に抵抗しなくなったのを確認し、改めて"お願い"をしようとすると何かの音を察知した。


「音…ですか?」

 幟の態度に困惑して隣で様子を見守っていた雪音が反応するが、こちらは聞こえていない様だ。チラッと雪音の様子を見ながらそれを確認するが、段々とその音は大きくなっている様に感じる。


「クソっ!お前が何かしやがったのか!?」

『空間魔法』は貴重故にあまり能力が知られていない。よって『空間魔法』による攻撃をムーブフォックスが行っていると考えたのだ。


「キュウー!!」

 だがムーブフォックスは誤解だと言う様に必死に訴える。


 しかしその音は既に許容できる段階を越えており、空いている手で片耳を塞ぐが音は小さくなる所かま(・・・・・・・・・・)るで音源が耳の中にあ(・・・・・・・・・・)るかの様に反響するか(・・・・・・・・・・)の如く大きくなってい(・・・・・・・・・・)()


「あぁん!?違うって!?もういいからさっさと入り口まで運べ!!」

 他の魔物からの攻撃を考慮し、こんな階層で魔物に出会うなどたまった物ではないと運ぶ様命令する。


「キュッキュキュッ、キュー!」

「移動できない、って!ふざけんな!!」

 必死に鳴くムーブフォックスに対し、音によって頭が割れそうなのも合わさってついにキレる様に怒鳴り出す。


「─っぱぃ。先─い!先輩!!」

 謎の音に遮られて気付かなかったが、雪音がずっと呼び掛けていた様だ。


「ぐっ……何だ!?」

 音による頭の痛みは最高潮に達しているというのに意識して聞けば何故か雪音の声ははっきりと聞こえた。


 しかし、それは場を変える決定的な言葉となった。


 ───悪い意味で。




「もしかして先輩、その魔物の言葉が解るのですか?」


 その瞬間、音が止み、内側から痛みが飛び出した。

これから引っ越し準備で更新が遅めになることが多くなると思います。

ご迷惑をおかけしますが、何卒ご容赦を…。


それとタイトルとあらすじを変えたいと思います。

元々あらすじはプロットで適当に書いたのをちょっと弄ってコピっただけだし、タイトルはさっさと投稿したくてその場で思い付いたのを付けただけなので思い付きしだい変えます!おそらく偏愛支配者アウトカーストの部分はそのままです。

では、また次回に!

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『命は皆、平等とかなんとか言ってるけど主観入るから平等ではないよね。』
もよろしくお願いいたします。
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