↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
知識の宝庫〜異世界で上を目指す方法〜  作者: あやた
第2章 学園〜小等部〜
26/54

第二十六話 不安

窓から差し込む光に救われた気持ちになる。


長い夜が明け、朝が来たことを知らせる。


まだ陽が昇ったばかりで、朝の鐘はまだだいぶ先だ。


ベッドに横になっている女の子は寝ぼけ眼で起き上がる。


その横には男の子が横になっている。


男女が一夜をともにベッドの上で過ごした。


これが成人した男女であれば姉と弟でも危ない状態だ。


幸い5歳と8歳の子供であった為、何も起こらなかった…


女の子は日課の鍛錬だろうか、無意識のうちに身体が目を覚ましドアに向かっていく。


そのまま何も言わずに、白い上着を羽織って出て行った。


「…はぁ。ようやく眠れる」


女性は清々しい表情で、既に外を走り回っている。


男性の顔にはいくつもの痣、首には絞められた後がうっすら残る。


一度は床で寝ることを考えた。


しかしベッドから逃げようとする男の子の首に腕が絡み付く。


寝ているとは思えない女の子の的確な絞め技。


「ユリカ姉さん…寝てるときまで強すぎるよ」


被害にあった男の子は、弟のアヤト。


「今日は絶対に一人で寝よう…」


本来であればアヤトも朝の鍛錬をしている時間だ。


昨夜から強者による打撃や絞め技に耐えるという訓練を、夜通しおこなった為に今日は休みだ。


意識が勝手に遠のくアヤト…


『おはよう!』


急に部屋に入ってきたユリカとサーラは、朝の鍛錬を一緒にしてきたのだろう。


サーラの顔が凄くホクホクしており満足気だ。


「ほら、アヤトいつまで寝てるのよ!早く起きなさい」


幼馴染み叩き起こされる。


「アヤトその痣どうしたの?」


「…いや、ちょっとね」


この時、姉と一緒に寝ていたことを知られたくなかった。


『姉と一緒に寝る甘えん坊』と馬鹿にされると感じたことで、プライドが邪魔をした。


「早く行かないと食べる時間無くなっちゃうよ」


まだ重たい身体を起こして顔を洗って部屋を出る。


今日からは授業も始まる。


期待と不安を抱きながら…


(不安が9割だけどね)



ーーーー



広いすり鉢場の教室には、10人の生徒に教員が1人。


学園での最初の授業に気合いを入れて取り組むアヤト。


「本来は授業を始めたかったのですが、昨日のオリエンテーションが…」


初めての授業はオリエンテーションに変更され、エマが淡々と説明していく。


学園での授業はクラスレベルによって変わってくる。


下位クラスでは基礎的な武術・魔術に座学から行っていく。


上位クラスでは基礎を学んでいる生徒が多いため、特殊な授業カリキュラムとなっていた。


『武術訓練』

実戦訓練が中心となり、自分たちよりも上級者との戦闘で学んでいく。

各個人の加護などと照らし合わせ、スキルの取得・上達を目指す。


『魔術訓練』

実戦訓練と研究が中心となり、魔術の威力・スピード・多様性を磨いていく。

また魔術には黒・白・赤の3要素がある為、得意要素によってカリキュラムが分かれる。


『座学』

算術や社会情勢について始まり、帝王学・経営学なども学んでいく。

成績上位者は卒業後、各国の重役に付くことが多いからである。


『自習』

SクラスとAクラスのみ自習時間が存在する。

お互いの学級で切磋琢磨し自らを鍛えるもの。


「…以上が、だいたいの授業説明です。質問等はありますか?」


「はい」


「アヤトくん、どうぞ」


「授業内容の説明にあった『自習』っていうのは具体的にどういったことをするのが多いのですか?」


「そうね、9割が決闘してるわ」


サラッと答えるエマに自分の耳がおかしかったのかと疑う。


「え?聞き間違いがあったら申し訳ございません。決闘ですか?」


「間違ってないわよ」


「決闘って物騒じゃないですか…」


昨日はブラビアとの決闘で散々面倒ごとに巻き込まれた。


「大丈夫よ、闘技場には誰かしら先生が居るし、魔法で傷は治るから」


「いや、そういった問題じゃなくて…」


学園全体で決闘を認めていることに落胆を隠せない。


「いいじゃん!…燃えてきた」


アヤトから少し離れた隣には脳筋サーラがいた。


(サーラみたいな奴が他にも居たらどうするんだよ)


朝、部屋を出る時に感じた不安が早速的中したのであった。



ーーーー


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。