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第1話「ここから始まった面倒な出来事。」

 宮殿の謁見の間。

 そう言われて明確に想像できる者が現代日本人の中に何人いるだろう。


 俺は世界史あるいは美術の授業中に暇潰しに眺めていた記憶がある。ちなみにああいった物は資料集なんかに載っていたりするのに教師からの説明はなかったりすることが非常に多い。

 話を戻すが宮殿の中というのは金や銀での装飾や紅い絨毯で彩られ貴賓さが滲みでており、"実際に"見てみると美しい模様などが彫られていてなかなかどうして引き込まれる物がある。


 さてさてどうしてそんな話をしているかと言うと───

「この国をお救い下さい。」


 どうも厄介事っぽい。


 ♂♀


 私立和佐美中等教育学校屋上。

 普段は封鎖され、教職員以外の立ち入りは厳禁の場所。屋上に唯一通じる東階段は人の気配も少なく屋上の扉の前まであるなら誰でもいけるだろう。


 その入る事が出来ないはずの屋上で昼休み、お弁当を食べる者がいた。

 名を──

 ガチャ

「お待たせ~。の~ぼりっ!」

 名を羽鳥幟(はどりのぼり)という。

「……。」

 彼は屋上に新たに来た少女、巣籠守(すごもりまもり)を無視しながら黙々と食事をしていた。


 無視をされた守は少し考えると喉を整え、

「…ふむ、んっん。ダ~リン♥無視しちゃやだぞ♪」

 と抱きつきながら耳元で囁いた。


 ゾワ

 ゴンッ


「痛い。普通に痛い。」

「いや、お前メッチャゾワってしたから。鳥肌凄いんだけど。」

「それはそれで文句言いたいけど、私みたいな美少女に普通マジ殴りする!?」

 今でこそ守は殴打をくらった額を押さえて床に転がるという淑女らしからぬ行動をとっているが、守は正真正銘の美少女だ。

 胸こそ小さいが、髪の一部を三つ編みしたのが特徴的なロングヘアーで学年でも一二を、いや学校でも一二を争うレベルだ。他校の男子からもよく言い寄られる。


「いや、だからこそ(・・・・・)ゾワってしたんだが。」

「まだそんな事言ってるの?いい加減私を受け入れちゃいなよYOU!」


 羽鳥幟は美人嫌いだ。

 別にブス専だとかそういう事ではない。本人曰く「美人は自分の容姿を利用して男を、ひいては同性の女までも手玉に取り遊んでやがる。もちろん、そんな奴ばかりではないのは解ってる。だがしかしあいつらは災厄の種だ。少しでも仲が良いと男子から嫉妬を受け、厄介な事になること必至。だから俺は美人は嫌いなの。」という事らしい。


「だいたいお待たせってなんだお待たせって。俺は食事は黙って食いたいからここでボッチ飯なんだが?」

「え~、ここの鍵を誰が、誰がプレゼントしてあげたのでしたかな?かな?」

「色々と二回言うな鬱陶しい。その礼はもうしてやったろ。」

「アレだけじゃ足りないよ~。…もっとシよ?」

 そう言いながら幟の視線に回り込み角度、高低差、顎に置かれた手、潤んだ瞳、全て計算された完璧な上目遣いで思春期まっただ中の男子高生なら勘違いしまくりな台詞を言う。


 対して幟は

「…はぁ。」

 完全に呆れていた。


「ちょっと流石に酷くない?くない?…こうなったらいつもみたいに熱いキ」

 キィィィィイン

 耳が引き裂かれる様な音がした。


「うっ」「いっ」

 突然の現象に困惑するより先に耳を塞ぐ。が、塞いでも音は小さくなる所かまるで音源が耳の中にあるかの様に反響するかの如く大きくなっていく。


 そして更なる奇怪な現象が起きる。

 ピキッ

 バコ

「はっ!?」「なっ!」

 屋上の床に亀裂が走り、一気に崩壊した。


 屋上に座って食事をしていた二人に避ける事など出来るはずもなく重力に従って落ちていく。

 咄嗟の判断で近くにいた守の腰に右腕を通して抱き寄せ左腕で頭をガードする。

 ガラガラガラ



「ごほっ」

 崩れ落ちた屋上床を下敷きにしながら血を吐く幟。意識はほとんどない。

 左の脇腹から大量の出血をしており、肉が見え隠れしている。

(やべ、…死、ぬ。あいつは…)

 自分が抱き抱えているはずの少女の様子すら確認出来ず、意識が完全に消えそうになる。


 ピチャッ


 明らかに自分一人では流れるはずのない量の血の海の上にいるとも知らずに。


「く…そ。…が、」

 そう言いながら完全に意識が切れた。


 唇に何かの感触を感じながら。

どうもー神無です。

前から学園召喚物を書いてみたかったので連載してるもう1つの作品が完全に行き詰まったので書いちゃいました。

感想とか貰えると嬉しいです。

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『命は皆、平等とかなんとか言ってるけど主観入るから平等ではないよね。』
もよろしくお願いいたします。
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