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短編

初恋シグナル

作者: 宮藤小夜

新見千帆にいみちほ、26歳OL。

この頃なんか熱っぽいし、生理こないし、体が変だな~と思い病院へ行ったら…。


「おめでとうございます!妊娠3ヶ月目ですね!」と医者に言われた。…まじですか?




***





やばいやばいやばい!!

どうしよう…。別に、妊娠したことに焦っているんじゃない。

今私のお腹の中にいる、子供の父親が問題だ。


何でって?そんなの…相手が高・校・生!!(かも)だからだよ。



あれは…そう。久しぶりに会った2年間付き合ってた彼氏に「好きな人ができた。一ヶ月前から付き合ってる。だから別れて欲しい」と言われ、


ーー…ブチ切れた。


はあ?ざけんなよ。別にさあ、好きな人ができたのはまあ、許すとして…一ヶ月前?あたしたち、付き合ってたよね?浮気?浮気ですか?相手はあたしのことしってんの?…はあ?知らない?…一目惚れ?初めて本気で好きになった?じゃああたしはなんだったの?…ーーもういい!


千帆は彼氏…いや、元彼の頬を思いっきり叩き、その場から去った。


泣かない。泣かない。泣きたく…ない。今泣いてしまったら、認めることになる。

好き。たとえ浮気されてたとしても…あなたが好きだったのにーー…っつ!



…ーーー飲もう。



そうよ!嫌なことは飲んで忘れましょう!!彼の前でかわい子ぶって飲めなかった生に、ハイボールに日本酒!!そして焼酎!!ーーっいただきます!!





***






…ズキっ。


痛っ、頭ズキズキする。え〜と、水水…。フニっ。…ん?

慌てて目を開ける千帆。そして目の前に、キラッキラな若い男の子がいた。男の人ではなく、男・の・子!!

見た感じ、高校生くらいかしら?しかもイケメン。なんでここに…。ってかここどこ?そう思い、周りを見渡す。

なんか似た所見たことあるような…。ーーハッ!そして気づき、彼の顔を見て、目線を下に下ろしていくと…。


…やっぱり?



彼は真っ裸だった。驚いてがばっと勢いよく上体を起こすと、私も裸でございました。しかも腰が痛い…。

これってヤっちゃった…よね。うわ~、どうしよう。




…逃げよう。



腰の痛みが気になるが構わず立ち上がり、散らばってる服をかき集めて着た。その時、足の間からドロッとなにかが出てきた。まさか…。考えないようにして近くにあったバックを持ち、お金をおいて部屋を出た。



建物の外に出たら、やはりラブホだった。時刻は朝の5時…。

家に帰って、寝よう。寝て、全てを忘れてしまうんだ。




***



と思ったらこれですよ。

あ〜、やっちゃった。いや、やられちゃったが正しいのか?

今は病院の帰り道。あの時の高校生?はあの時以来見かけていない。

まあ、高校生らしき人を見かけると、その場から思いっきり避けまくったんだけどね。

さすがに3ヶ月も会わないもんだから、もううろ覚えだけど…。


…妊娠のこと、両親に何て言おう。母は…泣くな。絶対。あの人以外と夢見がちなとこあるから。

父は…ああ、殴られる。怖い怖い。やばい。冷や汗出てきた。う〜ん。



「…の!」


いやでも、なかったことにはできないし…。


「あの!」

「おおうっ!?」


び、びっくりしたー!!まだ心臓ドキドキいってるよ…。

後ろから声をかけられてびっくりする千帆。胸に手を当て、おそるおそる振り返る。

そこには…どちらさま?

サラサラとしている明るい茶色の髪に、こちらを見つめる瞳は甘く輝く蜂蜜色の瞳。彼はこの近くの頭がいいと言われている高校の制服を着ていた。ぽ〜…。って、やばいやばい!この人の言葉無視して見惚れてたよ!ああ、いい歳してこんな若そうな男に見惚れるなんて恥ずかしい!


「えっと…どちらさまですか?」


千帆がそう言うと、彼はまるで雷に当たったかのような衝撃的な顔をして、目が潤み始めた。


「ど…」

「ど?」

「ど…っどうしてそんなこというんでずかあああああああ!!うえええええええええええん!!」


彼が泣いた。…って、泣いたああああああ!?

え?何これ?ちょっ!周りの人そんな目で見ないで!私のせい?私のせいなの!?



「あ、あの…泣かないで?どうしたの?」

「うう、ひっく…。千帆さんが、俺のこと忘れるからいけないんじゃないですか〜!俺のこと、一夜の遊びだったんですかー!!ひどいですよ!ヤリ捨てするなんて〜!!!うわああああああああん!!」


その時のことを思い出したのか、余計に泣き出した。

なんで私の名前知ってるの!?それよりも一夜の遊び!?ヤリ捨て!!?そんなこと私…あ。


「もしかして、3ヶ月くらいまえに…」

「…お、思い出してくれたんですか!?千帆さん!」

「え、いや…」


目が覚めてからしか覚えてないんだけど…。

そう否定しようとしたらまた彼の目が潤み始めた。ヤッ…ヤバい!


「お、思い出した思い出した!うん!だから、泣くな!!」

「ち、千帆さん…!!」


こちらを見る彼の目はキラキラと輝いている。まるでご褒美をもらえた犬のようだ。

ああ、頭がいたい…。



浮気に、妊娠に…。

はあ…これから一体どうなるんだろう…?


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