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知識の宝庫〜異世界で上を目指す方法〜  作者: あやた
第2章 学園〜小等部〜
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第三十三話 目指す道

午後の授業を終えてフラフラと歩いているアヤトとジェルマン。


今にも倒れそうな2人は教員室に向かっていた。


先程まで魔術の授業を受けていたのだ。


魔術の授業はMPを使うことが多いため、午後の授業時間に組まれることが多い。


エマ先生の授業であれば、ここまでの疲労はしていないであろう。


リーナの容赦ない指導により、MPは枯渇ギリギリだ。


青い顔をしているアヤト達に魔法を放てる余裕は無い。


お互い支えあいながら歩くので精一杯だ。


「先生…これ朝にもお願いしたダンジョン探索の許可願いです」


朝には1枚であった申請書には、もう1枚の紙も付随している。


「…こっちは?」


ダンジョン探索許可の申請書とパーティー登録の申請書だ。


「結構人数が集まりまして…」


「ずいぶんと偏ったパーティーね」


エマがそういうのも納得である。


現在『知識の宝庫』のバランスは大幅に前衛に傾いている。


「パーティーはバランスも大切よ」


確かに7人中5人が前衛はあまりにもバランスが悪い。


「あまり前衛が多過ぎると、仲間の距離感が近過ぎて上手く立ち回れなくなるのよ」


エマはアドバイスをしながら用紙を修正していく。


「こんな感じはどうかしら?」



ーーーー



『知識の宝庫』


前衛:ルナ (格闘士)

   リリー(格闘士)

   サーラ(剣術士)

   

中衛:ジェルマン(剣術士・魔術師)

   リザ (槍術士・魔術師)

   

後衛:アヤト(剣術士・魔術師)


遊撃手:ハナビ(双剣士)



ーーーー



エマの修正したパーティーには、新しく中衛が存在した。


「ダンジョンではバックアタックや囲まれる場面も出てきてしまうの」


まだダンジョン未経験の2人はエマの話を大人しく聞いている。


「その場合でも後衛に回れる人材を配置しておくのは重要よ」


いざとなればアヤトが刀を使い前衛となることも可能だ。


「この中でも武術と魔術のバランスが良い…この2人が理想ね」


武術と魔術のバランスの良いジェルマンとリザ…この2人は相性も良い。


何かとリザの考えの先を予測しているようなジェルマン。


(エマ先生もよく見てるな…)


「なるほど…確かに、予想外の出来事に備えるには陣形も重要ですね」


「これで大丈夫なら、この内容で提出で構わないかしら?」


「はい。よろしくお願いします」


無事に申請書の提出を終えた2人は教員室を後にしていく。


これを期にメンバーは、それぞれの戦闘スタイルを授業でも磨いていくことを決めた。



ーーーー



ダンジョン探索の申請書を提出してから数日が立っていた。


「どれくらい揃えたら良いかな?」


「ダンジョンに潜っていてもせいぜい1週間ってところだろ?」


「そうだな…週末の休みを利用する訳だから、週明けからは普通に授業があるからね」


「それならあったとしても1泊くらいか?」


「最初のアタックだから、なるべくその日のうちに出てきたいけどな…用意しておく分には問題ないだろう」


「人数は何人でしょうか?こちらがテント関係の品となります」


アヤトはジェルマンと一緒にメディッチ商会に来ていた。


ダンジョン探索に必要なものをアクアに紹介してもらいつつ揃えている。


この初期投資については必須事項だった為、メンバーからそれぞれお金を集めて吟味している。


まだ探索の許可は下りていないのだが、待ちきれず用意できるものだけでも揃えておこうとなったのだ。


「メンバーは…今のところ7名ですね」


「それであれば、この5名用のテントを2つでいかがでしょうか?」


(5名が2つで…10名少し余裕があるな)


「これからメンバーが増えたりしても大丈夫ですよ」


「なるほど…さすが商売上手ですね」


「いえいえ、この組み合わせの方がお得ですし、5名用のこのテントの方が頑丈で少し広いので評判も凄く良いんですよ!」


「なら、このテントにしておこうぜ!」


「でも、予算大丈夫かな?」


「これなら男と女で別々のテントにも別けられるし丁度いいからよ」


「なるほどな…」


ダンジョンでは男も女も関係なく同じテントで寝るのが、冒険者の一般的な考え方だ。


睡眠を取るときにモンスターの強襲に備えて、見張りをたてる必要もある。


7人のパーティーなら常時身体を休めることの出来るのは5人くらいだろう。


だが、そんなことを考える暇もなくアクアが元気よく「お買い上げありがとうございます」と思考を遮ってしまうのであった。


「あとは念のため、ポーションも必要だよな…」


「もしも毒とかの場合は、まだ誰も治せる魔法持ってないからな」


そんなことを相談しあいながらダンジョン探索の物資を揃えていく。



ーーーー


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