炭鉱都市オー=カワラ
あらすじ
スライムを倒したあと急にキシリカに襲われた。
「んあ」
これももう何回目だろう。
気づくといつの間にか街に着いていた。賑やかな街だ。
そんなことより。
「おい、キシリカ」
「なんじゃ」
「お前さ、急に襲いかかってきたよな」
「うん」
うんじゃねーよ。
「どういうこと?」
「いやー強くなったかと思って」
「…」
人はそんな急に強くなったりしねーよ!やっぱりこいつは危険すぎる。
横を見るとソニアが軟膏やら薬草やらを塗りたくられて寝ている。
「ソニアさーん、おはようございまーす(超イケボ)」
「ん…」
起きた。
「寝覚め悪いと思ったらあんたね」
「…」
「…」
空気悪っ。
「ここはオー=カワラという街でな。炭鉱業が盛んなんじゃ」
「へー。通りでムキムキなおっさんだらけなわけだ」
「ところでなんでここに寄ったの?」
それはおれも気になってた。
まぁ、物資の補充とか?かな。
「さっき倒した『ステァリバスヌス』いたじゃろ」
「ちげーよ。『ステアリステナシトゲハムシ』だよ」
「どういうボケ?」
アホみたいな茶番はさておき。
「そいつがどうしたの?」
「この街はあいつに困らされていてな。討伐報酬を出してくれることになっとるんじゃ」
最初からそれを言ってほしかったなぁ。やる気だいぶ違ったよ?
「でも、あいつを討伐した証拠とか出さないとダメじゃない?」
「見ろ」
キシリカはローブのポッケから(今まで特に説明していなかったが、キシリカは長いローブをきたThe魔女って感じの格好をしている)緑のゼリー状のものを取り出した。
「あいつの体の一部か!」
「でも素手で触れて大丈夫なものなの?」
薬草の草っぽい匂いを漂わせながらソニアが聞いた。
「もう死んどるからの」
なら大丈夫か!
「着いたぞ」
「お」
ここがこの街の冒険者組合か。
すごい!中にムキムキの人間しかいない!汗臭い!しにそう!
「『ステァリスススス』、討伐してきたぞ〜!」
「ちげーよ、『ステロイドムキムキマン』だよ」
「もういいって」
どよめきが起こり、次に疑惑の目が向けられる。
そりゃそうだ、見た目ガキ、薬草女、普通の16さいの男子(実質30越え)のパーティーだもんな。おれでもそんな顔するもん。
「おお!『制裁のキシリカ』様じゃないか!」
奥から他より一層ムキムキの女がでてきた。腹筋がすごい。
「『制裁』!?」
「それって10年前のあの!?」
「なぜこんなところに?」
かっこいい二つ名持ちかよ。羨ましいな。
「厳密に言うと討伐したのはわしじゃないが」
「ほう。そちらのお弟子さんが」
「まあね」「当たり前よね」
「ははは!自信過剰なとこもあなたそっくりだ!」
それでまあまあの金を受け取り、さあ王都へというところで、
「実はのう、まだ用事があるんじゃ」
「もういいよ…街がなんか汗くせぇもん」
「まあそう言うな」
「今日はもう疲れたからせめて明日にして…」
「うーん…しょうがないの」
今日はもう寝たい!ほんまキツイ!
「じゃ、また明日!」
「待ちなさいよ」
ソニアが首根っこを掴んできた。
「買い物付き合って」
「おれ?同じ女のキシリカの方がいいんじゃないの」
「嫌よババ臭いし」
「聞こえとるぞ」
空気がまた悪くなった。
おれ女心とかわからんのだけど大丈夫なのか…?
見てくださってありがとうございます!