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知識の宝庫〜異世界で上を目指す方法〜  作者: あやた
第2章 学園〜小等部〜
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第三十話 金策

重たい身体を起こし、ベッドから起き上がる。


殺風景な部屋には無駄なものは一切無い。


「あーよく寝れた」


何も無い室内は声がよく響く。


「体調も…問題ないようだな」


昨日、寝る前に飲んでいたブルートポーションが効いたのか、体調はいつもと変わらないような感じだ。


1人で寝れたことも良かったのだろう。


「しかし、何かあった時の為にもお金が必要だよな」


いつ怪我をしたり、身内に殺されかけるかわからないアヤトはポーションにお世話になることは多いだろう。


怪我くらいであれば『ヒール』で治すことは可能だ。


しかし、MPや毒などには対応していないためストックは必要だ。


「その資金源が…」


この世界では大きく別けて3つの稼ぎ方に分かれる。


1つ目は、商会の運営やそこに雇ってもらうのが一般的だ。


2つ目は、ギルドのクエスト報酬やモンスター素材の売却、冒険者ならではの方法。


3つ目は、国や貴族に士官し、文官や騎士として職務に付く。


これにアヤトならではの方法が追加される。


前世の技術をこの異世界で展開していくことだ。


検索の加護を使えば、アヤトの経験の無い分野でも再現が可能となってくる。


しかし、この方法には元手が必要だ。


その元手をまずは稼がないといけない。


「どうしようかな…誰かに相談してみるか」



ーーーー



「…ということなんだ、何か方法ないかな」


Sクラスの3人しかいない男の子、その内の1人ジェルマン。


最近は何かと一緒にいることの多い2人。


「そうか…お金をね…」


朝食を食べながら考えるアヤトとジェルマン。


「まだ俺たちだと稼げる仕事も少ないよな…」


「そうだよね…難しいか」


「アヤトの力ならダンジョンに挑戦してみるのもいいんじゃないか?」


ジェルマンからの1つの提案。


「でも、姉さんが僕にはまだダンジョンは無理だって…」


「そんなことは無いと思うよ、実力的には申し分ないし…あとは学園の許可が下りればってところだね」


学園の管理するダンジョンには学園の許可か、各国代表になる必要がある。


「さっそく今日にでも先生に申請してみようぜ」


なんとか金策に一筋の光が見えてきた。



ーーーー



「どうですか?許可を貰えませんか?」


エマに1枚の紙を提出して、ダンジョン探索の許可を貰っている。


「そうね…アヤトくんの強さは十分知っているけどね」


あまり雲行きの良くない返事だ。


ダンジョン探索の許可を貰う為に、担任のエマに申請書を提出に教員室に来た。


「でもね、ダンジョンって強いだけではダメなのよ」


「確かにな…親父もよく言ってた、トラップとか、モンスターハウスとか危険がいっぱいだって」


ジェルマンの父は騎士としてダンジョンに潜り、モンスターを定期的に間引いたりするのも仕事として行っていた。


「そうね…何かが起きた時、1人だと対処しきれないことが多いの」


「だからダンジョンに潜るときは、どんなに強くてもパーティーを組むのが基本なの」


実際にアヤトの両親達も4人のパーティーを組んでいる。


バランスも最高の組み合わせだ。


「そうですか、僕も命には変えられませんから…今回は『ちょっと待て』」


アヤトがダンジョン探索を諦めかけた時、ジェルマンが止めにかかる。


「俺も一緒に行ってもいいかな?」


ジェルマンがダンジョン探索のメンバーに名乗りを上げる。


「でも、僕とジェルマンだと2人だよ?」


「待ってくれ、まだ俺に当てがあるから!」


そう言うと、アヤトの手を引いて走り出す。


「先生!また後でお願いに来るから!」


ジェルマンは走りながらエマに手を振る。


「こら!走っちゃダメでしょ!」


2人は教員室を後にして、Sクラスの教室に戻っていく。



ーーーー


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