出立
あらすじ
ダイゴが素直になった。
〜翌日の朝〜
「ありがとうね、キシリカ様。それとお弟子さん方」
「いい街だったわ!また再戦しましょう!」
「おう!」
ぐっとソニアと女性が固い握手を交わした。少年漫画?
「また困ったことがあれば頼ってよいからな」
「ははは。じゃあ遠慮なーく頼らせてもらうとするよ」
軽口もそこそこにおれ達は再び旅に出た。
「はっ!はっ!はっ!」
「おーら走れ走れ」
出発してから約2時間後、おれは出発からずっと馬車と併走して走らされていた。
前に無茶した罰をマジでやらされている。今どきどんなヤバい部活でもやらないようなことだと思う。
「ゴールはまだ遠いわよダイゴ!」
ソニアも隣で(何故か自主的に)走っているが、全然疲れた感じがない。体力オバケとかそういう次元じゃないなこれ。
「よーし!休憩じゃ!」
「おろろろろ」
あまりの過酷さに吐いてしまい、飛沫がちょっとソニアにかかってしまい腹パンされた。
さすがにこのトレーニングは厳しすぎる。
「ハァ…人を…ゼェ…なんだと…ヒュー…思ってん…だ!」
人をそれこそ馬と同じだと思ってない?
「わたしにはちょうどいいけど」
「お前と…うぐっ…一緒に…すんな…」
「魔力というものは、身体の強度に量が左右されるからの。あともし戦いになった時に魔法以外に剣とか使えると便利じゃろ?」
一番貧弱そうなやつが何言ってんだ…
おれの考えていたことが伝わったのかキシリカがムッとした顔をした。
「疑っているな?わしの腕を触ってみよ」
キシリカは腕の筋肉を盛り上げるポーズをした。
…見た目は細いように見えるが。
「って硬っ!?」
ありえないくらい硬かった。もう筋肉とかそういうレベルじゃないくらいカッチカチだ。
「えっ鉄?」
「毎日の鍛錬の賜物じゃな」
これ合法なの?叩いたらカンカン音するよ?
「じゃ、再開じゃな」
「いやだぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「今日の分は終わりじゃ!」
「いい汗かいたわ〜」
…
「あれ?あいつは?」
「3kmくらい後ろじゃ」
これが次の街に着くまで2週間ほど続いた。
見てくださってありがとうございます!