盗賊を捕まえろ!
あらすじ
なんか盗賊を捕まえることになった。
「じゃあどうする作戦」
「わたしが突っ込んでボコボコにする」
「脳筋!」
作戦会議をしてみたがかたや素人、かたや新人冒険者。
さすがに無理がある。
でもソニアは腕に覚えがあるようで、確かに剣の腕は素人のおれでも中々のものに見える。
対しておれは…
「そのクソみたいな炎だけ?」
「一応それなりに鍛えてはいるぞ!見てみろこの腹筋」
「はぁ…」
ちっちゃな火と常識内くらいの身体能力しか持っていない。
「なにか武器は使えないの?」
「木の棒とか?」
とりあえずソニアに突っ込ませることにした。
おれは後ろから応援。完璧な布陣だね。
「あなたと組まなければよかった…」
「ちなみにその盗賊連中どうやって探すんだ?」
「盗賊って商人の馬車とか狙うじゃない?だから馬車を借りておびき寄せるわ」
なるほど、悪くない。
「でも馬車なんか借りれるだけの金あるの?」
「わたし、田舎は田舎でも割と良い出だからお金はあるの」
どおりで昨日泊まった(泊まらせてもらった)宿が豪華だったわけだ。二部屋も借りてたし。
「じゃ出発!」
ここトミノ平原はスティラ内でもかなり広い場所で、野生動物や魔物、それこそ野盗なんかがうようよしている。
危険ではあるが、ちゃんと準備をした冒険者パーティーなら余裕というぐらいだ。
「パカラッパカラッパカラッパカラッ」
「その口で効果音言うやつやめろ。鬱陶しい」
「はい…」
怒られちゃった。
現在平原に出て一時間というところだろうか。
今のところ何も起きていない。
パカラッパカラッパカラッパカラッ
「地の文でもダメだぞ」
「テレパシー?」
「あら?」
ふとソニアが声を上げる。
「馬車よ」
商人だろうか。向かい側から馬車が向かってくる。
「…いや、違う!」
「え?」
明らかに乗ってるやつがイカつい。
「野郎共!カモが来たぞぉぉぉ!」
「盗賊だ!」
「引きつけるわ!」
二台の馬車が交差する。
「おらァ!」
激しい衝撃が響く!
ぶつかられたのか?
しかし___
「あ?」
盗賊の馬と荷台が切り離されていた。
あいつが連結部分を切断したのか。つよ。
そのままソニアは荷台を飛び降り、斬りかかって行った。
なんとか馬車を停止させたおれは見守ることにした。(我ながら情けない)
…すごいなあいつ。想像の3倍くらい強い。
10人はいたであろう盗賊がバッタバッタと倒れていく。
「ふう」
全員を打ちのめしたソニアは縄を取り出し、盗賊達を縛ろうとしていた。
だが___
!
倒れていたはずの一人が起き上がった。
死んだふりをしていたのだ。
「まずい!」
やつは手に持っているナイフで彼女を突き刺そうと走り出した。
ソニアは油断していて気づいていない。
「ソニア!後ろだ!」
「え?なに?」
間に合わない!
そのまま彼女に凶刃が迫り___
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