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さようなら  作者: けふまろ
本編
7/20

7 麗香は、僕の事が…

 

 また、誘拐犯は、僕を殴る。

 蹴る。


「お前なんてな、どうせいてもしょうがない人間なんだよ。何告白されたからって浮かれてんだよ、キモいんだよ」


 そんな言葉を聞いて、早一週間。

 もう、こんな日常に、慣れてしまった。


「こいつ、反応ねぇよな……。そろそろ飽きてきたんだけど。返していいっすか?」


 刈り上げの男の隣で僕を蹴っていた、坊主頭の男がニヤニヤしながら言った。


「駄目だろ、お前。馬鹿野郎。今返したら、こいつの家族は安心しちまって、金なんてこれっぽちも手に入らねぇ。出来れば得した方がいいだろ?」


「そうっすね。……おい、お前、もっと苦しがれよ! 何のうのうと無表情で横たわってんだよ、気持ち悪ぃよ!」

 坊主頭がそう言うと、周りの男達がどっと笑った。


「そういえば、昔中学時代に、いじめられても無表情な馬鹿野郎がいてな、せめて苦しがるか突き放すか、どっちかにしろって話さぁ……」


 坊主頭が言うと、また男達が笑った。


 やめろ。そんな笑顔で、僕を殴るな……。


 でも、今の僕がそう言ったって、こいつらはやめるはずもない。


 僕の今の顔は、腫れ上がっていて、青痣がいくつも出来ていた。お化けみたいな顔だった。


 こんな顔を麗香に見せたら、そんなことになっても……。

 

 麗香は僕の事が好きなのだろうか……。

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