第二十四話 寮生活
「ここがアヤトくんの部屋よ」
学園の一室に懐かしい面々が揃っている。
この部屋の主のアヤト、幼馴染みのサーラ、姉のユリカ、ユリカの管理係のウタ。
「この部屋って…」
てっきり寮生活ということで、部屋には机とベッド位しか置けない狭い部屋かと思っていた。
だが、案内された部屋は10帖を明らかに超える広さだ。
その部屋には大きめのベッドに、木で出来たベンチのようなソファー。
壁一面に固定された大きな机と本棚。
その他にはシャワールームとトイレも完備している。
ホテルの一室を思わせる部屋が、アヤトの部屋だ。
「ここはアヤトくんの部屋よ」
「いや…広すぎないですか?」
一人で居るには少し寂しくなる部屋の広さである。
「Sクラスは個室が与えられるんですよ」
「実際はだんだんと本とか武器や防具とか多くなって、狭く感じるのよ」
「それはユリカちゃんの部屋が散らかってるからでしょ」
この2人のやり取りを見ていると長年の付き合いを感じさせてくれる。
「それにここはツヴァイン寮といって、ツヴァイン帝国出身の生徒だけの寮なの」
「エドワード校長が決闘大会のこと言ってたの覚えてる?」
「うん」
「その大会の為に各領土ごとに、寮が分かれてるんだよ」
「だから私もここの寮生よ」
ユリカがアヤトに抱きついてくる。
「だからあいつは敵よ!」
ユリカがウタを指差している。
「そっか…ウタさんってアインスト王国出身ですもんね」
「敵って程では無いけどね…他の寮に入るには入り口で入寮許可を貰う必要があるけどね」
「なるほど…全然知りませんでした」
「そこらへんはオリエンテーションで説明があったと思うけど?」
「あ…たぶんオリエンテーションの半ばで闘技場に向かってしまったからかと…」
ブラビアが余計なことをしたおかげで、説明が中途半端となってしまったのだ。
「そうしたら僕たちが説明してあげるね」
「すみませんが、よろしくお願いします」
「じゃあ話を戻すね」
「ここはツヴァイン寮、小等部から高等部の全学年がこの寮で生活しているの」
「アインスト寮は人数が多くて、いくつかの寮に分かれてるよ」
「そうなの、アインスト寮ばっかり生徒が多くてずるいのよ」
ユリカはウタの頬を引っ張りながら話を続ける。
「各部屋を出るとホールになっていたでしょ?あそこは寮生であれば誰もが使っていいスペース」
「ただ、寮の中には食堂が無いから、食事のときは本館でね。学園の生徒であれば無料だよ」
「あとは、寮の地下には研究室があるの!各国代表に選ばれるとそこの部屋も自由に使うことが出来るの」
「僕も、ユリカちゃんも代表に選ばれてるからね」
ユリカは褒めてと言わんばかりに無い胸を張っている。
「さすがは姉さんに、ウタさんですね!」
各国代表には主に高等部の生徒が選ばれている。
そんな中で小等部から選ばれるのは、異例の大抜擢だ。
「決闘大会があるといっても、実際にピリピリし始めるのは大会1ヶ月前くらいだよ」
「それまではクラスなんかでもいたって普通な感じよね」
「大会前には野良試合とかがあるのも、楽しみの1つとしてるみたいだよ」
「野良試合か…結構物騒ですね」
「燃えるわ!」
意見が真逆のアヤトとサーラ。
「あとは学園全体のルールなんかで、例えば10時までには各寮に戻ること」
「学園の外に行くには外出届けや外泊届けが必要だよ」
「めったに許可はされないけどね」
「許可が取れるなら長期休みの度に帰ってるもんね」
「当たり前よ!…休みの度にダンジョンに潜りっぱなしで戻る暇も無かったけどね」
「そうだ、この学園の広さは知っているよね?」
「はい…ただ尋常な広さでは無いということは」
「そう、僕たちもまだ行ったことの無いエリアもあるし、立ち入り禁止のエリアもあるから注意してね」
「ダンジョンも立ち入りが制限されているから、まだアヤトくんは無理だね」
「…敷地内にダンジョンがあるんですね」
「いいなぁ…ダンジョン行ってみたい」
広大な敷地の中には学園が管理するダンジョンが複数存在している。
(ダンジョンね…久しぶりに使ってみるか)
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[ ダンジョン ]検索
魔力の濃いエリアに突如出現する。
階層や出現モンスターはダンジョンによって異なる。
5層ごとに階層主が存在する。
階層主のドロップアイテムは価値が高いことで有名である。
世界最大のダンジョンはツヴァイン帝国に位置する。
そのダンジョンの最下層には未だに誰も到達されていない。
※各ダンジョンにより特徴が異なってくる
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