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第10話「そういえば思い出してみるとこの時彼女は緊張していた気がする。」

 グルセーヌ迷宮。

 ロッドンベール王国の王都に隣接して存在し、魔物の素材や稀に見つかる魔具などで王国の発展に大きく貢献している場所である。

 全300層あると言われており、現在の最高到達層は89層。

 下の階に行くほど魔物は強くなり、10層毎にボス部屋があり強力な魔物がいる。


「明日、そのグルセーヌ迷宮にお前達に潜って貰う事にした!」

 そう前で声を上げているのはこの国の聖騎士長、ジェノスだ。

 この一ヶ月間幟達に戦いを教えた教官でもある。


 ジェノスの発言に対し、訓練所にいた生徒の殆どが暗い陰を落とす。

 ここ最近ずっとこの調子である。召喚された当初は自分達に物凄い力があると言われて自信付いていたが、いざ魔物との戦闘訓練が始まると怖じ気づき、すっかり活力がなくなってしまった。


 当初はイケメンの御上やみんなの委員長の綾が士気を上げようとしたが、結局は無駄に終わった。


「まだ、一ヶ月しか訓練をしていないのに大丈夫何でしょうか?」

 全員の気持ちを汲んでか綾が代表してジェノスに問う。

「いや、逆にここら辺だともうお前らのレベル上げは限界だ。迷宮と違って森なんかの魔物はどうしても雑魚ばかりになっちまう。何、心配するな明日は入り口付近しか入らないし、俺達聖騎士の護衛もある。」

「そうですか…分かりました。よろしくお願いします。」

 結局はいつも通り護衛も付くという事で了承する様だ。


「大丈夫。何かあったら僕が守ってあげるよ、綾。」

 迷宮へ潜る不安を察してか御上が綾にそう呟いた。

「あっ、えっと…ありがとう御上くん…。」


「それじゃあ、今日の訓練は休みとする!明日の為にしっかり身体を休めておけ!」


 ♂♀


 次の日の朝、70名の生徒が迷宮行きを辞退した。迷宮行きとなったのは残りの45名だけとなり、5人1組の計9組にグループ分けをしての行動となった。


(今日の攻略の結果によっては更に減るだろうな。それよりも…)

 幟はチラッと自分のパーティーメンバーを見ながら「どうしてこうなった。」と頭を抱えた。


「あっ、あの。始めまして私、桜小路雪音(さくらこうじゆきね)と言います。」

 これからどうするかを考えているとパーティーメンバーに声をかけられた。


 声をかけたのは召喚組唯一の中学生、桜小路雪音。中学生らしい童顔に高校生組を超える巨乳というアンバランスさをもたらしているが、かなりの美少女だ。

 ツーサイドアップの髪型が丁寧にされたお辞儀と供にピコピコ揺れている。


「始めまして羽鳥幟だ。そんなに畏まらないでくれ、知ってるだろ?無職でステータスすら上がらない劣等生なんだ。」

「いっ、いえ、そんな事無いです!!レベルが上がってもステータスが上がらない何て私だったら絶対閉じ籠ってます!それなのに迷宮にまで参加して頑張ってる先輩は尊敬します!私なんか後ろの方で支援しかできませんし…」

 つっかえながらも少し興奮した様に次々と喋りだす雪音。結われた二つの髪も興奮を現す様に動いている。


(これでお世辞とか媚びだったら対処が楽なんだがなー。)

 どうも幟の目にはこの少女が世辞や媚びで言ってる様には見えず、しかし王女さえ見抜いた自分の目が見紛うとも思えない。


「はっ、す、すみませんでした。少し興奮してしまって…でも先輩は本当に凄いと思います。」

「…ありがとう。そういって貰えると嬉しいよ。それじゃあまた後で。」

「はっ、はい!」

 長話をしても良い事はないので適当に話を切り上げる。


 幟のグループのメンバーは『福音』の効果もあるからという理由で(守が無理矢理組み込んだ)巣籠守、その親友という事で我妻綾、綾が同じ茶道部で同級生もいないという事で桜小路雪音、これ以上他の奴が入ったら面倒な事この上ないので幟が無理矢理いれた高梨颯助といった面子だ。


