20 ありがとう、さようなら
やっと自分の気持ちに気付いた。
僕は、麗香のことが好きだったんだ。
あまりにも気付くことが遅すぎて、言うのも手遅れだった。
全てが終わった後に、自分の気持ちに気付いても、何の意味もないことに。
そう、麗香の体は、葬式が終わり、告別式も終わったので、火葬され、本当にこの世から消えてしまったのだ。
最悪なことに、麗香を殺し、僕を誘拐した誘拐犯は告別式に少し顔を出しただけで去ってしまった。
僕は殴ろうとして警備員に抑えられ、そのまま泣いて告別式を終えたそうだ。
麗香の骨を入れるとき、僕はどんな気持ちだったんだろう。
きっと何も考えないようにしたんだろう。きっとそうだ。
僕はお通夜にも参加した。お通夜には、なんとも言えない雰囲気が漂っていた。故人を語ろうとしても、殺されたのだから、元気に酒を飲む人もいなかった。お通夜が終わったらお父さん達が酒を飲んで楽しむものだと思っていたのに、娘が殺されたショックですっかり老けてしまった麗香の父親を見てると、何も喋れなかった。
麗香の弟も、いつもは元気そうな顔をたびたび見るのだが、今日は「お姉ちゃん……」と泣いてばっかりで、いつもの元気そうな表情は見えなかった。
そんなことがあったお通夜と告別式から早三日後。
僕らは無事新年を迎えた。
でも、麗香のいたあの日々は戻ってこない。
全てが終わったからって、今までの、笑って泣いて過ごした青春の日々が戻ってくれるわけじゃない。
もちろん始業式には、麗香のことを思う黙祷があった。
僕が麗香が好きってことを、きっと麗香が知ったらどう思うだろうか。
昨日、そのことを森口さんと峰口さんに言ったら、自分が告白されたように喜んでくれた。
そのことについてはとても嬉しかったし、自分の唯一の救いの場でもあった。
家では、酔っ払った両親に「もしもあの時あの場所にいなかったら麗香ちゃんは……」と愚痴愚痴言われているのだ。姉も僕を責めて、僕は肩身が狭くなっていったのだ。
クラスでも、そういう自分の居場所はないような気がした。
だから、峰口さんや森口さんの反応は、僕に新しい居場所を与えてくれた。
僕の居場所を生み出してくれた、あの二人に感謝しよう。
本当に、僕は麗香のことが、好きだった。
だから僕は、行くんだ。
麗香のためにも。
期待してくれた、二人のためにも。
残された青春を、取り戻しに。
最終回です!
本当にありがとうございました。
今回の執筆中にはデスクパソコンが壊れたり、ノートパソコンに移行したり、結局は直りましたが、何とか書き終えました!
翔役の怨念を感じる。ごめんね、私が想ってい「た」少年よ。
あ、リアルの方での私を知っている方へ。
病んでません。安心してくださいね。
今までありがとうございました。
週間ユニークユーザが119人になったときは泡を吹きそうになりましたが、本当にありがとうございました。
次回作にもご期待しないで待っていてくださいね。




