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知識の宝庫〜異世界で上を目指す方法〜  作者: あやた
第1章 幼少期
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第九話 学園への期待

学園についての制度で学年・年齢について修正いたしました。




あれから数週間…裏庭の木が何者かになぎ倒された事件


この事件は程なくへて犯人が見つからないことや、それ以降おかしな事件も起きなかったことから結界を解くこととなった。


「今年はユリカが5歳になる年だ。4月に入る前に神殿で祝福と、学園の入学試験を受けに行こうと思う」


ロドフの提案に、うんうん!と首を上下に激しく振るユリカ。


「早いわねぇ。ユリカもあっという間に5歳ね」


この世界では5歳になる年に神殿にて祝福を受けると、アートラス神による加護が受けられる。


加護を受けた子供達は、学園の入学試験に挑戦することが出来る。


挑戦権は誰しもが与えられる訳だが、試験内容は困難を極め、狭き門である。


綾人も以前学園については調べが済んでいる。



ーーーー



[ 学園 ]検索


学園とは知力・武術・魔術を高めていく教育機関である。

所在:アインスト王国首都アインハート


試験

『入学試験』知力・武術・魔術で競い合う

『進級試験』1年の成果を試験にて評価される

『編制試験』能力によってクラス分けを行う


学園制度

『小等部』通常5歳〜10歳の5年間

『中等部』通常10歳〜13歳の3年間

『高等部』通常13歳〜16歳の3年間


クラス編制

『Sクラス・Aクラス・Bクラス・Cクラス・Dクラス』


クラブ活動

決闘大会にむけた研究クラブ

各領土の研究クラブが存在する

『アインスト・ツヴァイン・フィーリア・フンフ・ドライスト』


決闘大会

各領土を代表するクラブが武術・魔術を駆使して決闘を行う祭典



ーーーー



アインストにある学園に通うとなると寮生活となる。


ユリカ姉さんには合格してもらいたいが、この家から出て行ってしまうとなると寂しいものである。


「神殿は4月に入ると忙しくなるから、早めに言った方が良いわね」


「明日には向かおうと思う。留守の間はガウルのところに家は任せているから」


「初めての家族旅行ね!」


楽しそうに話すロドフとリーナだったが、話が進んでいくにつれユリカの元気がなくなっていく。


「どうしたユリカ?…もしかしてどんな加護になるか不安なのか?」


加護については任意で選べるものではないし、取得した加護によっては人生を左右されると言っても過言でない。


「だって…もし武術系の加護じゃなかったら…」


(いつも元気でうるさいくらいのユリカ姉さんが泣きそうだ!)


「大丈夫よユリカ。ユリカはパパとママの子供だもの。すてきな加護がきっと授かるはずよ」


加護というものは、任意で選ぶことは出来ないが、両親からの影響を受ける傾向が多い。


「そうだぞ!ユリカ…パパは剣術士に双剣士と赤魔術師の3つ」


「ママは、槍術士と格闘士に黒魔術師・白魔術師の4つ」


ロドフは前衛的な加護を3つ、リーナは前衛もこなせる上に攻撃魔法に回復魔法とオールラウンダーな才能を持ち合わす。


「そっか!ママのがパパより強いのね!」


合ってはいるが、そんなに核心をついたことを言ってはダメだ。


そんなことを言ったら…ほらみろ。


「…そうだよ。パパはママより弱いんだ。あのときダンジョンで怪我した俺を…」


娘に核心を突かれた父ロドフは、見るからに落ち込んでいる。


「ママの加護が貰えたらいいなぁー」


武術の合間に、魔術についてもしっかりと鍛錬を受けていたユリカ。


(僕から見ても魔術より、武術の才能のが姉さんは高い気がするんだよな)