「ねえ、羽鳥くん。僕このパーティー抜けたいんだけど。」

「高梨、良かったじゃないか美少女揃いのパーティーで。なんなら俺が抜けてハーレムを満喫するか?」

「僕はモテたいとは思うけど男子からの嫉妬に耐えられる程の度胸は持ち合わせてないよ。そもそも羽鳥くんが抜けたら巣籠さんも抜けて芋づる式で意味無くなると思うけど?」


 このパーティーは美少女揃いの高嶺パーティーだ。男子の誰もが異議を申し立てた。だが守も譲らず、綾が守と親友同士なのは周知の事実であるし、雪音も唯一の知り合いである綾と引き離すのは躊躇われた。

 なので現在幟と颯助の居心地はすこぶる悪い。


 ちなみにこのパーティーは全体の真ん中に位置しており、最も安全な位置取りと言える。

 その理由は綾と雪音の『天職』にあった。


 名前 :我妻綾

 天職 :指揮者

 レベル:21

 種族 :人間

 HP :2357/2357

 MP :3713/3713

 攻撃力:149

 防御力:206

 体力 :148

 筋力 :90

 敏捷力:147

 精密力:123

 精神力:100

 知力 :280

【スキル】

 棒術Lv2

 風魔法Lv2

 土魔法Lv1

 統率Lv4

 指揮Lv2

 成長速度大幅上昇Lv1

 言語翻訳


 名前 :桜小路雪音

 天職 :付与士

 レベル:8

 種族 :人間

 HP :807/807

 MP :2594/2594

 攻撃力:27

 防御力:102

 体力 :35

 筋力 :18

 敏捷力:85

 精密力:210

 精神力:70

 知力 :210

【スキル】

 水魔法Lv2

 風魔法Lv2

 付与魔法Lv4

 MP自動回復上昇Lv2

 状態異常回復上昇Lv1

 成長速度大幅上昇Lv1

 言語翻訳


 綾は『指揮者』という天職で『統率』や『指揮』で仲間の士気を上げ、連携力を上げている。まとめ役たる綾に相応しい天職と言えよう。

 雪音は『付与士』という天職で『付与魔法』で仲間の能力を底上げし、支援している。

 ちなみに綾のレベルが高いのは『指揮』は使用した仲間の経験値を得る事が出来るからであり、逆に雪音が低いのは支援型でありながらそういった効果がないからである。


 よって綾と雪音が仲間を支援しやすく、安全な全体の中心が調度良いのだ。

 守も『念動操作』で遠距離での攻撃に問題無いし、高梨も槍という中距離武器で、本職は『水魔法』だ。

 幟も一応『水魔法』があるし、"以前の様に"パクれば良い。


 幟は天職なし、魔法適当なし、伸びしろなしとおおよそ戦える様な人材ではなかった。

 しかし見よう見まねで『スキル』を使用すれば何となくで修得できるのだ。無論、難易度は異なる。『生活魔法』などありふれた魔法は兎も角、他の魔法はどれも修得しづらく、『水魔法』も颯助に付き合って貰いようやく手にいれた。守の『念動操作』など国の文献にも載っていないエクストラスキルの様な物はどんなにやっても覚えられなかった。


 話していると騎士達の準備も整った様だ。

「さてお前ら!準備は出来たな!これよりグルセーヌ迷宮に突入する!」

 初の迷宮へと足を踏みいれた。

何とか23時には間に合った…20時にするつもりでしたが(・・;)

やっと雪音ちゃんが登場しました!!唯一の中学生というプレミア感半端ないキャラです!しかも高校生組を超える程のロリ巨乳…作者の業が深いですね。

ちなみに雪音ちゃんの攻撃力等が低いのは初期値が低い為です。


それと高梨くんなどのHPとMPが一桁少なかったので修正しました。

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『命は皆、平等とかなんとか言ってるけど主観入るから平等ではないよね。』
もよろしくお願いいたします。
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