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モーニングで作戦会議?

 



 「コオリを探すっていってもねー」と私はレモネードの果肉をストローで潰しながら言った。


 「まぁ…女将さんのおかげでコオリがどこに出没するか分かっちゃいましたもんねー」

 そう言って奥村はピザトーストに齧り付いた。



 そう次にコオリが100%出没する場所は映画館だ。こっちから血眼になって探さなくても彼女は現れる。


 「山崎が作った映画の試写会…そこにコオリは現れ…」と言いかけたところに「お水のお代わり…そのいかがでしょうか…」とお店の新人さんらしき女の子が声をかけてくれた。


 「あぁ…こちらの男性に沢山注いでください。」と私は女の子に言った。女の子は奥村の水をなみなみに注いで「失礼します」と会釈をし四つ隣のテーブルに水を注ぎに行った。


 そして奥村は水を一息で飲み干した。


 「ふー…山崎が作った冤罪の映画…その試写会は上映後トークショーがあります。山崎と冤罪のボクサー庄司ユズルが30分ほど冤罪被害について話す…そして、そこに戸田コオリが来る。」


 「なんだかモリモリですね」と私は言った。出る登場人物全員知り合いだし。それにレイプ魔にボクサーに美人局。3分の2は犯罪者だ。


 「メルさんも入ってますからね…」


 「あぁ…まぁそうですけど。そこに公安の刑事も入ってますからね」


 奥村はピザトーストでついたパンカスをお皿の上に落とした。


 「おそらくですね…あの試写会の場で『自分を冤罪に嵌めた女は“星浦メル”』と山崎は言います。映画のPRにもなりますしね…」


 「そーですよね」と私は言って果肉たっぷりのレモネードをストローで吸い上げた。


 「そのために星浦さんには警察行って検査して欲しかったんですけどね…」と奥村は軽口を叩いた。


 「だから警察のお世話にはなりたくないの。警察の検査も検察も裁判もあれ本当にダルいですからね〜。私には1円もお金入ってこないし」


 「いや〜そう言われても、これ以上被害者を産まないためにと思って〜」と奥村は警察官が言いそうなテンプレを心を込めないで言った。


 「大丈夫よ。奥村さん。」


 「へっ」と奥村はそう言って私の方を見た。


 「そっちに関しては私に任せて」


 「その作戦…聞いてもいいですか〜?」


 「ダメです。すみません。この人にお水注いであげてください」


 「もう水は良いですって!」


 ウェイターの女の子は嬉しそうに「はい!」と言って、奥村のグラスになみなみのお水を注いでくれた。



 「奥村さんはコオリをなんとかしなきゃね。」



 「えぇ…まぁ。そうですが」と奥村は不貞腐れた顔をした。


 「どうするんですか?映画館でコオリを待ち伏せして捕まえる感じ?」


 「まぁ…そうなりますね。彼女の前科的に山崎を殺すと言っても不思議じゃない。銃刀法かな〜」


 「ふーん」


 「なんだか星浦さん腹括りましたね」


 「まーそうですね。これで私が山崎にハニトラした冤罪女になったら、それはそれで悪女として生きてやりますよ」と言って私はニヤリと笑った。そしたら奥村もニヤリと笑い返した。


 「さて山崎の試写会まで後1週間ですね。星浦さんどうします?帰るなら飛行機のチケット手配しますよ」



 「いやせっかくなら、1週間慰安旅行ってことで北海道観光します」


 話の区切りが良くなったので、「そろそろお店出ましょうか」と奥村が言った。奥村のグラスを見たら空になっていた。コイツ水7杯飲んだぞ。あの新人さんは気づいたのかな。このテーブルに7回水を注ぎにいったこと。



 お会計を済ませ私達は外を出た。今日は関東のような気持ちいい気温だった。コートを一枚羽織れば暑くもなく寒くもない感じ。



 「じゃあ星浦さん、また1週間後に映画館で会いましょう」


 そう言って奥村は右手を差し出した。


 秋晴れの空を仰ぎながら、私は鼻から空気をいっぱい吸った。


 「はい!奥村さん!」私は奥村の手を握り返した。


 そしてお互い反対方向に歩き出したあと、私は奥村のいる方に方向転換した。


 「奥村さん!!」


 奥村はゆっくり振り返り、こちらに近づいてくれた。


 「すみません。一個お願いしたいことがあります!」


 「なんでしょう!?」と嬉しそうに聞いた奥村だったが、私がそのお願い事を話すと奥村の顔から笑顔がドンドン消えていった。



 「星浦さん…マジっすか?」


 「マジっす…」





次回から最終章です。

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