アインスト王国に向かう前日も和気あいあいとした空気が流れている。



ーーーー



雲一つない快晴の日。


今日はアインスト王国の首都アインハートに向かう。


朝早くから慌ただしく準備をしている母リーナ。


「1泊なのになんでそんな荷物を持っていくんだ!?」


リーナは旅行鞄を5つも6つも部屋から持ち出してきた。


「なんか文句あるの!どうせマジックバックに全部入れるんだから問題ないでしょ?」


もはや文句に対して疑問系で返すのではなく、にらみを効かせるだけだ。


(ユリカ姉さんの強気は、リーナ母さん譲りだな。うん。)


勝手に納得して、一人うなずく赤ん坊の綾人。


外に出ると、シュガー家のみんながお出迎えしてくれていた。


「おはよう」


「おう、おはよう。朝から悪いな」


「いいってことよ。ユリカちゃん頑張ってきなよ」


ガウルとローラがユリカの頭をなでる。


「うん!絶対に良い加護を貰って、入学試験もトップで合格してくるんだから!」


「おー、そりゃ合格したら盛大にお祝いしないとな!」


(ユリカ姉さん…昨日の緊張が嘘みたいだな。やっぱ脳筋…)


「ガウルのおじちゃん!合格したらドラゴンのお肉が食べたい!」


この世界には山奥にはドラゴンがいる。


もちろんモンスターの中でも最強クラスだ。


市場に出回ることは数十年に一度、そんな肉を食べるのか…


「おう、任せとけ!おじちゃんが仕留めてきてやる」


(なんだかガウルおじちゃんなら…出来る気がしてしまう)


あの筋肉は最近さらに分厚くなったんじゃないだろうか?


ロドフが細く見えてしまう。


「ユリカったらそんな無茶お願いして!」


「あははは!じゃあ、ドラゴンは頼んだよ」


「馬鹿野郎!さすがに俺一人じゃ無理だ!ロドフ、お前も一緒だ!」


『ごつん!』


ガウルがロドフの頭を小突くと、頭をたたかれたとは思えない音がした。


(お互いどんな頭と、拳をしてるんだよ)


あきれた綾人はおかしなことに気づく。


(そういえばアインスト王国ってここから結構離れていたよね?)


アインスト王国と綾人達のいる地方は、馬でも3、4日はかかる。


(ロドフは1泊って言っていたけど、どういうことだ?家には馬は1頭しかいないし…)


『ピーーーー。』


ロドフとリーナはそろって小さな笛を吹いていた。


笛を吹き終わると、マジックバックから骨付きの大きな肉を取り出し、空に掲げた。


『キィィィィーーー』


どこからともなく甲高い鳴き声が聞こえてきた。


それに遅れて、快晴の空に2つの点が大きくなりながら近づいてきた。


大きな羽が見えてくる…


(あれは…飛竜!?え、え、え?)


「あれに乗って行くぞ!」


「わーい!」


混乱する綾人をよそに、ユリカは興奮気味だ。


「ユリカちゃんは驚かないだなー」


「だって、前に一緒に遊んだことあるもん」


舞い降りてくる飛竜に抱きつくユリカ。


(おいおい。大丈夫か?3mくらいあるぞ?)


飛竜はドラゴン系のモンスターの中では最小とはいえ、他のモンスターと比べれば強さは歴然の差がある。


「アヤトもドラゴンを見て泣かないのか!将来有望だな!」


普通、大の大人でも泣き出しそうなドラゴンの登場にも涙一つ見せない綾人を褒めるガウル。


「当たり前だろ!俺とリーナの子だからなーとか言ってるが、サーラちゃんも泣いてねぇじゃねぇか」


ローラの腕の中で抱きかかえられているサーラは、いつもと変わらずキャッキャッと騒いでいる。


(僕は前世の記憶もあって、精神年齢が高いおかげだけど…サーラすげぇな)


出かけるだけでひと騒ぎが起きたが、シュガー家のみんなに手を振り、2匹の飛竜にまたがって目的地へと向かう。



ーーーー


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