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増えるわかめに父を殺されて一年が経ちました

作者: あらまき
掲載日:2026/05/09


 増えるわかめに父を殺されてから一年が経ちました。

 ええ、その増えるわかめです。

 それも、プール一杯のふえるわかめに憑り殺されるような感じ爆死しました。

 ガチャでの爆死ではなく、文字通りの爆死。

 スプラッターがお茶の間に届けられました。


 オオアリクイに殺されるのと、どっちがマシだったのでしょうか。


 色々と同情する人の多い状況ですが、正直どうでも良いと言いますか、大したことじゃないと言いますか……。

 そんなことよりも、選挙の方がはるかに重要じゃないですか。

 ええ、選挙。

 それ以上に大切なことなんてこの世にありませんもの。


 選挙と言えば、父の最後の言葉も『選挙に……選挙に……』でしたけれど、まあどうでも良いことですね。


 アイドルが国家の代表となり、戦争の代わりにライブで殴り合うようになってから、はや数世紀。

 世はまさに"世紀末アイドル伝説時代"と言っても過言ではありません。


 だというのに、わが国のアイドルが卑怯にも反則のレッテルを張られ、今や強制引退に追い込まれようとしています。

 これは卑劣的で、国家的犯罪と言っても過言ではありません。


 そんなにいけないことでしょうか。

 アイドルが瞬間移動とかめは〇波を使えるということは。

 誰だって、かめは〇波が使えるアイドルがいたら投票するし、応援するに決まっているでしょう。


 なのに、他国のアイドルは卑怯だなんだと陰口を叩いて……。


 そりゃ、他国のアイドルが原因不明の襲撃に遭って多くが引退して、しかもその場所がまるで爆弾で襲われたみたいな惨状だったという悲劇には同情しますよ。

 けれど、だからといって無関係なうちのアイドルを攻撃するなんて、良くないと思います。


 ……ええ、はい。

 まあ、言いたいことはわかります。

 正直、限りなく黒に近いグレーであるということも理解します。


 けれど、証拠がないじゃないですか。

 毎回、我がアイドルには公務というアリバイがあったのですから。


 え? 瞬間移動なら意味がない?

 まあ、そう言われたらそうですね。

 今のは私のミスと言いますか、逆転〇判レベルのあっさい切り返しをしてしまったと言いますか。


 それに、確かに瞬間移動は一度行った場所にしか行けず、事件が起きた場所はすべて、うちのアイドルが直前に行った場所です。

 けど、物的証拠がないじゃないですか!


 ええ! ……まあ、はい。

 物的証拠も何も、何の科学反応も起きてない爆発の時点で、一つしか手段は残ってないのですが……。


 言い訳が苦しいのはわかっているんです。

 正直、『まあ、彼女ならやりそうだな』ってみんな思ってます。


 能力は孫悟〇だけど、性格はブ〇リーとパ〇ガスを足して、魔導士バビ〇ィを掛け合わせたような性格ですもん。


 自国のアイドルを嫌悪の表情で蹴落とし、他国のアイドルにも嫉妬を隠そうともせず変顔してますもん。

 ライブ中に隣のアイドル殴ったり平気てしてますもん。


 テレビでインタビューを受けたら、『まあ、彼女がやらないわけないですね』って絶対言ってしまうでしょう。


 それでも、引退は待って欲しいんですよ。

 我が国は民主主義国家。


 選挙にて誰が相応しいか選ぶのが道理じゃないですか。


 我が国の投票率は、いつもほぼ百に近い。

 全国民が関心を持つという、あらゆる国にとっての理想ケースでございます。


 まあ、誰も真似しようとさえしませんが。


 どうして真似しないんでしょうかね。

 水着着用バラエティー番組風人気投票。

 走ったり跳んだり歌ったりと、まあ色々とアイドルが頑張って、それを見て応援するわけですよ。


 さすがに料理勝負とかの時はエプロンを着用しますが、それはそれで趣があってベネでございます。


 というわけで、選挙まで数日。

 もう少しだけ待って、その上で逮捕でも投獄でも決めて欲しいわけなんです。

 彼女がいない投票日なんて、わかめのない味噌汁みたいなものです。

 彼女だって味噌汁にはわかめを入れる派なんです。


 それになにより……彼女、おっぱいが大きいんです!


 この世はスレンダーブーム。

 高身長スレンダーこそが理想の体型とされ、グラビアも映画モデルもみな細身。

 そんな中での、低身長巨乳という輝く一番星。

 彼女こそが男性の希望そのもの。


 そりゃ、破壊と混沌をコンクリートミキサーにかけたような性格でも人気が出ますよ。


 学力テストは掛け算を間違え、料理勝負では蠢く物体エックスを生み出し、歌勝負では怪音波にてテレビ越しの国民の耳さえも破壊する。


 運動神経と身体以外に、何の取り柄もありません。

 え? なんで国家の代表に選ばれたかって?


 もう答え言ってるよ!


 とにかく! 選挙まで、もう少し。

 何とか我慢してほしいわけなんですよ!


 僕にとっても他人事じゃあないんですよ選挙は。

 父の遺言がありますので。


 ええ、あるんですよ、あったんですよ。

 遺言。


 僕にとって良き父というわけではありませんでしたが、それでも父は父。

 やっぱり叶えてあげたいというのは、人情じゃないですか。


 遺言の内容ですか?

 大したことじゃありませんよ。

 ちょっと『投票日のアイドルの様子を撮影してほしい』というものです。


 父の用意した『酸素ボンベ』と『水中大型カメラ』を使って。

 え? 父の死因ですか?


 プールの中で超増殖した増えるわかめに襲われたみたいですね。

 ええ、襲われたんです。

 なんかビオラ〇テみたいになってたわかめに。


 どうしてか知りませんが巨大怪獣みたいになった増えるわかめがプールに現れて、"偶然"プール内にいた父を見つけ、そして爆発四散という結果でございました。


 とはいえ父も本望だったでしょう。

 推しのアイドルの手料理の手にかかって死んだわけですから。


 とはいえ父は父、僕は僕。

 僕は父とは違う道を進みましょう。


 さ、父の遺言である、ローアングル水着アイドル盗撮映像を一周忌に流すため、頑張りましょうかね。

 なぁに、大丈夫ですよ。心配しないでください。


 前日プールに忍び込み監視員の誰にも見つからなかった父も、私の隠密技能は決して負けておりません。

 それに、万が一のために対わかめ最終兵器・乾燥剤エックスを用意しました。

 負けるはずがありません。

 百パーセント、僕の勝利です。


 そしてそのミッションに成功したその時こそ、僕は父を超え、親孝行をしたと言えるわけです。

 というわけで、ステーキでも焼いて待っていて下さい。

 では、行ってきます。



 そして数日後……。

 水上アイドルコンサートにてゼロ距離鼓膜破壊を喰らい、水中にて死亡した一人の男が発見された。


ありがとうごめんなさい。


第二弾です調子に乗りました。


毎回ジャンルに困るけど、その他で間違ってないですよね。

怪文書ですし。



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