COLORSは知る
アタシ、村沢葵15歳。「アーチャー」の正体よ。
現在進行形で…
「アーチャー、来てもらうよー!」
「仲間になった方がメリットは多いですよ」
「ごめんけど、社長の頼みなんだべさ」
「何度言わすの?アタシはヒーローになる気は
ないのよ!」
COLORSに勧誘されてるわ。
路地裏で。
何度も来て鬱陶しい。ジャス・イエローしか
まともなの居ないのかしら?
まぁ、まだ理由があるからいいのよ。
これで理由無しに来たらほんとに…
で、まずCOLORSが来るのは頼まれてるから。
COLORSを支援してる明日カンパニー。
そこの社長である明日空が、
どうやらアタシの打った白い矢を研究しようとして
触ろうとしたら眩い光と共に消えたらしいのよね
つまりアタシを仲間にして命令して
研究しようとしてるみたい。
恐らくは、怪人を誰でも倒せるように。かしらね
そしてCOLORSは支援してる会社の社長に逆らえず
命令を聞いてる状態ね。今までそう言ってたわ。
仲間になることについてメリットは多いわ。
普通ならね。
アタシはこの現状に満足してる。
だってダークヒーローになりたいんだもの
金銭だって、まだ余裕がある。バイトもしてる
仲間になる必要が無い。
「何度でも言うわよ。アタシ、仲間にはならない
だって足りないものなんて無いもの。」
「もう無理やり連れていくから!」
「正義の味方としてそれはどうなのよ!?」
それはもう誘拐じゃないの!
「はっ!バレなきゃセーフ!」
「それでも政府公認ヒーローなの!?」
「はっ!」
レッドが切りかかる。
アーチャーは音もなくよけ、レッドの背後に回る。
バンッ!
銃声。ブルーの目がアーチャーを捉える。
キンッ!
「あぶな〜い!ブルー気をつけて〜!」
「すみません!」
アーチャーは飛んで回避した。
銃弾はレッドを捉えるも、剣によって防がれた。
「オラァッ!」
空中にいるアーチャーにイエローが斧を投げつける
アーチャーは斧を掴み、投げ返す。
「えっ!」
イエローは掴みはしたけれど、体制を崩した。
「今まで逃げてきたけれど、1度攻撃してあげる
あなた達が今、どれほど弱いのか自覚しなさい」
「なぁ〜ん」
猫の声。機械じみたその声を疑問に思うも目の前の
ことに集中しなければとCOLORSは声の主を
探さなかった。探そうとしても、眩い光で
見えなかっただろう。光が収まる頃には
アーチャーは弓を構えていた。
白い弓。そこにある白い矢は同化していて、
少し見えずらかった。
ヒュンッ
「「「ッ!」」」
COLORSの武器はそれぞれ変形し、盾となった。
矢はそれぞれの盾へと刺さり、そして
貫通した。少し遠くで持っていたから
刺さらなかった。もしこれで近くに待っていたなら
重症は免れなかっただろう。盾から目を離し、
アーチャーを見ようとした時には、
もうそこには居なかった。
COLORSは当たりを見回しながら、ゾッとした。
今まで無敗だったからこそ、才能があったからこそ
分からなかったことだった。もしもアーチャーが
怪人だったなら、きっと自分たちは死んでいた。
それをたった今理解した。
「にゃ〜ん」
猫の声。機械じみたその声に気が付いていても
COLORSはしばらく動けはしなかった。