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異世界エンジョイライフ  作者: ○
道中
14/42

深夜

あらすじ

枕投げ大会をした。

「んあ」


 枕投げ大会を終え、泥のように眠りこけていたおれは急に目を覚ましてしまった。

 時刻は3時といったところだろうか。


(トイレ…)


 催したおれはトイレを探して部屋の外に出た(トイレは共用である)。


「ふう…」


 用を済ましたおれは急に夜風に当たりたくなり、外へ出た。


 夜風が身体を通り過ぎていく。


 昼はむさ苦しいような空気も、夜は静かで心地がいい。


「浸っとるのぉ」


「うぇ!?」


 びっくりしたぁ。

 見るとキシリカがベランダのへりに座っていた。

 格好は年相応…というか外見年齢相応に見えるシャツと短パンと言った感じだ。


「そんな格好じゃ寒そうだけど」


「寒くないわ、鍛え方が違う。…と言いたいところじゃが、そろそろ戻らせてもらおうかね。疲れたし。だいたいなんじゃあの赤毛の…元気すぎじゃろ…」


 それはとっても同意だ。


 それよりも。


「戻る前に聞きたいことがあるんだけど」


 おれはあることを本人に聞いてみたくなった。


1()0()()()()()()()()()()()


「それ聞くのかぁ…」


 キシリカは、少し痛いところを突かれたかのように、一瞬苦しい顔をした。


「『大侵攻』じゃ」


「『大侵攻』ってあの?」


 おおまかだがおれでも知っている常識。それにキシリカがどう関わっているのだろう?




 10年前、大陸全土に魔物が急激に発生した。

 色々な街が襲われ、名前を消した都市も少なくない。

 死者も万に達し、人々は魔物に怯える日々を過ごしていた。


 王都アラキではこれに対抗するために、兵だけでなく、スティラ全土から腕利きの戦士を集め、大量発生の源であった超巨大発生装置型獣『大穴』の討伐隊を編成した。


 その中には魔法使い達もいたという。


 だが、その戦いで『大穴』は倒したものの討伐隊はほぼ壊滅。

 魔法使い達も数少ない生存者を残して消え失せた。




「その生き残りが『スティラ五杖』だ。私は強くなんかない。上澄みでもない。ただ運が良かった、生き残ってしまった、それだけだ」


「自分のキャラさえ忘れるほど悲惨だったんだな」


「?…!?そうだったいかんいかん」


『大侵攻』の話は聞いていたがここまで詳しく話を聞けるとは思わなかった。


「その…聞いといてなんだが…辛くないのか?」


「もう慣れたわい。ただ…ね。こうしてたまに思い出してやらなきゃ、話をしてやらなきゃ、死んでいった奴らは忘れられてしまうだろう?」


「…」


「さ!辛気臭い話は終わりじゃ!」


 そうして彼女はいつものようにニヤリと笑うと、




「大坑道の大トカゲ退治をするぞ!」

見てくださってありがとうございます!

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