ダリアの心意気②
11月1日描写を加えてみました。
私は鍛えられ、強くなり、仲間も増えた。COLORSとして名を馳せた私たちは怪人を殺し、殺し、殺し…
何度も勝って、ついにアーチャーを捕らえる任務につき、アーチャーを仲間にすることにした。
正直、今の私たちなら勝てる自信があった。なのに…
ガキンッ!
「ふっ!」
ガキンッ!
白い部屋で、可愛らしい少女が剣を振り回し、ホログラム体を切っている。剣は適当に振っているかのようだが、その道の人が見れば、隙もなく無駄な動きはない洗礼された動きであった。
「まだやってるんかぁ」
「相当悔しいそうです。」
「そろそろ子供は帰って寝る時間だべなぁ」
「止めるべきですよね。」
「いや、」
ガキンッ!
「こういうのは、納得するまでさせとくべな。」
今まで逃げてきたのに。怪人を一撃で倒せるのはこちらも同じ!あんなに強いなんて…そもそも、インクウェポンを破れるなんてあの弓はなんな訳!?今までインクウェポンを破れたのは同じインクウェポンだけ…………
アイリスや百合と月1程度でする訓練。インクが体の急所に着けば即アウト。負けたものはご飯を奢るルールで、学生には少しキツイ。だからこそ本気になる。訓練ではインクウェポンにより己の武器が壊されるなどざらで、壊す度に壊れにくく改良されるからこそ、怪人に破られたことなど一度も無かった
ダリアが思い出すはあの日、怪人を、人を殺す殺人鬼になると誓った日の会話。
「で、仲間とか居ないわけ?」
「この地球に気に入る存在が居るのかは分からないが、ひとまずインクウェポンは君のを含めて5個ある。」
「じゃあ、今後仲間は4人増えるのね」
「いや、公認なのは2人だけだ。」
「どういうこと?」
「逃げる時に、インクウェポンを1つ落とした。」
「はぁ?なにやってんの?てかもうひとつは?」
「私が使っていた物で、今は壊れてしまってな。直すためには私の世界のインク。それも無くした白インクがいる。」
インクウェポンは元のインクの色を基調としている。アーチャーが使った弓は…
「白の弓矢…!」
「お?落ち着いたべかねぇ」
「あれは…きっかけさえ無ければしばらく安心ですね。」
「2人とも!社長のとこ行くわよ!」
「急にどうしたんさ?」
「その目…、なにか気がついたことでも?」
「社長が無くした白のインクウェポン。持ち主はアーチャーかもしれないわ…!」
「「!」」
ダリアがそういえば2人の目も変わり、なりふり構わず廊下を走る。社長室につき、扉など邪魔だと言わんばかりに強く開ける。
バタンッ!
「社長!話が!」
「私も丁度呼ぼうと思っていたところだ。」
「白のインクウェポン!持ち主はアーチャーかも!」
「やはりそうか…」
「やはりって…」
「私も同じ結論だ。君たちの報告書だと猫の鳴き声の後、白い弓と白い矢が出現。そしてインクウェポンを破る威力。間違いない。白のインクウェポンだ!」
「やはりアーチャーを仲間にするべきなようですね。」
「んでも、捕まえれないさぁ」
「それならば問題は無いだろう。」
「秘策があるわけ?」
「ああ、なんせインクウェポンの開発者はこの私だ。白が気に入る相手なら、話くらいは聞いてくれるだろう。交渉を間違えなければ…な。」
社長は白のインクウェポンの開発者。精神が宿り、意志を持った中で新たな持ち主を探しに手から離れたその猫は、強き信念を持った者を好む戦闘狂。それを扱いきれるアーチャーは、狂った人物なのだと見切りをつけた社長がいたそうな。




