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万象の書庫は燃えない ~Eランクの司書が七日間で帝国を救い、記録から消えた~

最新エピソード掲載日:2026/03/20
帝都アルケイアの帝国図書館「万象の書庫」。末席司書のユキが持つスキルは「記録(アーカイブ)」——見たものを記録するだけのEランク。戦えない。作れない。ただ、記録するだけ。

だがある日、封鎖されていた地下禁書区画で一冊の黒い本に触れた瞬間、スキルは覚醒した。記録を「書き換える」力。死んだはずの人間を生き返らせ、起きたはずの事件をなかったことにできる。

ただし、代償がある。書き換えた分だけ、世界のどこかで辻褄合わせの災厄が起きる——ナラティブ・デット。一人を救えば三人が死に、三人を救えば街が壊れる。

それでもユキは書き換えることをやめられなかった。友を救うために。帝国を守るために。やがて見つけた「記録の隙間」——矛盾する記録同士の間に新たな事実を滑り込ませる知略。だが隙間を突くたびに、ユキ自身の身体が透明になっていく。

滅びゆく帝国を救うため、ユキは隙間戦略で百年分の歪みを一つずつ中和した。そして最後に、自分自身が生んだ歪みだけを精算するために——記録者を、記録から消す。
万象の書庫と末席の司書
2026/03/19 21:02
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