表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
知識の宝庫〜異世界で上を目指す方法〜  作者: あやた
第2章 学園〜小等部〜
31/54

第三十一話 念願

「ってことなんだけど、どうかな?」


そういってジェルマンが声をかけたのは同じSクラスの女の子『ハナビ・リン・スコット』


黒髪のポニーテール姿で大きな黒目が特徴的な女の子。


小さくて細い身体は、彼女の武器の1つであるスピードを支えている。


仲間になってくれるのであれば、ダンジョン内では遊撃手として優秀であろう。


「うん。こちらこそ鍛錬の場を提供していただけるのなら、願ってもないことだ」


「おっ、そうか!そこまで言ってくれるとは思ってなかったよ」


「具体的にはいつから始めるつもりだ?」


「うーん、まだ許可も下りてなくて、とりあえずパーティーメンバーを集めて申請が通ればってところかな?」


「では、まだ何も決まっていないのだな」


「いや、1つ決まってるよ」


ニヤニヤしながらジェルマンがアヤトの方を振り向く。


「こいつがパーティーリーダーだ!」


「えっ、聞いてないよ!」


「ダンジョン探索はアヤトの金策の一環だろ?それに誰をメンバーにしてもお前が一番強いしな」


「いや…リーダーならまとめ役や相談役の上手そうなジェルマンでもいいじゃんか」


「なら、俺はサブリーダーで構わないぞ!それならまとめ役も相談役もこなせるしな」


「ぐっ…わかったよ」


なかなかジェルマンはやり手だ。


短い付き合いだが、口で勝てる気がしない。


「では、パーティーリーダーはアヤト殿でよろしいか?」


「ハナビさん…僕のことはアヤトで大丈夫ですよ」


「ならばアヤトも私のことは、ハナビでよい」


5歳児にしては少し難しい言葉使いのハナビ。


3人がダンジョンの話をしていると、話に割って入ってくる存在がいた。


「さっきから何の話してるの?」


「私たちも仲間に入れてよ!」


話しかけてきた存在は、アヤトが学園に入ってきた時から気になっていた存在だ。


しかし、小さい頃からあまり人との交流の幅が広くなかったアヤト。


自分から声をかける勇気はなかった。


パーティーリーダーになるのも、あまり表舞台に立ちたくない気持ちもあったので断りたかったのが本音である。


「ねーねー、何楽しそうにしてたの?」


アヤトの両腕に抱きついてくる2人。


「…いや、ダンジョン探索の話をしててね」


嬉しい反面、あまり慣れない状態に緊張を隠せない。


助けを求めようとジェルマンに視線を移すと…悪い顔のジェルマン。


(これは絶対に助けてくれない…)


「ダンジョン探索?えー凄く面白そう!」


「行ったことないし、行ってみたいね!」


2人の中でどんどん話が盛り上がっていく。


「アヤトくん達はダンジョンにいつ行くの?」


「…いや、まだ行けるって決まった訳じゃないだよ」


「えー行かないの?」


「行きたいんだけど、まだ申請段階なんだ」


「えー勝手に行っちゃダメなの?」


右手にしがみついている女の子が、畳み掛けるように質問してくる。


「学園から許可が無いとダメなんだ。勝手には行けないんだよ」


「そっか…」


明らかに落胆する女の子。


「でもその解決案を話し合っていたんですよね?」


冷静に観察していたのであろう、左腕に抱きついている女の子。


「ああ、現状ではダンジョン探索の戦力が足りていないんだ」


「なら、私たちもそれに入れてよー!」


「よろしくお願いします」


「…いいの?」


あっけなくメンバー入りを果たした2人。


彼女達の実力は、授業で確認済みだ。


『ルナ・クロ・ホーバット』『リリー・クロ・ホーバット』2人はそっくりな双子。


その2人にはアヤトには無い特徴がある。


猫耳・尻尾の獣人族の女の子なのだ。


獅子の獣人族らしく、つり目の可愛い2人。


姉のルナは、金髪ミディアムで少し落ち着いた性格。


妹のリリーは、金髪を無造作に短くまとめた元気いっぱいの…少しお馬鹿さんって印象だ。


可愛らしい見た目とは裏腹に、戦闘スタイルは獣人族の特有の格闘士。


これでアヤトとジェルマンの2人だったパーティーは5人まで増えていった。


前衛はルナとリリーの格闘士、その少し後ろには剣術士のジェルマン。


飛び道具も使える遊撃手のハナビは小さな短剣2本を操る双剣士。


それに前衛も後衛もこなせるオールラウンダーのアヤト。


このパーティーでは後衛での魔術師の位置になるだろう。


順調にメンバーを増やすことが出来たアヤト達は1時限目の授業の準備をする。



ーーーー


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