真実どーぞ
11月1日描写を加えてみました。
「さて、9時になったわけだけど…」
9時になり、アーチャーは公園へ来ていた。そこへ来たのは白の車で、傷ひとつなく、大切に扱っているのか、はたまた新車なのかは、車に関わることが少なかったアーチャーには分からないことだった。
バタンッ…ブロロロロロロロ…
「時間通り来てくれて〜ありがとう〜!」
「来ないかもと思ってましたが杞憂でしたね。」
「顔晒したくないのか知らないけんど、仮面付けてたら逆に目立つさぁ…」
「うるさいわね…。それで、何処に行くのよ?」
「着いてきて〜。」
かろうじて看板でカフェと分かるその店はいわゆる隠れ家的場所にあった。
カランッカランッ
「いらっしゃいませ。」
「社長〜。連れてきました〜!」
「ふむ…ありがとうダリア。」
「アンタが大将ね?カフェに連れてきてどうする気?」
「少し待て。マスター、色よ永遠に」
「…かしこまりました。」
マスターの後ろの壁が音を立てて動き始めた。周りの客は気がついておらず、何かしらの力が作用しているのが分かる。あらわれたのは地下への階段だった。
ガガガ
「あら、なるほどこういうタイプね。」
「…前から思っていたが、察しがよすぎると思うのだが…」
「まぁ、創作で溢れてる世界ですから。」
「外でずっと話してると、バレるからさっさとするさぁ。」
地下への階段へと潜り、薄暗い通路を抜けて、着いたのはシェルターのような場所だった。空調管理はバッチリで、四隅に冷蔵庫やテレビなどの家電があり、中央に丸い木のテーブルと、丸い椅子が6個あった。
「…さて、アタシをここに連れて来て、よっぽど周りに聞かれたくない話何でしょうけど?」
「その通り。一番伝えたいことから話すと…怪人は宇宙人によって改造された元人なんだ。」
「そこから言うの!?前に活動を辞めさせたくないって言ったじゃない!」
「私もそう聞いたからヒーローしてるんですよ!」
「2人とも落ち着くさぁ。社長が適当に言うわけねぇさぁ」
社長は真顔で葵に秘密をばらす。ダリアもアイリスも、秘密を知っていたから、その残酷性を知っていたからこそ、焦った。百合は、少し顔を強ばらせ、2人を止めていた。
「…ふ〜ん。やっぱり?」
「…やはり、そう思っても辞めなかったんだな。」
「どういうことよ!」
「アーチャーは前々から人を助ける優しさを持っている。怪人も一撃で倒すほど。怪人を人と思っていないなら、誘導し、人気のないところで倒す方が、被害も少ない。それをしなかったのは、つまり…」
「まぁ、宇宙人に改造されたとかは思いつかなかったけど。元人なら、さっさと解放してあげた方がいいじゃない?まぁ、徹底的に痛めつけて絶望顔を見るのでも良いけど?」
「絶望顔とか言う?引くんだけど…」
葵はその秘密を想定しており、さほど驚いていなかった。社長はアーチャーが、怪人に踏み潰されそうな人を助けていた姿を見ており、だからこそ、倒せばその巨体が倒れて危ない街中で怪人を倒すことに疑問を持っていた。
「で、それだけじゃないでしょう?」
「ああ、君の使っている弓についてだ。簡潔に言うと、私はパラレルワールドから来た科学者で、色の力を使って武器を作った。名前はカラーウェポン」
「その武器のひとつがこの猫ってことね。名前はホワイトウェポンってところかしら。」
「…創作で溢れてるから察しがいいのは当たり前って言いましたが、前言撤回します。」
「…そうした方がええさぁ」
この日本は創作で溢れてる国であり、多少の察しの良さは分かるものの、名前まで当てることが出来た葵にアイリスと百合はドン引いていた。ダリアは絶望顔発言でドン引いていたが、椅子を引いて距離まで取り始めていた。
「で、敵が宇宙人と。なに?ホワイトウェポンを返して。とでも言いに来たわけ?」
「いや、ただ、協力して欲しいんだ。君が表に出たくない性分なのは百も承知だ。それでも、宇宙人達を撃退したい。怪人を…元同僚を解放してやりたい。」
「…」
皆が黙りこくる。硬い表情で沈黙が流れる。イエローは特に酷い顔で固まっていた。
「いやよ。」
「…そうか。なら、」
「だってアタシ、自主的にやってるもの。協力なんて、むしろそっちがしてる訳でしょ?だって後から来たの、アンタ達の方じゃないの。」
「…!ありがとう…!」
「でもひとつ聞かせて。アタシがアーチャーになってから、3年間何してたわけ?」
「言われてみれば〜。何してたの〜?」
「確かに。何を…?」
「本当に倒したいなら、もっと早くから動くべきさぁ。」
アーチャーの協力が得られたことで、安心し疑問がわいた。それは3年間何をしていたのかだった。葵以外も知らず、疑問をぶつける。
「…。ウェポンの改良をしていた。」
「つまり?」
「ウェポンは元々、誰でも使えるようにしていたんだが、あのままの機能だと、もし持ち主が倒された時、宇宙人に利用されかねないからな。1度持ち主が決まれば、持ち主の血縁関係出ない限り、使えないようにした。それと、防護性能を上げたり…な」
「…!それって…」
「百合、どうかしたの〜?」
「い、や。もしも家族に知られたらヤバそうだと思っただけさぁ。」
「…なるほど、だからコスチュームがフルフェイスなんですね。いちばん身近な人にバレないように」
ダリア達の変身にはアニメのように変身しており、格好も身バレ対策をした上、派手な衣装だった。その理由は色を他の人が知れば知るほど、認知度が上がれば上がるほどその力が強くなるからだった。
「…えと、私言わなきゃ行けないことがあるんだけんど…」
「それって、な」
百合は顔を青くさせ、手を握り、決心したかのように顔を上げて発言した。ダリアも仲間の話を聞こうと真剣な顔をした。空気も真面目な空気になり始めた頃。
ドーンッ!
突如大きな地響きと、ウェポンの怪人探知の証である、宝石部分が、強く光り輝いた。
「「「「ッ!」」」」
「怪人のお出ましね。でも少しでかいわね。」
葵の言う通り、今までにない程の音と、光がその異常差を物語っていた。




